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皆さんこんにちは。
45話目ぶり(?)となる父さんとの会話が長丁場になることを覚悟した伊達あずさです。
オリビアさん曰く、父さんは今にも死んでしまいそうなぐらいの状態らしいですから、そんなに長々と喋れるとも思えないのですが、十中八九、私の予想は裏切られることになるでしょう。
では参らん!!
あずさ「父さん、僕だよ!あずさだよ!」
プランシー神父「あずさか・・・よく来てくれた・・・こっちへ・・・」
プレンシー神父「お前に話さねばならぬことがある・・・」
あずさ「姉さんのことだね・・・?」
プランシー神父「知っての通り、カチュアはお前の姉ではない・・・やつらが言うようにドルガルア王の忘れ形見、ベルサリア王女だ・・・」
あずさ「・・・」
プランシー神父「カチュアの母親は王妃の侍女であったマナフロアという女性だ・・・」
あ、回想に入るのですね。
・・・って、第三者の回想じゃないですか。父さんはこの回想部分を誰から聞いたのでしょう。
王妃ベルナータ「・・・私に話があるそうね。なにかしら?」
マナフロア「ベルナータ様・・・暇を頂きとうございます」
王妃ベルナータ「どうして、急にそんなことを言うの?この私が宮中において心を許せるのは貴女だけなのよ。知っているでしょ?マナフロア」
王妃ベルナータ「私が気付かないとでも思ったの?」
マナフロア「・・・お許しを」
王妃ベルナータ「所詮、平民出の王には、貴女のような田舎娘がお似合いということね!」
マナフロア「どうか、お許しを・・・」
王妃ベルナータ「許すものですかッ!!誰が、貴女を・・・!このまま、一生、私に仕えるのよ!一生、私の奴隷にしてあげるッ!!いいわねッ!!」
王妃ベルナータ「あ、貴女、まさかッ!!こ、子供までッ!!」
こうして城を出た彼女はしばらくしてカチュアを産んだ・・・
以前、ランスロットさんが話していたのとは大分状況が違いますね。
ランスロットさんは「後のことを考えた王妃がマナフロアさんを城外へ放逐した」なんて言ってましたけど、この様子を見るにマナフロアさんは自発的に城を飛び出しています。王妃が後のことを考えてマナフロアさんを城外に放逐なんて矛盾した行動にもほどがあると思っていたので、これで合点がいきましたよ。ランスロットさんの話は父さんから聞いたもののはずですから、これはランスロットさんの理解力に疑いを抱かざるを得ませんね。
ブランタ神父「マナフロアはどうだ・・・?・・・そうか。無理もない。衰弱しきっていたからな・・・」
ブランタ神父「その娘がベルサリアか」
プランシー神父「ベルサリア?」
ブランタ神父「ああ。王が付けた名前だ。女子が生まれたらベルサリアと名付けようと言っていたよ」
プランシー神父「やはり、王にお伝えするべきではないのか?」
ブランタ神父「来月にはベルナータ様にもお子様が生まれるのだぞ!?このことを知っているのは俺とお前だけでいい・・・」
プランシー神父「王女はどうする?」
ブランタ神父「お前が育てろ。先月、死んだお前の娘・・・カチュアといったか・・・それと取り替えるのだ」
プランシー神父「自分の娘として・・・育てろ・・・と?」
ブランタ神父「そうだ。それがその娘のためでもあり、ヴァレリアのためでもある」
プランシー神父「しかし・・・」
ブランタ神父「心配するな。後はこの俺に任せろ・・・そうだ」
ブランタ神父「この首飾りをお前にやろう。売って金にするといい」
プランシー神父「これは・・・?」
ブランタ神父「王からの賜り物だ。王子ならその青い方を、王女なら赤い方を、誕生の祝いとして贈るつもりだったのだ」
プランシー神父「そんな大切なものを売れるはずもなかろう!」
ブランタ神父「子供を育てるのには金が必要だ。まして、その娘は王女様だからな・・・平民出の神父にすぎん俺達が金を手にするには、こんなことでもせんとな・・・まあ、気にするな。プランシー」
言ってる事があまりにも無茶苦茶すぎませんか?
だって、ドルガルア王はマナフロアさんとの間に子供がいることを知らない体だったのですよね?だとしたら、自身の子の誕生祝いとして用意した首飾りが必要になるのはこれからであって、そんなものをブランタに上げるわけなくない?もうじき正妃との間に子供が生まれるんじゃなかったの?全く意味が分からないんだけど!?
プランシー神父「しかし、ブランタはこの私を欺いていた・・・」
あんな矛盾塗れの話を信じる父さんも父さんだよね!?
プランシー神父「ヤツはマナフロアと王女の一件を使い、王妃に取り入って司祭の地位を手に入れたのだ・・・」
あずさ「・・・」
は?どうやって!?
確かにドルガルア王が相手であれば、その件をネタにして取り入ることも出来なくはないのかもしれません。例えば、王妃には内緒でマナフロアさんとの間にできた子供を育てあげるとかさ。ドルガルア王がマナフロアさんのことを愛していたのであれば、そういったことを望む可能性は十分に考えられます。
でも、取り入った相手が王妃となれば話は別です。取り入るっていうのはその人に気に入られようとへつらったりすることでしょ?ドルガルア王とマナフロアさんの間に生まれた子供なんて、王妃にとっては害悪でしかないじゃないですか。そんなの王妃を脅すための材料として使う事はできても、王妃に気に入られるような材料にはなりえないよね!?
プランシー神父「私は・・・間違っていたと思う・・・王子が亡くなられた時、カチュアを王の下へ差し出していれば、この戦乱が起きることはなかったはずだ・・・しかし、私には・・・私にはカチュアを手放すことができなかった。『父さん』と呼んでくれる子を手放すことができなかったのだ・・・」
その父さんの間違った愛が、あんなモンスターを生み出しちゃったわけですか・・・
ただどうなのでしょうね。今回の戦乱が計画的なものだった場合、ドルガルア王以下王族達の死も誰かによって仕組まれたものである可能性が高くなりますからね。もしかすると、姉さんが今も生きていられるのは、父さんが王の下に姉さんを差し出さなかったおかげなのかもしれませんよ。しかも、今現在姉さんは女王様気取りで居られているわけですからね・・・父さんが姉さんのことで後悔するようなことは何も無いと思いますが。
あずさ「父さん・・・」
プランシー神父「暗黒騎士団はずっとカチュアを捜していた・・・それはカチュアをヴァレリアの王にするためではない・・・まったく別の目的のためだ・・・」
あずさ「別の目的?」
プランシー神父「そうだ・・・王女として祭り上げたのは『ついで』に過ぎん・・・やつらの狙いはドルガルア王の遺産なのだ・・・」
あずさ「ドルガルア王の遺産!?」
プランシー神父「その正体が何かはわからない・・・ただ、それが王の墓にあることだけがわかっている・・・カチュアを手に入れたやつらは今、王の墓を血眼になって探している・・・」
あずさ「それを知っているのは姉さんだけなんだね?」
え?何故そんな理解になっちゃうの?
プランシー神父「いや、それは違う・・・カチュアは何も知らない・・・ただ、墳墓の扉の封印を解くことができるのは王の血を受け継いだ者だけなのだ・・・」
なんか急にコテコテのJRPGっぽい展開になってきましたね。
あずさ「姉さんは利用されている?」
プランシー神父「そうだ。その役目が終わればカチュアはやつらに・・・ゲホッ、ゲホッ」
あずさ「父さん、しっかりして!」
プランシー神父「よいか、あずさ!カチュアを救ってやってくれ・・・!カチュアを助け、この戦乱を終わらせることができるのはお前しかいないのだ・・・!・・・ゲホッ!」
あずさ「父さんッ!!」
プランシー神父「・・・モルーバ様を捜せッ!フィラーハ教の大神官だったモルーバ様を捜すのだ・・・きっと、お前の力になってくれる・・・」
あずさ「父さん、もうしゃべらないでッ!」
プランシー神父「己を棄てろ・・・大儀のための礎となれ・・・現実をきちんと見据えて、より良い選択肢を選ぶのだ・・・お前は・・・次の世代のために道を作るだけで良い・・・それを・・・忘れるな・・・」
あずさ「父さんッ!しっかり、しっかりしてッ!!」
プランシー神父「・・・あずさ・・・すまな・・・い・・・」
あずさ「父さーんッ!!!」
・・・ひっどい話ですね。
姉さんがモンスターとなるに至った原因は父さんにあったのだろうと気付かされてしまいましたよ。
あーあ・・・色々と残念すぎたため、ちっとも話が進んでませんけど、今日はここまでです。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
育ち方に問題あってモンスターになったのかな?
ちなみに神父の妻という人は、すでに、亡くなってるんでしょうか?
ご存命なら娘のすり替えなんて出来ないので
この世界で母を見たことがないので、もしかすると本当の姉さん(本当のカチュア)と共にお亡くなりになられたのかもしれませんね。