「一匹狼」って本当に存在する?

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こんにちは、栁澤です。

「一匹狼」という言葉があります。人間の世界で「一匹狼」というと、群れることを嫌って、孤高に生きている人のことを指しますよね。でも、実際の狼といえば群れで暮らしていることで有名。どうして「一匹狼」という言葉があるのかちょっと不思議に思うことはないでしょうか!

狼は、一組のつがいを中心とした血縁関係のある個体同士で3~10頭くらいの群れを作って生活しています。狼の獲物は狼より大きい草食動物であることも多いので、狼はつがいを筆頭に協力して狩りを行って食べ物を確保しています。犬が子だくさんなのと同じく狼も子だくさんで、年に一度、群れの中心のペアから5頭前後の子供が生まれて、群れ全体で子育てをします。

子供を産むのは基本、群れの中心のつがいだけで、他の狼は子供は作りません…自分も群れを持ちたい場合は、独り立ちしなければならないんです。こうして群れを離れた狼が、一匹狼というわけなんです!
「独り立ちしよう!」と思って群れを出ていく個体以外にも、群れの中でそりが合わない(?)個体が仕方なく出て行ったりもします。

つまり狼の「一匹狼」は、「群れを持ちたい」けど「今持ってない」という狼のことだったのです。決して好き好んで独りになったわけではないというわけです。まあ意気揚々と(?)出て行った個体も入れば、追い出された個体もいるわけで、モチベーションは様々みたいですが…。

狼の群れはライオンと違って、別にハーレムというわけではありません。巣立たず残った兄弟たちやら、他の群れから合流した誰かなど、性別は特に不問。ライオンみたいに「オスだから」と殺されたり見捨てられるわけではないので、群れから巣立った自立心が旺盛な子以外で追い出された個体は人間で言うと、コミュニケーションがうまく取れなくて孤立しちゃった人だったり、協調性がなくて嫌われちゃった人みたいなもんなんですね。人間も、ひとりで生きていくわけではなくて、群れることで生き残ってきた種類なので、そういうことってまぁあるよねって感じで理解はできるような。
日本語ではかっこいいイメージの「一匹狼」ですが、英語では「lonely wolf」といいますので、意味的には「寂しい、ひとりぼっち、心細い」という意味がある英語のほうが、実際の狼世界の一匹狼の状態にマッチしていると言えるみたいです。おろろん。。

ちなみに、ひとりぼっちで「わおーん」と遠吠えしているイメージがある一匹狼ですが、実は遠吠えは「群れの仲間を呼び戻すため」の合図なので、一匹狼にはあまり遠吠えが必要ないみたいです。遠吠えは個体によって違うので、誰が鳴いているか区別がつくそうで、群れの大事な仲間がはぐれた場合などに一生懸命鳴くんだそう。犬を飼っている人は犬がどれだけ愛情深いかよくご存じかと思いますが、狼もそう。仲間に対する愛情が深いため、遠吠えをするんですねえ。可愛い。

サイレンに向かって犬が遠吠えをしちゃうのは何なんでしょう…、うちの犬も6時のサイレンに反応して散歩中に「わおーん」と言い出したことがあるんですが、私と散歩してたのに誰を呼ぼうとしていたんだ…群れ(家族)からはぐれているのはむしろ私たちの方なんだが(しかも、お前のために散歩に出かけたのに…)。寂しくなったんなら家に帰れば解決なのに、「えー、そっち行くと家じゃん…まだ帰りたくない…」って顔をする。謎です。


でっかいワンコ最高

「一匹狼」って本当に存在する?_挿絵1

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