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皆さんこんにちは。
姉さんだけでなく、私も父プランシーの本当の子ではないんじゃないかと疑いたくなった伊達あずさです。
あんな死の間際ですら、自分の子供の幸せを願ってくれない親って本当にいるのですね。
薄情で頭がおかしいうえ、実の子ですらない姉は何が何でも助けなければならないけど、実の子である私には、己を棄てて次の世代のための犠牲になって欲しいって?
確かに私はそういう道を選びがちではありますけど、だからって親がそれを望むのは違うんじゃないの!?
父プランシーの姉に対する偏愛のようなものを強く感じました。そう言った意味で、姉の頭がおかしくなったのは必然だったのかもしれません。
むしろこれ、私が嫉妬心から姉を殺害するという流れになっちゃったんじゃないの!?
・・・続きです。
あずさ「父さん・・・」
僧侶オリビア「・・・貴方にはお知らせしなければならないことがあります」
あずさ「・・・解放軍と教団の間のことなら後にしてくれないか・・・?」
それ、物凄く気になるんだけどね。だから有耶無耶にしないで欲しい。
僧侶オリビア「違います・・・貴方と司祭ブランタとの関係です」
あずさ「僕とブランタとの関係・・・?」
僧侶オリビア「貴方のお父上、プランシー様とブランタは実の兄弟です・・・」
あずさ「なんだって!?父さんとブランタが兄弟ッ!?じゃあ、この僕は!!」
確かにさっきの話の中では、ブランタがお兄さんとは言っていませんでしたね。
僧侶オリビア「・・・貴方の本当の名はあずさ・モウン・・・バクラム人です」
バクラム人だったんだ!?
えっ、じゃあ、やっぱり民族の差って血脈によってるの?っていうか、そこまで断言しちゃうってことは母親もバクラム人だったのですね。
あずさ「嘘だッ!そんなわけあるもんかッ!僕がバクラム人だって?・・・ハン!そんなバカなこと・・・!」
本当に民族間の争いってなかったの?民族間紛争否定派の私ですらここまでバクラムの血を毛嫌いしてるのに?
僧侶オリビア「落ち着いてください。よく思い出すのです。貴方は幼い頃、プランシー様とご一緒にハイムに住んでいたのですよ」
あずさ「お前は嘘吐きだッ!!!」
僧侶オリビア「幼い貴方は、よくモルーバ様のお屋敷に遊びに来ていました」
あずさ「まだ、言うかッ!!」
僧侶オリビア「貴方の相手を務めたのはモルーバ様の娘の四姉妹だった・・・」
あずさ「!!」
僧侶オリビア「特に仲の良かったのは同い年の娘・・・ある日、水辺で遊んでいた貴方とその娘は、深みにはまってしまい溺れそうになったわ」
あずさ「どうして、それを!?」
え?そこは覚えているのに、昔、ハイムに住んでいた事は忘れちゃってたの?まさか、また私、記憶障害か何かだったの!?
僧侶オリビア「・・・」
あずさ「でも、それは・・・僕と一緒に溺れていたのは姉さんのはず・・・でも、僕を助けてくれたのはやっぱり姉さんだったような・・・?」
僧侶オリビア「そのとき、その女の子の顔には小さな傷がついたのよ」
あずさ「君が・・・そうなのか・・・?」
僧侶オリビア「私達を助けてくれたのは一番上の姉・・・セリエ姉さんだった」
そんな最悪の繋がりが!?っていうか、それならそれで何故セリエさんは私にその話をしなかったのよ。
あずさ「君はいったい?」
いったいも何も父さんが探せっていってたモルーバ大神官の娘じゃないですか。
僧侶オリビア「そう、私は大神官だった父、モルーバの娘・・・」
あずさ「そんな・・・!なら、僕は・・・僕はいったい・・・」
というか、何故私はそんな思い違いをしていたのでしょうね。
僧侶オリビア「現実を見つめて、あずさ。貴方はこの事実を受け入れなければならないわ」
あずさ「・・・」
バクラム人だったことがそんなにショックだったの!?
ほんのちょっと前に、本当は民族紛争なんてなかった!上に立つ一握りの人達の思惑に踊らされていただけなんだ!などと超絶無責任論を展開しちゃってましたけど、実はバルバトスやロンウェーの方が愚民どもに踊らされていただけってことだったのでしょうね。むしろ、あの2人は各民族間の対立感情が高まる中、馬鹿真面目に民達の願いを叶えようとした結果、あのような極端な方針になってしまっただけだったのかも。
愚民どもは何時だって無責任ですからね。自分では何もしないくせに文句ばかりをいう・・・それどころか、その身勝手でくだらない文句を真面目に聞いて、本当に問題を解決しようと動いてくれた人のことすらも都合が悪くなればあっさりと裏切るのです。
そもそもさ、誰の支持もなく人が人の上に立てるわけないのですよ。つまり、上に立つ人が悪なら、その下に付いている人達の殆ども同じく悪でなければ辻褄が合わないのです。
僧侶オリビア「さあ、立って!あずさ!貴方が目指している世界は、民族や家柄なんかで差別されるような世界じゃないはずよ!貴方がバクラム人であったとしても築こうとしている世界は貴方の理想と同じはずよ!それとも、ブランタのようにバクラム人だけが安住できる国を作るつもりなの?・・・お父上の言葉を思い出して!」
あずさ「君の言う通りだよ、オリビア。僕が何人であるかなんて関係ない。問われるのは肌の色や生まれではなく、人としての生き方だ・・・ありがとう、オリビア」
いや、そんなにショックを受けるとは予想外でしたよ。だって、自分の記憶を改竄してしまうほどに受け入れがたいことだったってことでしょ?
この思い込みの強さ(悪い意味で)ってきっと先天的なものではなく、後天的なもの(環境による影響)だったのでしょうね。だって、こういうところ、姉さんと物凄く似てるもん。
僧侶オリビア「よかった・・・貴方はやっぱり私が知っているあずさだったわ」
例え幼馴染みだったとしても、同い年の上、私が記憶を改竄できる程度に小さい頃しか会っていないはずだよね?その程度の交流しかないはずなのに、私の何を知っているっていうの!?私、幼馴染みは大切にしたい派なのですけど、中の人に後出しで幼馴染み面してくる人は大嫌いなんです!
炎のセリエ「オリビア!」
僧侶オリビア「セリエ姉さん、システィーナ姉さん、二人ともご無事でなによりです」
炎のセリエ「どうしてブリガンテスに!?父上はどうされた?」
僧侶オリビア「・・・父上は、ここにはおりません。どこに行ったのかもわかりません」
風のシスティーナ「どういうことなの?」
僧侶オリビア「・・・姉さん達が教団から去っていったことに責任を感じていたようです。ふさぎ込むことが多くなり、戦乱が始まってすぐに出ていったきりで・・・」
風のシスティーナ「セリエ姉さん、何か心当たりはないの?」
炎のセリエ「そうね・・・おそらく、バンハムーバの神殿ね。あそこはイシュタルを祭った光の神殿。若い頃の父上はあの神殿で修業したと聞いているわ。教団を棄てるということは信仰を棄てるということ。その迷いがあるならきっと、あの神殿に行かれたはず・・・」
僧侶オリビア「父上はそこにおいでなのですね?」
炎のセリエ「おそらくね・・・」
それだと最低でも2年以上はバンハムーバの神殿で信仰を棄てるかどうかで迷っちゃってることになるけど・・・優柔不断にも程があるでしょうよ。
あずさ「よし、バンハムーバの神殿へ急ごう!」
僧侶オリビア「シェリー姉さんはどこですか?」
あずさ「そうか・・・君達は四姉妹だったんだっけ・・・」
僧侶オリビア「姉さんッ!」
炎のセリエ「・・・シェリーは私達を裏切ってブランタの手先となったわ」
僧侶オリビア「どうして、シェリー姉さんが!?嘘でしょ!?」
風のシスティーナ「・・・嘘じゃないわ、オリビア。教団を離れた後、シェリー姉さんはバクラム軍へ投降したのよ。今じゃブランタの片腕よ・・・」
僧侶オリビア「そんな・・・そんなことって・・・」
そんな流れで、四姉妹の末っ子オリビアさんが仲間となりました。
・・・で、結局、フィラーハ教団は何がしたかったの?
次回はフィラーハ教団のおかしさについて話すことから始めなければならなそうです。

Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。