満場一致ムードの中では人はそのまま流されてゆく~:応用心理学

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こんにちは、栁澤です。
今回は、「自分が所属している大切な集団の中で大多数が賛成しているムードの中では、明らかな違和感があっても何も言えなくなる」という話です。日本人は和をもって尊しとする民族なので、こう聞くと「当たり前じゃん」って感じかもしれないんですが、これも人間のサガのひとつだったのですね。主張の激しい(?)アメリカですら、これは例外ではないのです実は。

今、例えばアメリカのトランプ大統領については、歓迎ムードと反対ムードがどちらもいい勝負という感じなのでデモなども起こるんですが、大人気の第35代大統領のジョン・F・ケネディ氏の場合…この、みんなから好かれていたがために大失策をしてしまったりしてます。(ケネディ大統領は今でもアメリカでは「好きな大統領」上位に君臨しているそうだ)
キューバ危機を招いた「ピッグス湾事件」という事件があるのですが…これは冷戦中の出来事で、社会主義国のキューバとソ連とアメリカが冷たい火花を散らしていたんですけれど、このピッグス湾作戦にたいして「そいつはまずいんじゃあ…」と思っていた官僚が少なからずいたそうです。後になってからならなんとでも言えるとも言いますけども^^;
このピッグス湾事件での大失敗でケネディ政権は批判を受けることになりますし、あわや第三次世界大戦勃発…というところまでいってしまったというのが我々の知ってる歴史ですねぇ。ケネディ大統領は、若いし、ルックスも良いし、大人気の大統領でしたので、周りの官僚も反対意見をとても言いづらい状態になっていたそうです。個人の主張が激しいアメリカなのに。

となれば日本人の我々なんて音速で口をつぐむに決まっています。みんなで頑張って進めているプロジェクト。「あれ?これ大丈夫なのかな?」と思ったとしても、周りが「絶対成功させるぞ!頑張るぞ!」というムードだと、「まぁ気のせいかな…」と思いたくなる心理が働くそうです。これを、心理学者のジャニス・アーヴィングは「集団浅慮」と名付けています。集団になると、なんつーか深く考えるのをやめてしまう…みたいな感じですね。ピッグス湾作戦についてアーヴィングが言及しているので、ここでも例に挙げたのですが…日本人としては、超絶気を付けるべきですね!日本人は、みんなと一緒がいい、出る釘は打たれるの精神で生きている人が圧倒的多数です。ファッション誌が「今年はスニーカーが流行る」といえば、ダサいの代名詞だった(ごめん…)のニューバランスがいきなり高騰したり、古くは謎の厚底ブーツが流行ったり、超合金?みたいな肩パットが流行ったり…という感じです。

みんなが同じ方向を向いている時にそれに異を唱えるのは非常に勇気が要ることですが、時には言わないと、世界大戦に発展する場合すらあるので、注意が必要です!

栁澤でした!

満場一致ムードの中では人はそのまま流されてゆく~:応用心理学_挿絵1

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