虫だって心穏やかに死にたいんだ…(多分)

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こんにちは、虫の味方をしてきたけど虫は全然私の味方をしてくれない栁澤です。

この時期になりますと、玄関先に落ちている「セミ」。

生きているのか死んでいるのかイマイチわからなくて怖い!急に動き出して怖い!という悲鳴をたびたび聞きます。大体は女子だけど、男も都会育ちだとカエルも掴めないよう子もいます。何がそんなに怖いのさ。セミもカエルも刺さないよ。まぁヒキガエルやアマガエルはちょっと毒持ってるけど人間に影響あるほどじゃないよ。

セミなどの昆虫はあまり感情とかはなさそうですが…夏が終わり、天寿が尽きそうになってもまだ「敵には捕まりたくない」という本能は健在なようで、死にかけだからって呆気なく捕まるやつはほぼいません。オスのセミなら、掴まれたら悲鳴を上げますし、メスなら静かだけど身をよじって逃れようとします。もうほとんど動けないのに…。

この世に創造主がいるのだとしたら、ひどい設計にしてくれたものです。死ぬ間際になってもまだ「生き続けたい」回路をOFFにしてくれない。結果、動けなくなったセミは生きているのにいつ何に掴まるか分からなくて怖いという状態に追い込まれることになります。

でもまぁセミには、複雑なことを考えるという機能はないので、機械的な反応でしかなく、セミが精神的苦痛を味わっているとは思いませんが…
しかし、人間は何でもかんでも擬人化したがるものですよね。戦艦や戦闘機、刀のような無機物すら擬人化する…つまりは相手が何であれとにかく心を通わせてみたいと思うのは、人間の性のようです。

なので私も人間なのでセミにも人間の価値観を当てはめてしまいがち。
「もうすぐ死んじゃう、体が動かなくなってきた、もう飛べない…」と思っているところに、巨人がやってきて、「キャー!早くどっかやってー!」などと言われる。ただでさえ残り少ない命を振り絞って抵抗してみるも、ほうきで吹き飛ばされたり、ゴミ箱に入れられたりするわけですね

敵は人間だけではありません…野良猫や、ありんこなどもまだ死んじゃってはいないけど動けないセミにとっては、恐ろしいものかと思います。外で転がっていると、死にそうなのに一切気が抜けない。人間なんて特に死にかけの自分(セミ)を嫌っていて、何をしてくるか分からない。

弱ってから完全に死んでしまうまでの間も、セミは決して「もうすぐ死ぬんだ…役割は果たしたよな…」とか考えている暇はなく、「敵に掴まりたくない!死んではダメだ!逃げなきゃだめだ!」と、何かの気配を感じるたびに身構えなければならないわけですよねぇ。

私は人間みたいな思考回路しか持っていないので、セミに対してもそんな風に思うわけなのです。

となると…セミに限らず、寒くなったら死んでしまうような虫たちが弱ってきた時、せめて気を張らずに、「静かにしていたらいつのまにか死ねた」みたいな環境があったらよいのになぁと思い、虫が安心して死ねる場所を作りたいなどと考えたことがあります。(←いい年した大人)

しかし…寒くなると死んでいく虫はバッタ、セミ、ハナムグリ、色々といすぎる。対象者をセミに絞るとしても、セミが落ち着く環境が分からん…。地べたではなさそうだけど…。うーん…。となってしまったので、残念ながら虫の終末医療(謎)計画は流れてしまいました。

なので私はただただお願いするしかありません。セミが行き倒れていたら、生きているか死んでいるか分からなくて怖いかもしれないけど、
セミのほうが自由にならない体で、大騒ぎしてる自分より相当デカい生物が怖いのだってことを…( ̄ロ ̄;)

地べたにいたりコンクリートのところにいたらせめて踏まれないように、木の枝の上に載せるとか…そんなことまでしてもらえればセミはきっと嬉しいのではないか…(妄想です)と私は思うのでした…。

秋も深まってくるとショウリョウバッタなども動きが鈍くなって、いよいよ死を覚悟する(?)のでしょうけど、動きが鈍ったショウリョウバッタを指に掴まらせると、人間の指で暖を取ります。そして離れようとしません。マンションの廊下とかにいたショウリョウバッタを茂みなどに戻そうとして捕まえると、「ほら行けー」と言っても、自発的には離れないので、引きはがして、適当なところに置くしかありません。指はあったかかっただろ、外寒いもんね。でもずっと指に掴まられてたら私も困るんだ。とか思いながら草むらにスローインです。

自分より明らかに小さく、何の害もない生物が怖い人は、もしかしたら「周りが怖がっていたからこれに遭遇したら怖がらなきゃ」みたいな先入観はないか?と考えてみて欲しいなっと思います。
蜘蛛も、ゲジゲジも、ゴキブリも、セミも、誰も人間よりか弱い生物で、人間のパンチ一発で体がつぶれてしまうようなHPの低さです。「キモイ」と思うかもしれないけど、それだけのことです…!
キモいものだって平気で食べますし!ホヤとか!アワビだってうにょーんって動いてる時キモイけど「食材」に分類されてるから平気で食うじゃないですか。イクラだって目ん玉みたいで見ようによってはキモイし、タラコは表面に血管が走ってるし、ウニだってキモいでしょう。トゲトゲの生物を割ったら出て来た内臓ですもん。みんなが大好きなカニだって節足動物で、虫に含めようと思えば含めてもいいようなもんだけど、食うじゃん!ばきぼきと足をもいで。越前ガニの産地の民は足より甲羅の中身のほう重視してますけどね。うん。ミソが美味いんですよ??ミソがほぼ主役ですぞ?

セミにももう少し愛を…!!

あ、ちなみにですがセミの成虫は地上に出てきて一週間で死ぬと誤解されていますが、それは子供が飼育した場合は大体そのくらいしかもたないというだけで、捕まえなければ成虫のままで1か月くらいは生きているそうなので、虫かごパンパンにしてないで逃がしてあげてね。。(;´Д`)

虫だって心穏やかに死にたいんだ…(多分)_挿絵1
アンデルセン風死んでないアピール

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