午後8時の訪問者を観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。
映画DVDを借りに行くとやたら時間がかかってしまう伊達あずさです。
自分に合った作品を見つけるのが苦手なのですよね・・・

そんな私が今回紹介する映画は・・・
午後8時の訪問者(La fille inconnue)」です。

いつもの様に作品情報から。

午後8時の訪問者
原題:La fille inconnue
ジャンル:サスペンス
製作国:ベルギー・フランス合作
公開年:2016年
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
概要:町の診療所で働く医者のジェニーは共に働く研修医であるジュリアンの態度への怒りから、診療時間外に診療所のドアベルを鳴らした訪問者を無視してしまう。それは普段の彼女なら決して取らない行動だったかもしれないが、それも些細な不親切のはずだった。しかし、翌朝、彼女はこの自分の行動を激しく後悔することとなる。昨夜、診療所を訪れた人物が近くで身元不明の遺体となって発見されたのだ。「あの時、ドアを開けていれば・・・」彼女の中に激しい後悔の念が広がる。救えたはずの命を救わなかった自身の行動を悔いた彼女は事件の真相を究明するために独自に調査を始める・・・

DVDのパッケージには「診療所近くで見つかった身元不明の少女の遺体。彼女は誰なのか。なぜベルを押したのか」などと物凄くミステリー臭がする感じで書かれています。さらにパッケージも控えめで非常に硬派な作りです。これはもしかして物凄い骨太ミステリーなんじゃ・・・そんな期待に胸を膨らませてこの作品を借りてみました。

そんな、「午後8時の訪問者」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★

一言で言うならば、この作品はミステリーでもサスペンスでもありません。
そもそも、パッケージにある謎っぽい部分は作品上、全然重要ではありませんし、なんら必然性のある謎ではないのですよね。更にスリリングな描写があるわけでもなく、淡々と話が進むため特にハラハラしたりすることもありません。
なので、ミステリーとかサスペンスとかそういったものを求めてこの作品を観てしまうと当てが外れてしまうかもしれませんね。

では、この作品のジャンルは何なのか・・・そう問われると私は非常に答えに困ってしまいます。
敢えて言うならヒューマンドラマ?ただ、そういったジャンルで良くあるような劇的感動ストーリーでもないのです。それはもう、まるで現実に起こった何気ない1つの事件をそのまま映画にしたような・・・もしかすると、フィクションドキュメンタリーなのかもしれませんね。
そういうこともあって、この作品の楽しみ処が人によってはわからないかも・・・そんなことから「★★」としました。

正直なところ、「この映画をミステリーやサスペンス映画だと思って観ないでくださいね!」と言えただけでこの記事の目的は十分達成できている気がするのです。なので、今回は映画の感想や考察というより、この映画を観て思った雑談みたいな感じになってしまったかも・・・記事のジャンル間違えたかな。

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「午後8時の訪問者」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:ジェニー・ダヴァン
研修医:ジュリアン
刑事:マムッド
真相の鍵を握る患者:ブライアン

考察・感想(ネタバレ含む)

物語というのは必然性にまみれていることが多くあります。俗にいう伏線というやつですね。
ストーリーライン上、関係ない描写が突然現れた場合、人はこれが後に繋がる何かなのではないかと当然のように疑います。複雑なミステリー映画になればなるほど、伏線と呼ばれる描写は直接的なものではなくなっていくものですが、それでも、結末には必要な要素であることにはかわらないものです。

しかし、現実世界ではどうでしょう。私はどちらかと言うと、全てに意味があると考えがちな方ですが、それでも、全てのシーンが1つの結末に関係したものであるとまでは考えていません。やっぱり、全く関係のない出来事だって沢山あるものです。
例えば、ミステリー映画なら「今まで1度も登場しなかった人が真犯人!」などという結末だと大激怒となっちゃいますが、現実世界なら別にそんなのは普通の事です。

そういった意味で行くと、この作品は恐ろしいまでにリアルです。主人公ジェニーが自分が無視してしまった午後8時(+5分)の訪問者の死の真相を突き止めるという目標とは何ら関係のない描写がそれはもう沢山あるんです。それどころか、何の伏線もなく降って湧いたような真相が明らかになったりすることすらありますし、そもそもジェニーが直接真犯人を見つけ出したわけでもありません。なので、パッケージから、この作品を「午後8時の訪問者の死の真相を明かす物語なのだ」だと認識して観てしまうと、それはもう酷い駄作と感じてしまうでしょう。

では逆に、この作品のメインは「主人公ジェニーが自分が無視してしまった午後8時の訪問者の死の真相を突き止める」ことではないと思って観た場合はどうか。あくまでも映画として切り取ったのがジェニーが真相に行き着くまでの期間というだけのことであって、その期間中の描写全てに何か意味があったのでは・・・
例えば、作中には事件とは全く関係のない患者達の診察シーンが沢山あります。この患者達は日本人にとってはあまりなじみが無さそうな問題を抱えているわけですが、こういった所がベルギーやフランスが抱えている社会問題に関係していたのかもしれません。それに、診療時間外の訪問者を無視しただけなのに、それを異常なまでに気にし過ぎる主人公ジェニーのキャラクター付けもひょっとすると遠まわしに何かを訴えかけているのかもしれません。

これは映画を娯楽と考えるか、芸術と考えるかによって大分映画の解釈が変わってくるのではないかと思うのです。
正直この作品は恐ろしく退屈です。ストーリーは恐ろしいまでに淡々と進むし、劇的なシーンなんて一切ありません。それどころか、全編環境音のみでBGMすらないのです。これを単なる娯楽とみるにはあまりに不出来です。
ただこの作品を芸術として捕えた場合はまた違った一面が見えてくるのかもしれません。というのも、この映画は物語としては恐ろしいまでにつまらないのですが、リアリティという点でいうならば、完璧な出来ではあるのです。
であれば、後は観る人の感性次第・・・感じる人は感じ、感じない人は感じない芸術作品と言えるのかも。

しかし、正直こういった雰囲気の作品は個人的に苦手です。
だって、SFやミステリーにはある程度の答えが存在しますが、この手の映画には答えと言う物がありませんからね・・・考察しようにも自信をもって書けませんし・・・
人には芸術と同じように合う、合わないが必ず存在します。どんなに優れたものであろうとも自分と合わなければどうしたって評価できないものです。そういった点で、ミステリーないしサスペンス映画であると勘違いされてしまうようなこのパッケージはどうなのかなぁ・・・と思う訳です。

自分に合ったものの見つけ方が下手という私自身の問題もあるのでしょうけど、もう少し、作風を分かり易いようにパッケージで表現して欲しいな~と映画配信業者の方に対して思ってしまう私なのでした。

以上です。

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