ピエロがお前を嘲笑うを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは!
最近、突如映画考察に熱を入れ始めた伊達あずさです。

そんなわけで今回紹介する映画は・・・
ピエロがお前を嘲笑う(Who Am I – No System Is Safe)」です。

いつもの様に作品情報から。

ピエロがお前を嘲笑う
原題:Who Am I – No System Is Safe
ジャンル:(マインドファック)スリラー
製作国:ドイツ
公開年:2014年
監督:バラン・ボー・オダー

概要:1人警察に出頭してきた自称ハッカー「Who am I」。彼は元サイバー犯罪センターの捜査責任者であるハンネにのみ自身が持つハッカー集団に関連する全ての情報を話すと言ってきた。「Who am I」を名乗る彼の正体は国際指名手配中のハッカー集団FR13NDSと関係を持つとされたハッカー集団CLAYのメンバー「ベンヤミン」であった。しかし、ベンヤミンの供述する内容の不自然さに不信感を抱き始める捜査官達。ベンヤミンが出頭した真の目的とは一体何なのか・・・

この作品は「マインドファックスリラー」という新しいジャンルを自称していますが、「マインドファック」と言うのは大どんでん返しの結末で観客を驚かせる系の映画ジャンルのことの様です。
私が観たことのある映画でいうと「メメント」とか「シックスセンス」、「アイデンティティー」等がこれに該当するのかな?

ちなみに、「まさかの結末に100%見破れない!騙された!という観客が続出」などと、個人的に不安が募るキャッチコピーが踊る本作品。
こういう謳い文句の映画には結構がっかりさせられているのですよね。
それなのにどうしても、チャレンジしてしまう私・・・
ある意味、作品のキャッチコピー通り、既に私は「騙されている」のかも。

そんな、「ピエロがお前を嘲笑う」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★★

悪くない!あんまり騙されてもいなかった私!良かった!
確かに派手なシーンもなく、地味めの映画ではあるのですが、観ていて途中で飽きたりするほどではありません。
勿論、「ド派手なアクションが観たい!」と思って間違って観た人は途中で眠くなるかもしれませんけど・・・
少なくても、パッケージに記載されている内容を期待して観る人であれば問題なく楽しめるはず。
で、肝心の結末についてですが・・・

納得出来ない!

何て言いますか、やりたいことは分かるんです。
こういう結末にしたいと思って作られたんだろうな~とは思うんです。
ですが、その結末に至るまでの経緯が個人的には非常に納得できない・・・というか、スッキリ出来ないのです!
逆に言えば、私の考察心が煽られる作品ということですし、ありがたいのですけど・・・

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「ピエロがお前を嘲笑う」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公(天才ハッカー):ベンヤミン(Who am I)
CLAYのメンバー(ソーシャル・エンジニアリング担当):マックス
CLAYのメンバー(ソフト担当):シュテファン
CLAYのメンバー(ハード担当):パウル
主人公の同級生:マリ
サイバー犯罪センター捜査責任者:ハンネ
ハッカー界のスター:MRX

考察・感想(ネタバレ含む)

この映画の結末は、

  • ハッカー集団CLAYの正体は4種類の人格者を持つ多重人格者ベンヤミンだった

と、思わせておいてからの、

  • 本当にCLAYは存在し、実はマリすらもCLAYの仲間だった
  • ベンヤミンは証人保護プログラムを発動させ、別の人物となり、CLAYの他メンバー達と共に何処へと去って行った

という、CLAYは4人組だった → 実は単独犯だった → やっぱり4人組でした
と、2連続で話をひっくり返すというのがウリの映画でした。
これはベンヤミンがハンネに対し見せた角砂糖の手品そのものですね。(4つの角砂糖が1つになり、息を吹きかけると4つに戻る)
CLAYのメンバーやMRXの描写から、彼らはプライドが高く、自己顕示欲に塗れていました。
ベンヤミンも自分がハンネに仕掛けようとしているトリックについて、あの角砂糖の手品を使って自己主張せずにはいられなかったのでしょう。

では、私は一体この結末のどこがスッキリしなかったのでしょうか。
それは・・・ベンヤミンが精神疾患者(多重人格)だとハンネに思い込ませた理由です。
この理由がはっきりしなければ、わざわざこのような手の込んだトリックを使ってまで、降りかけた証人保護を取り消させる理由がないからです。
では、ベンヤミンは何故このような手の込んだトリックを使わなければならなかったのでしょうか。

何故ベンヤミンは自分が多重人格であるとハンネに思い込ませようとしたのか

ベンヤミンが話していた話が全て嘘というわけではなく、殆どは真実であったと仮定します。
「家を燃やした」、「他のCLAYメンバーが殺された」など細部については嘘が含まれていたのかもしれませんが、MRXにベンヤミンの正体がバレて命を狙われている事や自分がCLAYのメンバーとして実際に行ったハッカー行為自体は全て本当だったとしましょう。
とすると、ベンヤミンはMRXと繋がりがあるサイバーマフィアに命を狙われることになりますし、CLAYのメンバーだってベンヤミンの正体から炙りだされてしまえば、同じく命が危うくなります。
さらに言えば、CLAY自身にFR13NDSのメンバー「クリプトン」殺害の容疑がかけられており、国際指名手配中?です。

それを前提として、ベンヤミンの目的を考えてみましょう。

  1. MRXの正体を暴いて逮捕させ、CLAYにかけられていたクリプトン殺害容疑を晴らす
  2. サイバーマフィアから命を狙われないようにする

この2つが思いつきます。
まず1ですが、警察に自首したベンヤミンはいとも容易くMRXの正体を暴き、警察(連邦刑事局とユーロポール)に逮捕させています。
居場所を突き止めた後の電撃逮捕に関しては、確かに警察の手を借りなければ不可能かもしれませんが、肝心のMRXの正体を暴くという点については何ら協力してもらっていません。
つまり、確かに1度は失敗したのかもしれませんが、CLAYがその気になれば、警察の手を借りること無くMRXの正体を暴けていたはずなのです。
であれば、1のためだけにわざわざ警察に出頭する必要はありません。

次に2ですが、サイバーマフィアから狙われていたのが本当だった場合、MRXが逮捕されたことで、命を狙われなくなるものなのでしょうか。
MRXからの依頼でベンヤミンの命を狙っただけで、依頼主が逮捕されてしまえば問題なくなるというのであれば、MRXの正体を暴いて、その情報を警察に売るだけで済みます。
ですが、ベンヤミンは証人保護によって新しい身分を貰えない場合は、いずれ殺されると怯えていました。
とすると、何らかの方法で自分の身分を変えなければ生き残れない状況であったことは事実なのでしょう。
でもそれなら、普通に証人保護が適用されるだけでも良かったのではないでしょうか。

何故わざわざ、ベンヤミンは精神疾患者だとハンネに思い込ませてまで、証人保護を取り消させたのでしょうか。
勿論マックス得意のソーシャル・エンジニアリングで、ハンネの過去、経歴、性格から証人保護が取り消されてしまったベンヤミンに同情し、助けてくれることには自信があったのかもしれませんが、ベンヤミンがMRXの逮捕に協力したことは事実なわけですし、そんな妙なトリックを使わずとも正攻法で証人保護を適用してもらえたはずなのですが・・・

そもそも、自分がCLAYのメンバーであることを話す必要ってあったの?

CLAYのメンバーを守りつつ、自分の命を守りたいだけなら、いっそCLAYのメンバーであることを明かさなければよかったのでは。
自分は「Who am I」というハッカーで興味本位でMRXの正体を暴こうとしたら、逆に彼に正体がバレてしまい命を狙われている。
MRXの逮捕に協力するから証人保護を自分に適用して欲しい。
だけだったらどうでしょう?
確かに疑わしさ満点ですが、ベンヤミンにはMRXの逮捕協力という凄まじい功績があるのです。

ですが、MRXが逮捕後、「Who am I」から連邦捜査局の職員のリストを貰い、それがきっかけでクリプトン殺害を計画したと自供した場合は「Who am I」が連邦情報局にハッキングを仕掛けたCLAYのメンバーだった可能性を疑われてしまうかもしれません。
なので、どうしても自分がCLAYのメンバーであると明かさざるを得なかったのかもしれません。
そもそもMRXと「Who am I」が接触していたことは警察も掴んでいたことですしね。
例え、ベンヤミンが「Who am I」ではなく、別の人物を名乗って警察に自首したとしても、ベンヤミンがMRXに顔を知られてしまった以上、MRX経由で彼の正体が「Who am I」であることはバレてしまいますし、隠し通すのは無理かもしれません。
とすると、ベンヤミンがCLAYのメンバーであることはどうしても話さざるを得なくなりますね。

ベンヤミンを多重人格者にするメリット

今までのことから、ベンヤミンがCLAYの関係者であったことは正直に話すしか無かったようです。
とした場合、ベンヤミンが多重人格者でCLAYが単独犯であったとハンネ達に思い込ませるメリットは1つしかありません。
それは他のCLAYメンバーを守れることです。
CLAY = ベンヤミンと思わせてしまえば、ベンヤミンさえ証人保護対象となれば他のメンバーはハッカー集団CLAYとしての罪に問われなくなります。
もっと言えば、ベンヤミン以外のメンバーは今後も警察からマークされること無く、活動を持続できるでしょう。
でもそれなら、最初からCLAYは自分一人でしたといえば良かったのでは?

ですが、そう言ってしまった場合、1つ問題が生じます。
それは「連邦情報局に単独でハッキングを仕掛けるに当たって必要とされる知識や技術言及されること」です。
CLAYは一度連邦情報局にハッキングを仕掛けています。
当然、そんな大物に侵入してしまったわけですから、ハッキングの手口については詳しく調査されているでしょう。
その場合、ベンヤミンが持つハッキングの知識だけでは無理があったはずです。
侵入に関する詳しい手口や方法について言及されるとベンヤミン1人では説明限界があったのかもしれません。

ですが、自分では制御不能な多重人格の成せる技だったということにしておけば、ベンヤミンとしての今の自分がハッキングの知識しかもっていなかったとしても、それ以上の追求は不可能になります。
そこを狙ったのでしょうか?

でも、警察はどうしてそんなに結論を急いだの?

ベンヤミンの話を信じたとしても、連邦刑事局がベンヤミンの身柄を預かっている間は命は保証されるでしょう。
そうなった場合、ベンヤミンの話の裏付け捜査だって時間をかけて行えたはずです。
そもそもCLAYは連邦情報局に進入するというとんでもない事を行っているわけですよね?
CLAYが単独犯だとした場合、4人分の物理的な痕跡を一切消し去ることなど可能なのでしょうか。
映画中のCLAYメンバーは手袋すらしてませんでしたし、指紋とかベタベタ残しちゃってますけど・・・
CLAYが最初に行った攻撃の時だって、車の周りを取り囲まれた時、中に居たのが1人ではなかったことぐらいバレていたはずです。
もしかすると、ベンヤミンが話したCLAYに関する話は全て嘘で、CLAYはもっと全てにおいて慎重に行動していたのでしょうか。
ベンヤミンが精神疾患者故に発言能力に信用性がないと思い込ませてしまえば、多少CLAYの活動内容に嘘があったとしても些細な事として扱われそうではありますけど・・・

でも、もっと確実な手段は無かったのかな?

CLAYのメンバー全員で出頭し、「MRXの逮捕に協力する代わりに証人保護と恩赦をくれ!」とお願いするではダメだったのでしょうか?
あるいは、「自分は元CLAYのメンバーで、その後CLAYは解散したが、自分だけはMRXに身元がバレてしまったため命を狙われている。逮捕に協力するから証人保護を適用してくれ」ではダメなのでしょうか?
CLAYに関して警察は何一つ情報を掴めていなかったわけですから、CLAYの他メンバーに関する情報が適当でもばれないんじゃ・・・
どっちにしたってCLAYは警察から見て、小者だったわけですから、FR13NDSの逮捕に協力さえすればあまり深く追求されなかったのでは。

結局、こんな奇策に頼らなければならない理由が分からない

このトリックを完成させるためには、ハンネがルールを破ってまでベンヤミンを助けてくれない限り成り立たないわけです。
ですが、そんな危ない方法に頼らずとも、CLAYのメンバーを守りつつ、自分の身分を変える方法はあったような気がします。

しかも、結局ハンネは全てに気づいた上でベンヤミンを逃してくれたらしいですからね。
ハンネがそれほどのお人好しであることまで折込済みだったのなら、ますますこんな奇策を繰り出す必要性が・・・

でも、この奇策が最善策であったことにしなければ、この映画最大のウリが台無しになってしまいます。

もしかして、実はベンヤミンの目的は別にあった?

ベンヤミンの目的が

  • MRXを逮捕してCLAYの疑いを晴らす
  • 自分がCLAYのメンバーであると話しつつも他のメンバーを守る
  • 別の身分を手に入れる

だけであることを前提として今まで考えてきたのですが、これだとここまでの奇策を使わなければならない断固とした理由にはならなそうです。

ですが、もし、これ以外にも彼には目的があったのだとしたら・・・
例えば、「警察の証人保護プログラムへのハッキング」こそが本来の目的なのだったとしたらどうでしょう。
ハッキングを仕掛けるためのソーシャル・エンジニアリングのターゲットとしてハンネを利用しただけで、これもCLAYとしてのハッカー活動の1つだったということになります。

さらに映画中ではベンヤミンが警察のサーバールームで一体何をしたのか詳細には描かれていません。
よって、実はあの時、自身の証人保護以外にもなにか仕掛けていたとしたら・・・

こう考えれば、あの奇策にも必要性が出てくるかもしれません。
ただ、映画の中でそれを示唆するような描写がなかったので単なる想像でしかありませんけど・・・

こんな感じで無理やり納得しようとしないと、ちょっと納得できないのですよね。
最後の最後の2連続どんでん返しこそがこの映画のウリだったわけなのでしょうから、こうせざるを得なかった理由がもう少し一般人の私にもわかりやすい描写だったらな~と思えてなりません。
個人的にはトリック明かし時には爽快感が欲しいのですよね。

いざトリックを明かされたのに「え?え?う~ん・・・」って、考えてしまうようでは、どうもすっきりしないのですよ。
次はもう少し、気持よく私を騙してくれる映画と出会いたいですね。

以上です!

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伊達あずさ
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。 ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。

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