タイム・ループ 7回殺された男を観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。
今年も映画鑑賞の秋、タイムシリーズの秋がやってまいりました。
タイムシリーズの観測者伊達あずさです。

そんなわけで今回紹介する映画は・・・
タイム・ループ 7回殺された男(Inkarnacija)」です。

いつもの様に作品情報から。

タイム・ループ 7回殺された男
原題:Inkarnacija
ジャンル:ミステリー
製作国:セルビア
公開年:2016年
監督:フィリプ・コヴァチェヴィッチ
概要:目を覚ますと、そこはまったく見覚えのない公園のベンチ。自分が今どこにいるのかもわからない。それどころか、自分の名前すら思い出せない。そして、所持品は携帯電話とマッチ箱だけ。公園の中央で途方に暮れていた主人公は突如仮面をかぶったスーツ姿の男逹に襲撃され、銃殺されてしまう。しかし、再び目を覚ますとそこは見覚えのある公園のベンチ。銃で撃たれたにもかかわらず、体のどこにも傷はない。夢でも見ていたのかと思った主人公だったが、再び仮面をかぶった男逹に襲撃され、あれがただの夢ではなかったことに知る。こうして、出口のないループに捕らわれた主人公の物語が始まった・・・

久しぶりにタイムと名の付く作品を見つけてしまったので、つい使命感で借りてしまいました。
ですが、私がこれまで鑑賞してきたタイムシリーズの評価って結構負けが込んでるんですよね・・・
久しぶりですから、過去のタイムシリーズについておさらいしてみましょう!

タイム・リーパーズ(原題:COLLIDER):おすすめ度★★
タイム・ルーパー(原題:Time Again):おすすめ度★
タイムシャッフル(原題:Time Lapse):おすすめ度★★★
タイム・ハンターズ(原題:Fort Ross(英語名)):おすすめ度★★
タイム・チェイサー(原題:I’ll Follow You Down):おすすめ度★★★
タイム・ラヴァーズ(原題:THE LOVERS):おすすめ度★★
タイム・ループ 7回殺された男(原題:Inkarnacija)

こんな感じですね。順調に平均おすすめ度(★2.17)が下がっていっている状態です。
この悪い流れを本作品で断ち切ることが出来るのか!!!
そんな、「タイム・ループ 7回殺された男」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★

・・・下がった!!更にタイムシリーズのおすすめ度平均を下げちゃったよ!!
何と言いますか・・・正直ストーリーが全然分からないんですよね。その上、更に絵も地味!!
ただ、そんなつもりはないのに謎(穴)だらけのストーリーになってしまった、というよりは、最初からそんなものを描くつもりなんて無かった感が漂っています。
確かに観終った後、何となくメッセージ性のようなものを感じられなくもないのですが、そこまで深読みをしたくなるほど、この映画に魅力を感じられないと言いますか・・・(いや、折角記事にするわけですから、頑張ってチャレンジしますけどね?)
そういった9割以上の人に受け入れられなそうな硬派な雰囲気を考慮しておすすめ度を「★」とさせて頂いた次第です。

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「タイム・ループ 7回殺された男」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:名称不明
主人公の記憶を消した博士:名称不明

この作品の登場人物って主人公はおろか、周りの関係者すら誰一人として名前が分からないんですよね。
ひょっとするとそういう所にも何かしらの狙いがあってのことなのかもしれません。

考察・感想(ネタバレ含む)

この作品に隠されているかもしれない、メッセージ性について勝手な考察を始める前に、どうしてこの作品の評価が「★」になってしまったのかという理由について少しお話しさせていただきたいと思います。

タイム・ループ 7回殺された男は一見するとミステリー調の映画となっています。(というか完全にミステリー映画ですね)
まず、開始早々主人公には記憶が無く、更には何故か如何にも怪しい仮面をつけた集団に命を狙われます。
さらに、自分が目覚めたベンチの下には謎の包が隠されており、その包みの中から出てきたアイテムの謎を追って行くにつれ、真相に行き着くかのような演出がなされているのです。
そして、最大の謎は主人公は殺されると冒頭で目覚めた公園のベンチに死ぬ前の記憶を保ったまま死に戻りする事が出来るところなのです。

・・・何かこうやって映画の構成要素だけ集めてみると、とても面白そうな感じがしませんか?
それなのに何故こんな残念な結果になってしまったのか・・・

それは一重に、「謎が謎のまま放り投げられてしまっている」からなのです。

世の中には謎を敢えて解決せず、あやふやなまま終わらせることで、観ている人の想像を掻き立てさせるような作品も存在します。
そういった手法が作品の評価を下げてしまうのかと言われれば、当然そんなわけはありません。
ですが、この作品の場合、謎を解決したとかしないとか最早そういったレベルじゃないのですよね・・・

謎1:主人公が結局何をしたかったのかわからない

この映画の顛末を物凄く簡単に説明するとするならば、仮面をかぶった殺し屋集団の一員だった主人公は、その人生に疲れてしまったので、自分の記憶を消すように博士に依頼し、記憶が消えるまでのタイムラグを利用して、自分達の仲間に自分の殺害依頼をして自殺を図ろうとした。その結果、主人公は記憶を失った状態で公園のベンチで目覚め、自ら依頼した殺し屋集団から命を狙われることになった。というストーリーになるわけです。
まあ、要するにこの理不尽な状況は全て自分が望んでそうしたというオチなわけです。
しかし、これには非常に理解に苦しむ部分があるのです。それは、何でそんな良く分からない手法を取ったのかということです。

先ず第一に、殺し屋稼業に疲れて死にたくなったのであれば、その時に自殺してしまえばよかったのでは?
百歩譲って、自殺がちょっと怖いので自分の命を狙ってもらおうと思ったのであれば、なんでわざわざ記憶を消す必要があったのでしょうか?
もっと言えば、何で自ら望んで自分の記憶を消したのに、記憶を失った自分が記憶を取り戻すのに役立つヒントをわざわざ残したのでしょうか。
一応物語の最後の方で、主人公は自分の記憶を取り戻したにもかかわらず、その辺の矛盾極まりない自分の行動に関して何一つとして説明しないのですよね。

せめて、殺し屋としての自分の罪の重さに耐えられなくなった主人公は自分の記憶を消し、今まで自分が殺してきた人達と同じ恐怖を自分に与えることで、その罪を贖おうとした。ただ、記憶を失った自分が、その状況から生き残る事が出来たのであれば、その時は自分を許そうと思っていたとか・・・まあ、かなり強引ですがそれくらいの心境説明ぐらいないと観て居る方はどのように理解したらいいのか全く分からなくなっちゃうんですよね。

さらに、死にたくてこんな計画を立てたはずだったのに、記憶を取り戻した後も結局死にたくなくなっちゃってるし・・・主人公は一体どうしたかったの??

謎2:主人公を襲う殺し屋集団の正体がわからない

妙な仮面にスーツ姿という物凄く不可解なルックスで、映画開始早々、物凄く理不尽に襲い掛かってきます。
主人公に発振器でもつけているかのように、何処に隠れようとも神出鬼没に出現し、かつ、常に主人公の行く手に先回りします。
挙句の果てには、街中でも白昼堂々発砲し、一般市民を誤射しようとも意にも解しません。セルビアって法治国家じゃないの!?

さらにそのシステムもまた不思議です。
主人公が仮面の殺し屋の一人を捕まえた時、黒幕に電話しろと銃で脅すシーンがあります。
そこで、脅された殺し屋は自分の依頼主の電話番号を途中まで教えてくれるのですが、最後の3桁だけ分からないという話になり、そこで自分が以前敷石の下から見つけたメモに書いてあった3桁の番号を追加すると自分の携帯に電話がかかるという演出があるんですよね。

依頼主の秘密を守るために殺しの実働部隊には依頼主の情報を伝えないとかそんなことはあってもおかしくなさそうですが、わざわざ敢えて、中途半端な番号まで教えておく意味がわかりません。何でそんな変な情報を周知させてるの!?

謎3:主人公の能力の正体が分からない

この映画のタイトルのもとにもなっているこの主人公の死に戻り能力なのですが、これに関して一切何の情報もないのですよね。
殺し屋時代からこの能力を持っていることを知っていたのか、それとも今回殺されて初めて知ったのか・・・
もし、殺し屋時代からこの能力を持っていることを知っていたのであれば、自分の記憶を消した後で死ねばこの能力が発動しないと思ってやったってことも考えられますが・・・特にそういった心境説明もないし、結局記憶を失っていても死に戻っているしなんとも言えません。
最後の死の後は公園のベンチに死に戻らなかったみたいですが、それがどういうことを意味していたのかも良く分かりません。
体がそこにはないにも関わらず、「俺は何処だ」と言っているあたり、主人公の意識だけは残っているみたいですし、別の場所に死に戻ったのか、それとももう別の世界に行ってしまったのか・・・はたまた透明人間になってしまったのか。何が何だか良く分からないままです。

結局映画の肝となる部分が何一つとしてわからないまま終わる

とまあ、こんな感じで、矛盾が多く、リアリティもなく、やりたい放題やるだけやって逃げられたみたいなストーリーになってしまっているのですよね。
その上、派手なアクションがあったりするわけでもないし、魅力的な登場人物が居るわけでもないし、映像が綺麗なわけでもないのです。それはもう退屈!退屈の極みなのです!!
映画の途中で寝たりしたことの無い私ですら、凄まじい眠気と戦いながら頑張って最後まで観る羽目になってしまいました。

しかし・・・ここまで散々文句ばかり言ってきましたが、果たして本当にそんな無茶苦茶な映画が作れるものなのでしょうか。
低予算臭はしますが、そうはいってもそこそこ多くの人達が製作に関わっているわけで、関係者全員がこの映画のおかしさに気づかないわけがない!
きっと、この映画には何か隠された秘密があるのではないでしょうか!

最初から細かいことなんてどうでも良かった説

ひょっとすると、主人公の心境だけが重要で、そこに至るための出来事の整合性なんて実は初めからどうでも良いと思って作られたのかも?

主人公の死に戻りは、日々繰り返される日常を、そして、主人公の末路はどの道を進んだとしても、あるいは何処へも進まなかったとしても理不尽な力によって同じ結末を辿ってしまう日常への絶望感を表しているのかもしれません。
そして、主人公のように絶望からすべてを忘れて死にたくなるが、いざ死に直面すると、生きようともがいてしまう。
主人公が最後に抱いた思いは、この報われない日常からの脱却・・・そんなものを表現していたのかもしれません。
そう考えると主人公に敢えて名前が無かったのにもうなずけます。この主人公の心境は誰もが心の中で抱いているものだから・・・
そんな伝えたいことを盛り込みつつ、最低限映画としての体裁を整えるために無理やり脚色したせいで、作中の設定がスカスカになってしまったのかもしれません。(別にスカスカで良いと思われていた)

ひょっとするとセルビアならこの主人公の心境に共感できたりするのかもしれませんが、言っても日本は案外自由の国ですからね・・・
日本でも日々に絶望している人は居るでしょうけど、絶望の内容は大分セルビアとは違いそう・・・
(私はセルビアのことを良く知りませんが、この映画の雰囲気からするに大分日本とは状況が違っていそうな気はします)
なので、こんな感じのメッセージ性を無理やり見出してみましたが、やっぱりそれでも評価を上げる気にはなれませんでした。

別に、映画のストーリーとしてちゃんと成り立っている上でメッセージ性を込めてくれれば、問題ないと思うんですけどね・・・
確かに何を伝えたかったのか分からない映画よりはましなのかもしれませんけど、それにしたって限度があると思う私だったのでした。

以上です。

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タイム・ループ 7回殺された男を観た感想と評価:映画考察」への2件のフィードバック

  1. スィッピ

    こんにちは(´ω`)
    確かに外国の映画、しかも東欧とかロシアとかの映画って、テーマが難解というか何が言いたいのか分からない物って少なくないですよね……少なくとも凡人の私にはスクリーンの前で唖然と開いた口が塞がらない事が多くて(笑)
    セルビアの人たちの評価とか是非聴いてみたいですね(*・ω・)
    それでも訳分からんと言われたらそれこそ制作のセンスなのでしょうけど(•́ε•̀;ก)

    返信

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