人はニセの記憶を持っていることがある:応用心理学

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こんにちは、栁澤です。
なんかインセプション(ディカプリオ主演)っぽい話ですよ。ただしセルフサービスなんですけども。

人間は、ニセモノの記憶を脳内で作り出して、それを本当にあったことだと信じていることがあるんです。
自分の記憶まで不確かだとはもう何を信じていいのかわかりませんね。
USBメモリのほうがまだ信頼性があるというものです!

欧米ではこのニセモノの記憶が原因で裁判を起こしてしまった事例が多くなってきているらしいです…なんで増えてるんだかはよくわかりませんが、これは病気ではなくて普通のことです。「フォールスメモリーシンドローム」と呼ばれているそうです。直訳すると、「間違い記憶症候群」ですね。

何故このようなことが起こるのかというと…
人間は記憶を思い出すときに、(脳内で)どのような作業をしているのかが関わっています。
よく記憶を保存しているということを「引き出し」と表現することがありますが、実際は引出しみたいに整理整頓された状態ではないわけですね。ごっちゃごちゃに絡まった芋づるのほうが近いと思います。
そう。いもづる。人間は記憶を思い出そうとするとき、芋づる式に思い出しているんです。

例えば昔付き合っていた彼女の好きな料理を思い出そうとした場合は、いきなり料理名に辿り着いているわけではなく、まずは彼女の姿を思い出し、よく一緒に行ったレストランを思い出し(または作っている姿や匂いを思い出し)、そして最後に料理を思い出す、というやり方をしているって感じです。
基本的にはみんな関連付けられて覚えられているのですが、ということは最近のことはもちろん過程が短く、遠い昔のことは過程が長い、ということになります。
例えば「今住んでいる町の名前は?」ということなら即答でしょう。しかしこれが、「10年前に住んでいた町は?」だったとしたら。
まあ引っ越しを1回もしたことがない人もいるでしょうけれど、人によっては「10年前→20歳だ→大学生2年生だ→2年生の時はまだ最初に借りたアパートに住んでいた→ということは○○町だ」と、いくつものプロセスを踏んで思い出さないといけない人もいます。
この時に間違いが起こるのです!上記の場合だと、ちょっと勘違いして「2年生ではなく1年生のうちに引っ越していた」とかいう記憶になり、結論である「○○町」が「××町」になってしまうといった感じでしょうかね。
そして本人は、ちゃんと論理立てて思い出したので、勘違いが混ざっていても自信をもって「××町!」と答えるというわけです。

たまーに、昔起こった出来事のこと、一緒に体験していたはずなのにその人と自分では全然その内容が違っていた、ということがありますよね。それは、こういうことが起こったためだと思われます。
そして嫌な記憶であればあるほど、間違えた過程を挟んでしまいやすいらしいです。確かに、思い出したくないことを思い出しているわけですし、なぜ思い出したくないかと言えばとても怖かったとか、つらかったとか、痛かった、とかいう感情が大きいわけです。
小さい頃「野犬に襲われた」という思い出がもしあったとしたら、「2匹」だったにもかかわらず、恐怖のせいで数を多く感じてしまったかもしれません。その思い出をもう思い出すことがないようにと奥底にしまい込んでおくと発酵が進み(?)、2匹が5匹とかになってるってわけですね。
楽しい思い出はしょっちゅう思い出したり語り合ったりするので、ニセの記憶を本物と思い込む余地はあまりないということなんでしょう。

人と共通の思い出の細部が相手と違っていても「嘘つき野郎!」と決めつけないことも大事なのかもです。
もちろん自分の記憶がニセになっている可能性もありますし、相手がニセになっている可能性もあります。これが1対1での思い出だったりすると、物的証拠でも存在しない限りまさしく水掛け論になってしまうので、追求しあうのはほどほどにネ!という話でした!

恋人同士の場合、「それ、誰と間違えてるの?」とか言われないように、または思わないようにしたいものですね(;´Д`)
そのためにもこの「ニセの記憶」の可能性のことを覚えておいてください( °̥̥̥̥̥̥̥̥◡͐°̥̥̥̥̥̥̥̥)

終わります!ではではでは!ではでは!

人はニセの記憶を持っていることがある:応用心理学_挿絵1
実際に食い違っている事例↑

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