家康が遭遇した変なものも結局は…

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こんにちは!栁澤蘭丸です。

昔、誰々が妖怪に出会いました!という話はよくありますよね。
河童とか、ぬりかべとか、ろくろくびとか?
でも出会った人が「どこそこのおじいさん」とかなので、単なる昔話としか思わないのですが、それがもし有名人だったら…ちょっとは信じる気になるような気が…するかも?

実は、江戸幕府を開いた徳川家康が変なものに遭遇したという記録がありました。その名も…「肉人」…。
はっきりいって名前だけ見ると美味しそうですが。
家康は、幕府を開いてから2年で将軍職を息子に譲って「大御所」様になって駿河(静岡)から大御所政治をしていました。
そんな静岡ライフ満喫中の家康の元に肉人が訪れたのは、家康が駿河に籠ってから4年後の1609年のことでした…。
家康んちの庭に、背丈が子供くらいの「肉のカタマリ」のような生物が現れたそうなのです!家康がいるお城なので、警備は超厳重なのに庭に入り込めるのは妖怪の類だけ!のはずです。
この肉人、手足はあるけれど、指はなく、前後の見分けもつかない肉のカタマリなのに、捕まえようと思ってもこんな容姿で素早さ特化だったらしく、家臣たちは総出で捕まえようとしますが捕まえられず…。家康が「そんなもん見ていたくないからどっかやっちゃって」と言うので、捕まえるのは諦めて、城から追い出すことにしました。こっちはうまくいった模様で、肉人は山の方へ追いやられていなくなったんだそうです。

さてこの肉人…「肉人」と名前を付けたのは、人間側には何者か分からなかったので仕方なく呼び名を付けただけのことで、正体は不明です。そもそも、本当に駿府の城にそんな変な者が現れたのかも、本当は定かではないのですが、その話を聞いた薬師の人が「それは中国で幻の薬とされている『封』というもので、食べると色々な力を得ることが出来たのに!」と言って悔しがったそうです。が、捕まえられなかったんだから悔しやっても無駄なのです!誰か食べた人がいるからそういう話が伝わっているのでしょうか。適当でしょうか。人魚の肉も、食べたことあるわけないのに福井県の敦賀市に八百比丘尼(やおびくに)という、人魚の肉を食べたせいで不老不死になったという女性の伝説があり、今では人魚の肉=不老不死の薬、みたいなちょっとした常識(?)ができちゃってますが。

しかし肉人の話はこれだけでは終わりません。実は『徳川実紀』によると肉人が現れた日に、「見たことのない雲が光りながら空にたなびいた」という記述があります。『徳川実紀』は江戸幕府の公式文書。つまり肉人が出たっていう記録は公式な記録なんですね~!(ただし編纂されたのが1800年代前半だけど)
見たことのない雲が光りながらたなびく…空に関係があると言いたげです。

同じ事件のことを書いている『東武談叢』にはもっと細かい記述があり、肉人は「どこから来たのか」と問われると、指のない手で天を示した、ともあります。

これらのことから、肉人は宇宙から来たのではないか?日本で一番偉い人に謁見しに来たのではないか?と言われているとか言われていないとか…。
しかし本当にその星の一国の偉い人に会おうと思ったら庭に突然出現しちゃ追われるだろう。肉人の世界に玄関という概念はなかったとか?

たまにやってくる宇宙人が「肉人」「封」として薬にされてたんなら、健康・薬マニアの家康も悔しがったんでしょうか、それとも全部創作なのでしょうか…日付まできちんと分かっているところがちょっとリアルですね。(4月4日だそうです)

栁澤蘭丸でした、ではではでは~。

家康が遭遇した変なものも結局は…_挿絵1
裏も表も目も鼻も口もないはず…、そうあれが目や口であるかどうかは分からない、それに裏にも同じ模様(?)があるかもしれないし…。
乳酸菌二次元人、色々なところに出てくるアレ。

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