トカゲのしっぽを切る！

投稿日：2019年1月29日

こんにちは。栁澤です。

トカゲの尻尾を切る…といっても実際に包丁を持ってきてトカゲを押さえつけて尻尾を切るなんてことをした人はいないと思いますが…。
組織の下の方の者に責任をおっかぶせたりするときに使う時には積極的に「トカゲの尻尾切り」が行われますよね。本体であるトカゲが、末端である尻尾を切り離したってことですね。でも本体は「尻尾を切ったぜ」とは言わないけど切られた方が何故か苦々しい顔で「トカゲの尻尾切りだ」と言うところは、本物のトカゲとは違いますね…。本来なら「自分が犠牲になることで本体が助かるなら尻尾冥利に尽きる」と思うところですけど。つまり「トカゲの尻尾切りをされた」と感じる時、その人と本体は実は尻尾とトカゲ本体ではなかったということだ…おかしい話ですな。

脇にそれてしまいましたが、そう。トカゲは、敵に尻尾を引きちぎられてるわけではない。自分で、切っているんです！
私も実はトカゲに尻尾を切られたことがあります。住んでた場所から言って5歳くらいだけどすごく良く覚えています。トカゲや鳥は私にとってはちっとも捕まらない生物代表、憧れの（？）捕まえてみたい動物の一種でした。なのでマンションの廊下を歩いていたちょっとどんくさいのであろうトカゲを捕まえた時はテンションが上がった…はずでした。でも私はトカゲが尻尾を切って逃げてく生物と知らなかった。それで、尻尾を掴んでぶら下げてしまったんです。そしたら、尻尾だけ残して本体は光の速さで逃げて行きました。残された尻尾はというと、「シーン」としているわけじゃなくて、グネグネ動いていました。私は泣いた。その頃はまだ、生き物の死体やら、切り離された腕やら足やらが動くことがあるということを知らなかったためあまりにキモかったんで…。廊下に捨てた尻尾がのたうち回っているのを見ながら絶叫してた覚えがあります。こわいよぉおぉ！しかし住人にとっては、幼稚園児が絶叫している方が絶対怖い…。

ああ…。それ以来私はトカゲを捕まえても胴体を持つのです。まだ捕まえてんのかよと言われると…やっぱり憧れの生物なので…☆
今の私は知っている。トカゲが尻尾を切る「決まった地点」があることを。そのポイント以外の場所は、切り離せるようにできていません。割と不便よね。
正確な用語で言うとその「切れるようにできている地点」のことを「自切面（じせつめん）」と言います。首から尻尾の先まで繋がっている背骨に仕掛けがあり、そこから切れる（というか外れる？）ようになっています。そして、背骨が切れてもお肉で繋がってたら意味がないので、自切面の周囲のお肉も、切れやすい構造になっているんだそうです。

さて…尻尾を切った後のトカゲは一体どうなるのでしょうか…。尻尾の方は、捕食者に掴まったのならナマコの内臓と同じく献上品として扱われるのでしょうが、本体の方も今まで持ってた長い尻尾を失ったわけなので、平気な顔をしていられるわけじゃないような気がしますよね。

実際、トカゲの尻尾の役割とは、「栄養を貯め込む」ことなので、尻尾を失うのは兵糧庫を焼かれるのと同じこと…兵糧が無くなると、即死はしませんけど、全滅の危険はぐんと上がってしまう…。結構キツい技です。
トカゲは兵糧庫を失いながらも、もう一度兵糧を貯め込むべく（？）尻尾を再生します。人間の腕が千切れたら出血が大変ですが、トカゲの尻尾はあらかじめ切れるようにという配慮の元作られているので、血はすぐ止まるそうです。その後、背骨までは再生されないものの、軟骨の入った尻尾がまた伸びてきます。ただし、元のようなきれいな長い尻尾ではない短い尻尾だったり、色が違ってたりするとのことなので、トカゲ的には「もうお嫁に行けない」とか思っているかもしれません（？？？）。
その背骨が無い尻尾は、自切できるのか？というと、これは一応「できる」ようです。一度尻尾を切ったことがあるトカゲは、背骨がないので「自切面」は失っていますが、再生されたところからまた切れやすいようにできています。
幼少の私が、切れた尻尾がグネグネしたので絶叫したと前述しましたが、あれはわざと敵の気を引くために動いているので（狙い通りだな）、軟骨ではグネグネ動くことはできないんじゃないかなとか思いますが…。
それに尻尾の役割は栄養を貯めることなので、その後のトカゲは弱ってしまいますし、再生にもたくさんのエネルギーを消費しますので、何度も何度もやって無事な技ではなさそうです…。

みなさんもトカゲを見つけたら、尻尾は持たずに胴体の方を持つか、くねくねして逃げられそうな場合は両手の平をスキマのないドームみたいにして包むと安心かと思います！噛みつかれても歯もないし、鳥みたいに尖ったくちばしを持ってるわけでもないし、念のため噛まれた後手を洗えば問題ありませんし。尻尾を切られて絶叫することがないようにしたいものです…( ;∀;)

蘭丸でした、ではではでは～！