「くだらない」ものって、どんなもののこと?

投稿日:

こんにちは!栁澤蘭丸です。

くだらない、という言葉、日常的に使いますよね。「くっだらねーこと言うな!」とか「何だこれ、くだらん」とか。しかし、くだらないって一体どういう状態なのでしょう。何が無いんでしょう。くだらない…漢字で書くと「下らない」となります。ということは、「下る」ものもあるってことですね。

うすうす勘づいている方もいるかもしれませんが…この言葉は、京都・大坂を「上方」と呼ぶことと大いに関係しているんです。天皇陛下の住む地を「上」とし、江戸を「下」とした…この延長上ですね。現在では、天皇陛下のいる地(東京)へ向かう道は「のぼり」といい、離れる道は「くだり」といいますし、東京に移り住むと「上京」って言いますね。でも江戸時代は、京都・大阪が「上」で、江戸は「下」。

という前提のもと。「下るもの」とは、京都から江戸へ下ってくるもののことでした。それってどういうものかっていうと、高級品とか、質の良い物のことでした。江戸時代は、江戸の産業は京都・大坂に比べるとまだまだ未発達で、良い物は京都から取り寄せるのが普通だったんですね。

なので、「下らないもの」とは、京都・大坂から江戸へ下ってきたものじゃないってことで、つまりは高級品でも品質がいい物でもない、江戸や、江戸よりさらに北で生産されるもののことで、これらは京都・大坂で加工されたものに比べると品質が落ちたので、粗悪品とか安物とか偽物、というネガティヴなイメージがついていました。「くだらない」のネガティヴな感じはこの辺りから来ているというわけだったんです。

ところで、昔、朝鮮半島に「百済(くだら)」という国がありました。昔、文化は中国から朝鮮半島を経由して日本に入ってくることが多かったので、百済=日本より進んでいる国、だから「くだらない」は「百済っぽくない」という意味である…という説もあります。が、百済って国があったのが相当昔であること(4世紀~6世紀頃)もあり、その頃の言葉が今でも普通に使われるってのはちょっと考えづらいですし(いとをかし、とか言ってた頃よりもっと昔だし…)、根拠になる文献が無いので、「くだら」っていう国の名前、すっごく関係ありそうなんだけど今回の言葉の語源には関係ない可能性が高いようです。大体「諸説あり」というのがほとんどだけど、「語源はこれ」って言えるのは珍しいケースですね。文化の通り道を考えると、最もらしい説なんですけどね!国内で完結しているコンパクトな語源だったみたい。

そんなわけで、語源から言うと、下らないものより、下るものが大事だったんですね~。下りものという言葉は廃れたけど、下らないものだけは生き残っているという不思議現象が起こっていますね。

栁澤でした~。ではではでは。

「くだらない」ものって、どんなもののこと?_挿絵1

蘭丸の閑話をもっと読む
Prev | Next

雑談記事一覧へ

Studio POPPOをフォローしませんか?