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勤労感謝の日です、こんにちは栁澤です。
みなさんには、「支えてあげたい!」とか、「ついていきたい!」とか、「この人に偉くなってもらわなきゃ困る!」と思える人はいるでしょうか…あんまし現代にはいないかもしれないんですが、上司(っていうか主君)がどんな人か…で、自分の命、生活が左右されるような時代には、上司が偉くなることこそ大事、と思っている人たちがいたみたいです。
1人目!「三国志演義(←創作だけど)」の孔明こと諸葛亮さん。
後の五虎将軍の「黄忠」は、最初は「韓玄」に仕えていたのですが、「韓玄」の治める長沙が関羽に攻められた時に、内通を疑われてしまいます。疑われる原因として有名なエピソードがありますよね。長沙に関羽が攻め入ってきた時、応戦した黄忠じいちゃん、一騎打ちで関羽と互角に戦います!すごい!しかし、馬が蹴躓いてしまったので馬から落っこちてしまいます。それを見た関羽は、「この勝負は預けるから、次は違う馬でどうぞ」といって黄忠を見逃したのです。これに恩義を感じた黄忠じいちゃんは、戦場で再び関羽とまみえた際に、得意の矢で射かけますが、関羽が死なないようにかぶってた兜の一部を神業で撃ち抜き、撤退させることに成功!
だけどこれに納得いかないのが、黄忠の主君の「韓玄」さん。「な~んであそこで殺しちゃわないのかなあ!?もしかして内通してる?内通してるね?その顔は内通してる!」と黄忠を処刑しようとします。そこで、「もう韓玄さまはあかんわ…」と常々思っていた同僚の「魏延」さんが、韓玄を倒して、黄忠と一緒に劉備に降伏します!
でも、諸葛亮的には…「この人…、主君に愛想尽かしたのか…うーむ」というふうに見えたので、「魏延さんは後頭部が出っ張ってますから、『反骨の相』つって、裏切る性質があるみたいです!死刑にしましょ!死刑!死刑!死刑にしましょうよ劉備さまぁ~!」と進言します。それを劉備が「まーまー、そうキビシく言うもんじゃないよ、働いてもらおうよ☆」と言ったので、魏延は「劉備様ありがとう…」って気持ちになり以後劉備軍で立派な武将となります。(ちなみに、孔明が魏延に意地悪なことを言ったのは、自分が悪者になって劉備に恩義を感じさせるためではなくて、単に『生理的に嫌いだったから意地悪した』っていう説が色濃い…)
その2!徳川家康の重臣「本多正信」さん。
彼が江戸城に勤めていた時のことです。家康がとある部下に対して超腹を立てて、怒鳴っているのが聞こえてきました。その部下は真面目でよい部下だったのですが、家康の怒りはヒートアップするばかりで怒る声がおさまりそうもない…。そう思った本多正信さんは、家康のところに飛んで行って、「どうしました殿!こいつ何かしたんですか!」と聞きました。家康は「おぉ、正信。実はぁー、こいつがこうなんであんなんで、マジ無理で!」というので、本多さんは部下に向かって、「おんまぇえええ!何てことしてくれるじゃあ!殿に向かって!殿だよ?殿だよ!?分かってんの?どんだけ無礼なことしたか分かってんの!?」と、突然無茶苦茶怒り出しました。
これには家康もドン引き。ますます平伏する部下が可哀想になってきて、「い、いやね、そのー、本多くん…別にそこまで怒らなくても大丈夫だよ、うん…自分もちょっと怒りすぎたかなって…思ってるし…」と言うしかなくなってきて、それを聞いた本多さんは「むぅー。そうですか…まぁ殿がそう仰るなら。ここまでにしておきまっす」と言ってその場を去ったんだそうです。
この二つの話…共通点は「君主のほうから『許してあげよーよ』と言わせ、自分は悪者になる」という点です!自分が嫌われても、主君にさえ忠誠を尽くしてくれればよいっていう、心遣いなのです。偉すぎー。悪者になるのは誰もが嫌なものです。でも本多さんの件で本多さんがもし「殿?もうそろそろよくないです??」とか言おうものならきっと家康は「正信コイツの味方すんの!?正信もこいつも嫌いだよ!」となったかもしれないです。
まあこの2つの例はちょっと事情が違い、諸葛亮は魏延の忠誠心があやしいのでそれを確固たるものにしたかったのでわざと酷いことを言ったのに対して、本多さんは家康に怒られてる部下が可哀想になったので家康の怒りを鎮めるために自分のほうがもっと悪者になった、という感じなんですが、悪者になるのも、大局的に見たら悪いことではないもんなんですねえ。でもそれで理解者がいればいいけどたったひとりで悪者役を続けるのは悲しいしつらいこと。職場などで悪者を買って出てくれている人がいたら、ちょっと労って差し上げるのが良いのかもしれませんね。または、いいこちゃんばかりしていずに時には人を助けるために悪者になるとかね!
栁澤でした。
Studio POPPOの変な記事担当です。武田信玄の軍配が欲しくて100円貯金しています。ゾンビが来たら軍配で殴るつもりです。(よくないゲームの影響を受けている)