投稿日:2015年12月9日
皆さんこんにちは!
最近いろんなことが思うように行かず自分の運の悪さを再確認中の伊達あずさです。
さて、そんな運の悪さ絶賛発揮中の私が今回紹介する映画は・・・
「ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)」です。
いつもの様に作品情報から。
ショーシャンクの空に
原題:The Shawshank Redemption
ジャンル:ヒューマンドラマ
製作国:アメリカ
公開年:1995年
監督:フランク・ダラボン
概要:若くして銀行の副頭取を務める程の優秀な銀行員であった主人公のアンディは、不倫中の自分の妻及び不倫相手の男を殺害した罪で逮捕されてしまう。殺害に関して身に覚えがないアンディは法定で自分の無実を訴え続けるも終身刑の判決が下り、ショーシャンク刑務所に投獄されることになってしまう。刑務所のあまりに劣悪な環境に心も体もぼろぼろになるアンディだったが、不屈の精神と豊富な知識で次第に自分の居場所を作り上げていく。
さすがに私は無実の罪で終身刑になったことはないので、この映画の主人公に比べればまだまだ私の運の悪さなんて大したことはないですね!
何気に私は普段ヒューマンドラマというジャンルに属する映画をみないのですが、この所続いている低評価の嵐にすっかり自分のパッケージ選定眼を疑い始め、自分が普段ならば見ないであろうものを逆に借りてみるという無謀な賭けに出てしまった結果です。
まあ、インターネットの力で予め良さそうな映画を見繕った上の話ですけどね!
そんな、「ショーシャンクの空に」に対するおすすめ度は・・・
おすすめ度(5段階):★★★
う~ん・・・つまらなかったわけではないのですが、なんか違う!
私が思っていたヒューマンドラマとなんか違うんですよね。
私としては、ヒューマンドラマって感動したりだとか共感したりだとかする映画というイメージだったんですが、この映画にはそういう所一切ないのですよね。
何がおかしいかという話をするためには、ネタバレ要素が欠かせなくなってしまうので早速本題に入りましょう!
ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「ショーシャンクの空に」を見終えてからにしてくださいね!
<以下ネタバレを含みます>
登場人物
主人公:アンディ
調達屋:レッド
刑務所長:ノートン
主任刑務官:ハドレー
ゲイの囚人:ボグズ
老囚人:ブルックス
真犯人を知るこそ泥:トミー
考察・感想(ネタバレ含む)
私が期待していた通りの評価とはならなかったこの映画。
何故こんなことになってしまったのでしょう。
ヒューマンドラマというのは、誰かの人生の全て、ないし一部を描いたお話です。
とは言え、あまりに一般的過ぎる日常なんて、わざわざ映画として観たくありませんよね。
といったことから、誰にでも起こりえる程度の数奇な人生の中に感動や共感を散りばめているというのが、ヒューマンドラマなんじゃないかと私は思っていたわけなのです。
その私的前提条件から、理不尽過ぎる現実に翻弄されながらも、決して希望を捨てず、制限された環境の中でも力いっぱい生きていく主人公を描いたお話なのかな~と推測していたのです。
しかし、結果は全然違うんですよね・・・
そもそもね。
前半のアンディはあまりにも精神力が強靭過ぎて、スーパーマンにしか見えないのです。
最後になって、やっと不屈の精神の原因がわかり、そんな奥の手があったからこそ、耐えられたんだな~とはなりますが、今度は結末があまりにも爽快過ぎて、全く感動できないのです!
結局、アンディは入所当初から脱獄する気満々で、ショーシャンク刑務所でアンディが行っていたことは脱獄の意志を隠すためのカモフラージュだったかのような気すらして来て、何ら心温まる要素もありません。
確かに最後は気分良くハッピーエンドを迎えるものの、結局何のお話だったのかさっぱりわからなくなってしまったのです。
アンディが理不尽な現実を自分の力で打破するお話なんだったら、脱獄に至るまでの描写が少なすぎです。
所長の非道な行為(トミーの殺害等)によってアンディが脱獄を決めたんだとすると、入所当時のアンディがあまりにもスーパーマンすぎるのです。
もうね、最初から脱獄に燃えるお話にするか、最後まで脱獄せずに生きていくか、どっちかになっていたほうが私としては良かった気がします。
何というか程良すぎて、映画に対する印象が全体的に薄くなっちゃったのですよ。
★★★なのにかなり辛口な感想になってしまいましたけど、決して詰まらないわけではないのです。
ただ、名作との呼び声が高かったが故にちょっとがっかりしちゃった感じは否めませんでした。
以上です!
おまけ考察
ショーシャンクの空に vs プリズンブレイク
哲学的なヒューマンドラマだとばっかり思っていたのに蓋を開けてみたら「プリズンをブレイクするお話」じゃないですか!
おかしいと思ったんですよ。
ヒューマンドラマというジャンルなわけですから、主人公にはそれなりに人間味がないと成り立たないはず。
なのに、無実の罪で終身刑になっているアンディは入所当日ため息一つ立てないとか・・・
主人公がそんな不屈の精神力を持ったスーパーマンだったら、観ている普通の人はまったく共感できないじゃないですか。
おかしい・・・名作と評判だったはずなのに、そんなリアリティの欠片もないヒューマンドラマであろうはずがない。
ひょっとすると、アンディは脱獄する気満々で入所してきたんじゃ・・・
と、TVドラマ「プリズンブレイク(2005年公開)」を鑑賞済みだった私はぴんっと来てしまったのです。
そんな私の予想は結果的に大当たりで、最終的にアンディはプリズンをブレイクしてしまうわけですが・・・
何というかTVドラマ「プリズンブレイク」と全体的に似てませんか?
脱獄の描写とか登場人物の構成とか・・・
登場人物比較
改めて考えてみると、登場人物の雰囲気が結構そっくりなんですよね。
枠 | ショーシャンクの空に | プリズンブレイク |
---|---|---|
頭脳派主人公枠 | アンディ | マイケル |
調達屋枠 | レッド | シーノート |
同性愛枠 | ボグズ | ティーバッグ |
動物を飼うおじいちゃん枠 | ブルックス | チャールズ |
感じが悪い刑務長枠 | ハドレー | ブラッド |
主人公に裏切られる所長枠 | ノートン | ポープ |
こんな感じでしょうか。
結構主要人物の構成が似ているのですよね。
う~ん・・・やっぱり刑務所という同じ場所が舞台となると登場人物構成って似たような感じになっちゃうんですかね。
でも、この大雑把な枠組み以外にも似てる点があるんですよ?
例えば、
調達屋の2人はどっちも黒人。
ボグズとティーバッグはどっちも暴力的。
おじいちゃん達はどっちも模範囚。
刑務長はどっちも囚人を虐待してる。
と、かな~り似ている気がするのですよね。
まあ、所長に関してだけ言えば、ノートンは悪者ですが、ポープは結構良い人なのでちょっとだけ違いますけど・・・
脱獄の手口
プリズンブレイクは「プリズンをブレイクすること」に焦点を当てて描いているため、脱獄の方法がかなり具体的です。
それに比べ、ヒューマンドラマであるショーシャンクの空にはおまけ程度の脱獄です。
なのに、何となく脱獄方法が似ている感じがするんです。
アンディもマイケルも、自分の牢の壁に穴を開けて脱獄します。
穴を開けたときの破片を運動場に少しずつ捨てている点も一緒なんですよね。
もちろん、プリズンブレイクの方はもっともっと具体的なのですが、何分ショーシャンクの脱獄シーンが少なく、その数少ない描写に一致する点が多いと、全部一緒だったかのように錯覚しちゃうんですよね。
とは言え、全く一緒なわけじゃない
プリズンブレイクの主人公マイケルは、無実の罪で死刑が確定している兄を脱獄させることが目的なので、最初から脱獄のことしか考えてませんけど、ショーシャンクの空にの主人公であるアンディは確かに最初から脱獄するつもりではあったのかもしれませんけど、ショーシャンク刑務所の環境を改善するために努力してみたり、損得勘定抜きで囚人達と仲良くしたりしていました。
「ショーシャンクの空に」が主人公アンディの囚人生活を中心に描いているとするならば、「プリズンブレイク」は主人公マイケルの脱獄の過程を中心に描いている作品といった感じですね。
まあ・・・そうやって考えれば似て非なるもののはずなんですが・・・
な~んか私にはそっくりに見えちゃったのですよね~
プリズンブレイクがショーシャンクの空にから受けた影響はやっぱり少なからずあるのではないかと思うのでした。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
たまたま通りかかったのですが、ちょっと気になったのでコメさせて頂きます
’70年代の映画「アルカトラズからの脱出」にもとてもイメージが似ている映画ですよね
あまり「さ」さんが言われた事にへりくだることもないのでは?
映画を批評、観想を述べるのは一般大衆(素人)であり、専門知識を持った人だけではないのでどんな意見があっても不自然ではありません
偉そうに聞こえるのはその人がそう感じるのであって、気にすることはないと思います
でないと何も書けなくなってしまいます
物語と言うものは筋道が立ってないと、登場人物の行動が伴わないので辻褄を合わせるのはとても重要なところです
屁理屈や神経質に見えてもここが合ってないと、ストーリーに現実感が出ません
なので細かい部分が気になると言うことは映画を鑑賞する上で大事なことですよ
可哀想な奴でもありませんww
コメントありがとうございます。
まさか4年以上経ってもこのようなコメントを頂けるとは・・・お心遣い痛み入ります。
実際にコメントを頂いた私からみれば4年以上前のこと(記事を書いたのはそれよりも更に前)ですけど、初めてお越しくださった方にとってはリアルタイムの出来事ですもんね。こうして何かを書き残すというのはなかなかの責任を伴うことなのだなと改めて実感いたしました。
人の心は感情に支配されています。しかし、自分以外の人の感情はそうたやすく理解できるものではありません。故に人は言葉という共通認識(論理)を使用します。
物語における辻褄というのはこの共通認識に相当するものだと思うのですよね。よって、より多くの人に作品を理解してもらおうと思った場合は必然的に物語の辻褄を合わせなくてはなりません。
ただもし、そんなのお構いなしに、作品を理解できるとしたら・・・言葉を用いず、まるで心を読むかの如く相手の気持ちを理解することが可能なら・・・
そのような能力持ちの方からすれば、論理に捕らわれ続けている凡人の私が可哀想にみえることもあるかもしれないなと。
私も本気で全ての人の心を読める人がいるとは思っていませんけど、そういう相手が1人2人いるという程度であれば、そういうことがあったとしても不思議ではないような気もします。そして、「さ」さんにとっての「ショーシャンクの空に」がそうだったのかもしれません。
・・・と、あれこれ考えた結果、あのような返答となっていたような気がします。
もちろん、相手の怒りに怒りでもって返そうとする愚かな自分を律するために、このような思考実験に逃げただけかもしれませんけども!
あれこれと無駄なことを書いてしまいましたが、お気遣い頂いて本当に嬉しかったです。
数百本以上映画を観ましたが、自身の中では文句なしのトップです(思い出補正も入ってますが(笑)) 。確かに所々??と思ったりするところはあるものの、それらをどーでもよく思わせるラストのあの浜辺の引き絵と、それにマッチした音楽。初めて観た若い頃は涙など出ませんでしたが、歳食った今観ると、自然とうるっときてしまいました。
色々な意見・感想はあるかと思います。ただ、私の中では永遠に色褪せる事なく、いつまでも1番の映画だな…と再確認しました。
コメントありがとうございます。
ショーシャンクの空には公開当初はあまり評価されなかったものの、時を経た後に再評価された作品だと記憶しています。
なので、「歳をとって改めて観るとますます良さがわかる≒じわじわと良さがわかるようになってくる」みたいな要素を元来持ち合わせている作品なのかもしれませんね!
登場人物比較のところですが、感じが悪い刑務長枠の名前は逆じゃないですか?
ご指摘ありがとうございます!
ほ、本当ですね・・・修正させていただきました。
ありがとうございます!
今日この映画を観ました。泣けるほど感動しましたよ、うん。よい映画でした。
でも、伊達さんのような感想があってもいいじゃないですか。
それを責めちゃいけません。
コメントありがとうございます。
>でも、伊達さんのような感想があってもいいじゃないですか。
ショーシャンクの空にを愛する方から、このような寛大なお言葉をいただき、痛み入ります。
この映画は大好きな作品です
brooks was here , so was red
とかたまらない
>brooks was here , so was red
レッドさんが生きる決意をした印象的なシーンですね!
レッドさんは敢えて死を選んだブルックスさんに追従する形のメッセージを残すことで、「死を選んだブルックスも生きることを選んだレッドもこの時点では一緒だった」と、将来、自分と同じように希望を失うかもしれない人達を励ますとともに、自分に生きる責任を課したのかもしれませんね。
しかし、ブルックスさんの死がなければ、レッドさんもきっと同じ道を辿ってしまっていたことでしょう。
死して尚、仲間に影響を与えたブルックスさんは、文字通り、確かにここに居た(存在の意味を残した)のかもしれません。
なんだかとても深い言葉ですね!
コメントありがとうございました!
面白くないってことをだらだら書いてなんなんですか
おまけに他の作品と似てるとか似てないとかショーシャンクの空にがプリズンブレイクのパクリとでもいいたいのでしょうか?どっちかといえばプリズンブレイクのほうが10年ほど後です
この映画をまだ見ていない人に向けて紹介することが目的なら文句ばっかり書かれてるんでこの作品がつまらないという風にとれます
映画紹介という題名かえたほうがいいんじゃないでしょうか
コメントありがとうございます。
>ショーシャンクの空にがプリズンブレイクのパクリとでもいいたいのでしょうか?
ショーシャンクの空にの公開年(1995年)を記載していたので、勝手に安心しきっていましたが(結構古い作品だったので)、肝心のプリズンブレイクの公開年を書き損じていては、そう思われてしまう恐れがありましたね・・・
ご指摘を受け、プリズンブレイクの公開年を文章中に記載するとともに、誤解の無いよう、少しだけ文を追加させていただきました。
この記事ではタイトル(~を観た感想と評価:映画考察)からも分かりますように、私個人の映画に対する感想や考察などを書かせていただいております。
ただ、恐れながら評価を含んだ趣旨である以上、全ての作品をお勧めしているわけではありません。
(もちろん、ショーシャンクの空にがお勧めできないという意味ではありません!)
ただ、所詮は個人の感想ですので、私の記事をご覧になった方によって「同意できる・できない」は分かれると思っています。
よって、あくまで映画に対する「いち意見」として、他の方の意見などと比較しながら、自分にあった良作を探すための参考にしていただければと考えています。
(感情的に「つまらない!」とただ書いたのでは何の参考にもならないでしょうから、自分には合わなかった場合でも、その理由を書くように心掛けています)
とは言え、「あか」さんがこのようなコメントをくださったように、世間ではショーシャンクの空にを愛されている方が多いことは事実です。
私も「多くの方がこの作品に対して既に肯定的な意見を持っているだろう」という前提でこの記事を書いてしまっていたため、つい否定的な部分にのみ焦点を当ててしまっていたかもしれません。
ですので、もし良ければ、私の感想とはまた違った「あか」さんのショーシャンクの空への感想などもコメントして頂けたら幸いです。
すごくわかります。
僕も高評価につられてショーシャンク見ましたが、は?っという感じでした。
これのどこが面白いのかと
表現に乏しすぎて強調したいところがどこなのかというのがわからないので
アングラ気取りの映画評論家の一部が過剰に評価しているとしか思えませんね。
いちいち同感でしたのでコメント残していきます。
ただまぁこういう好みは一言でまとめちゃうと人それぞれなんでしょうけどねぇ
コメントありがとうございます。
世間では物凄く高評価なものが自分的には何となくしっくりこないってことって偶にありますよね。
でも、自分が「良し悪しが分からないやつ」と思われたくないために何となく自分に合わないって言いづらいものです。
本当は映画の良し悪しに絶対なんてないわけで、どんなに多くの人が名作だと言おうとも、必ずしも自分の感性に合うかどうかは分からないと思うんです。
だから、どうしてこの映画が私にしっくりこなかったのかを表現することで、何時か自分に合う映画も作ってもらえたらな~って思っていたりします。
どんな映画であっても、ゼロから何かを生み出されているだけで正直凄いって思うんです。
だから、結局の所、私やるいさんには「たまたま」しっくりこなかっただけなのかもしれません。
よって、もしかすると他の映画では私達も意見が分かれてしまうかもしれません・・・
でも、いつか二人とも「凄い面白い!!!」って思えるような映画と出会えて、その作品をここで紹介できたら良いですね。
映画コメントする奴はなぜこんなにも偉そうなのか、これ書いてる奴は可哀想な人だ普通に楽しむことが出来ないなんて。
ご意見ありがとうございます。
「さ」さんがおっしゃることはごもっともかもしれませんね。
例えば、世の中で美食家と呼ばれている味の細やかな差が分かってしまう人は、味の細かな差が分からないが故に何でもおいしいと感じる人より、大分損をしてしまっているともいえるかもしれません。
もちろん自分を映画でいうところの美食家だとは思っていませんが、確かに他の人よりどうでも良いような些細な部分が気になってしまう方ではあります。
なので、些細なことを気にしない大らかな方と比べてしまうと、おっしゃるように私は可哀想な奴なのかもしれませんね。
ただ、人の感性は一律ではないため、どんなものであっても評価は割れてしまいます。
そこが作品作りの辛い所でもあり、楽しい所なのかもしれません。
どんな映画を作っても肯定的な人ばかりだった場合、良い物を作ろうという気概が薄れてしまい、逆に名作映画は生まれなくなってしまうかもしれません。
ですので、「さ」さんが愛する「ショーシャンクの空に」のような名作映画が今後も生み出されるために、私のような意見も必要悪だと寛大なお心を頂ければと思います。