閻魔様って、普段何しているの？～あの世の裁判官～

投稿日：2018年4月28日

こんにちは！栁澤です。

閻魔（えんま）大王といえば、死んだとき地獄で会える偉いお方という感じのイメージがしますね。
実際、閻魔大王は偉い。裁判官ですから。裁判官といえば、現代でもエリート中のエリートが就くお仕事ですからね！

閻魔大王は元々はインド神話の登場人物で、インドでの名前は「ヤーマ」といいます。実は人類で最初に死んだのがこのヤーマさんだったと言われています。ヤーマさんは死んだあと、あの世への道を発見し、そこに君臨して王様になったのだとか…。死んでも夢溢れてるじゃん。アメリカンドリームって感じです！どうして「大王」なのかというと、あの世には10人の王様がいるのですが、その中の一番偉い王様だから、らしいです。

仏教が興ってからは、ヤーマ大王は、仏教を守護する神様の一人となりました。「閻魔天」というのが正しい呼び方のようです。ちなみに仏教には「～天」という名前の付く神様が何人もいますが、「～天」さんたちは仏教に登場する前はインドの神様だった人が多く、仏教での主役である「如来」様やら「菩薩」様たちに比べると、仕事が多いです…。閻魔様も公務員みたいに働いているしね…(・_・;)

さて閻魔様は、地獄でどのように仕事をしていらっしゃるのでしょうか…。あの世には10人の王様がいる、と前述したのですが、実は地獄の裁判官をしているのは閻魔様一人ではないんですよ～。交代制勤務をしていらっしゃいますが、最終的に死者を裁いているのは閻魔様。

しかしこの仕事が、ものすごく大変そうなんです…。閻魔様は、「地獄耳」というスキルを持っているんですが、これは地上のことを全て聞けるというスキル。ぼそっと言ったことも聞き漏らさない人のことを「地獄耳だな～」といいますがその地獄耳の元祖というか、元ネタがこの閻魔様のスキルです。
だけどさ、人間って、ものすごく多いですよ！現在の地球の総人口は75億人にちょっと届かないくらい。そのうちの仏教徒は、3億人ほど。あれ？なんか少ない気がする？いや、世界の人口を先に出しちゃったから変な感じですが、日本の人口より多いので少なくはないのですが…。閻魔様は仏教の神様なんだから仏教徒は担当しないといけないと思われるので、毎日毎日3億人分の行いを記録していないといけないということになってしまいますね。これは地獄イヤーの持ち主である閻魔様にしかできない仕事なので、機械化はできないのです（多分）。私達にも閻魔様に対してはもうプライバシーも何もないということになりますが、閻魔様にとっても、こんなのプライベートな時間を持つとか無理そうです、超絶ブラックだぜ…。

さて、生きている人の行いにも目を配っておかないといけない閻魔様ですが、本職は裁判官なので、大事なのはその人が死んでから。裁判は35日ごとに開かれるらしいです。いくら閻魔様でも毎日毎日開廷はしていないんですね。毎日がハードすぎるからかな…。閻魔様には怖いイメージがありますが、閻魔様に会ってる時は実はまだ地獄でも天国でもない場所にいるわけで、閻魔様が、死亡した私達を前に、生前の行いを鏡に映して吟味して、地獄行きか極楽行きかを決めるわけです。よく「嘘ついたら閻魔様に舌を抜かれるぞ！」といいますが、閻魔様は裁判官なのでそんなことはしません。地獄行きになった場合に、鬼さんが抜くのです。

あぁ…閻魔様に何もかもみられているらしい私達。もう手遅れかもしれないと思っているお方もいるかもしれませんが…、閻魔様の裁判をパスして極楽に行く方法も実はあるのです。ひとつは一揆で有名な「一向宗（浄土真宗）」の門徒として、阿弥陀仏を信じて南無阿弥陀仏って唱えること…( ´艸｀)浄土真宗は、それさえしとけばどんだけウンコ野郎でも浄土行きというのがウリ…ですよ（多分…）。もう一つは、有名な信州の「善光寺」で、「お戒壇巡り」というミッションをクリアすることです！善光寺は何宗にも属さないお寺で、観光名所、周りは美味しいものだらけなので閻魔様の前に出た時点でアウトになりそうな人は「お戒壇巡り」しといたほうがいいかもです…お戒壇巡りをして「極楽の錠前」に触っておくと極楽行きらしいです。蘭丸はすでに2回やった！自分のおうちが、ストイックな禅宗だったりする人におすすめです（？）。

いちいち、人間の一生を鏡で見てから判決を下さないといけない閻魔様が大変なので、私達も気を遣って、死ぬ前に極楽行きのパスを手に入れておくのがいいと思うな…。うん…！

栁澤でした( ^ω^ )

閻魔様の服装は「中国のお役人」がモチーフになっているそうです。死んだら閻魔様に裁かれるイメージが日本と中国で強いためみたいですね。