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どうも、栁澤です!
法律関係の仕事をしていたので、弁護士やら訴訟やら契約やら相続やら話し合いやら、そういうことには山ほど遭遇している私なのですが
専門家が、心しておかなければいけないなーと思っていることがあります。それは、「依頼主の意向を汲み、それに沿うこと」です。
例えばリーガル・ハイ(ドラマ:フジテレビ)の古美門研介先生は、「訴訟に持ち込んで、どんな手を使ってでも勝つ!」という先生です。それが倫理的にマズイ私情私怨であろうが、古美門先生の雇っている密偵によるねつ造証拠で勝つのであろうが、勝って大金が入ってくるならばどんな依頼でも構わない!というスタンス。依頼主が穏便に済ませたいという意向でも、勝ちにこだわります。なので古美門先生は依頼主に寄り添ってくれる弁護士では全くありません…常勝無敗だけど。手付金も2000万だし(;´Д`)訴訟で勝つことにこだわる弁護士は、依頼主の疲弊具合からいってもあまり良い弁護士ではない…と思います。
というわけで、はじめに戻ります。
法律相談などは何のためにあるのかというとそれは勿論、困っている依頼主を助けるためです。
事情を聴く「だけ」でも料金が発生するので、既に仕事は始まっています。「依頼主の意向を汲む」作業を開始しないといけないわけです。
例えば「10万円を友達に貸したが、返してくれない。借用書は友達だったので貰わなかった。だけど貸したことは事実なのだからどうにかして10万円返してもらいたい。その方法を知りたい」という相談があったとしましょう。
ここで、あまりよくない弁護士さんは「どうにかして」の部分を聞かなかったことにしてしまうことがあります。
「訴訟をしてもマイナスになります。だから意味ありません。大体友達に貸したお金なんて、あげたも同然と向こうも思ってるでしょーし、しらばっくれると思いますよ。私なら友達に貸したお金は取り立てないな。むしろあなた恐喝になっちゃうんじゃないの?とにかく無駄だとは思うけど直接話し合ったらどうですか?ハイ、30分経ったので5000円いただきます」
上記はぼかしてありますが、実際にあった事例です(;´Д`)
確かに訴訟をしたらそうなるでしょうけど…。誰も「訴訟」したいって言ってない。っていうか「どうにかして」って言ってるでしょ?って思うような感じです。弁護士というものは、最低限「訴訟をできるのか」「訴訟しないとしたら何が出来るか、他にはどういう制度があるか」などなど言わなきゃいけないことは決まっているんですが、それを言うのは「当たり前」で、(じゃないとネットで調べればそんなことは分かっちゃうからね…)「こうすればより良い」などのアドバイスをしないと、わざわざ出向いてお金を払うというのに役立たずも良いところです。つか友人として話した結果だめだったから来たんじゃないのだろうか…
と、話は変わりますが、現在の弁護士事情をご説明しましょう。
昔は足りなくて困るって言われてた弁護士ですが、「法科大学院制度」が出来たおかげで増えすぎの一途をたどっています。これから日本の人口は横ばいもしくは減ると概算されているのに弁護士は割合的に増える一方。自分の事務所すら開設できない「居候弁護士」が急増中です。それどころか居候にすらなれず、自宅を「法律事務所」として、仕事を教えてくれる先輩も誰もいないまま、たったひとり&実績ゼロで弁護士を名乗らざるを得ない「自宅弁護士」まで登場しています。
司法書士の仕事まで奪わないとやっていけないほど一人頭の依頼数が減っている(昔と比べれば相対的に…)弁護士の世界では、経験不足の人が増えてきているため、応用力に欠け、さらに、まあ言ってみれば暗記力があれば受かる試験で得られた資格なので、弁が立つわけでもなく、コミュニケーション能力も低い人が(相対的に…)増えています。だから人の話をよく聞いて「意向を汲む」ことが出来ない人に相談することになってしまうケースもあります。
コミュ力に問題が無かったとしても商売敵が多すぎて経験を積みづらい今の弁護士の世界では、弁護士を選ぶところから既に戦い始まっていると言えます。
なので、まぁこんなところで言ってしまうとアレなんですけど…市や区や都道府県の弁護士会が開催している相談会(有料の場合もあります)は地雷原と言えます。依頼者側が弁護士を選べないからです。勝手に、その日に相談当番だった(であろう)専門家のところに「どうぞ」って案内されてしまうのですよー。しかも、そういうところには、収入が無くて困っている「実績のない弁護士」がアルバイト感覚で積極的にやってくるのです。
しかも!当たり前なんですけど、法律ってめっちゃくちゃ幅広い上奥深いものです。会社法のスペシャリストがそのままそっくり刑事訴訟のスペシャリストにもなってるなんてこと、中々ありません。(ドラマは別…)
弁護士事務所のサイトを見ると、「離婚問題に実績!」とか「交通事故のご相談ならお任せください!」とか、弁護士さんが得意な分野をアピってると思います。
離婚問題で慰謝料たくさん分捕るのが得意よ!っていう弁護士さんは、確かに離婚したい人には頼もしいのかもしれないんですけど、友人がお金を返してくれません、という貸し金問題は全然解決したことがなくてポンコツ、という事態は普通にあります。
ちなみにTVCMや電車内の広告で「過払い金の返還請求」っていうワードよく見ると思うんですけどこれは本来は司法書士がやる仕事で、すでにほとんどの事例が解決しています(過払い金バブルが去った、という言葉がよく使われます)。つーか時効を迎えているものが大半だと思われます。どんなポンコツ法律家でも、相談者さえ来てくれればほぼ間違いなく利益になる簡単で美味しい仕事でした。(過払い金請求できるか出来ないかはすぐ判断できる上、やらないといけないことも決まりきっていて、ほぼ流れ作業だから。請求できない事案を持ってきた人には速やかに帰ってもらえばいいだけだし)
そんな仕事を司法書士からTVCMで奪わないとならないほど、弁護士は余っちゃってるんですね。
えー…ついでに、最初の「10万円を友達に貸した」事例ですけど…これは両者の合意があれば口約束であろうが契約は成立すると民法で定められているので、「友達がしらばっくれるんじゃね?無駄無駄」っていうことで相談者に相談料を請求したこの弁護士さんは、きっと違う分野の専門家かなにかだったんじゃないのかなー?
相手がしらばっくれた状態で訴訟すれば負けるかもしれませんが、協議はする余地があると思います。例えば友人との会話の中で「借用書がないから返さないモン」みたいなワードが出たとしたら、友人との間には借用書はなくとも合意があった(友達には借りた自覚がある)ことになりますから、それを録音しておくだけでも相当違うわけです。借用書はものすごくいい証拠ってだけで、代わりの何かがあるならそれでもいいんだし。訴訟をしているわけじゃないんですから、堅苦しい書式の証拠(みたいなもの)である必要がないのです。もっとゆるぅ~い証拠でもいいのです。
「私なら友達からは取り立てないわぁ」とか、「むしろあんたが恐喝罪になるぞw」とか、有料で話をしているのに「おめーは誰の味方なの?」っていうようなアドバイスをくださる弁護士には気を付けてくださいね。平たく言えばその人は門外漢。(まぁ門外漢どころか何も得意じゃない可能性すらありますけど…)あと、自分が客商売をしているという自覚すらない人もいますからね><
実際私も偉くもなんともないと思っていますが、司法に携わっていた時(←新卒22歳)は「先生」と呼ばれて、接客しているはずなのに何故か相手のほうが粗相がないようにかしこまっているという感じでしたし…(ド田舎なのでお年寄り相手が多かったということもあるかもですが…)。社会に出たての新卒ぺーぺーでもそんな扱いを受けるので、自分は偉いと勘違いする人もいるでしょうね…。しかし実際は国家資格を持っているだけで、特別でもなんでもない、普通の人です。賢いかどうかすら微妙なのです。「勉強が得意」な人は多いけれども。
弁護士にこそ、セカンドオピニオンっていうものが必要な世の中になってきたなぁ、と思う、栁澤なのでした。
あ、最後に…リーガル・ハイの黛先生や羽生先生のような、本当に「正義」のためや、みんなの幸せのために活動している弁護士さんもまたドラマの中の住人です。弁護士だって、普通の人です。聖人君子でもないし、面倒ごとは避けたいし、楽して稼ぎたいものです。
なので相談に行く機会があるとしたらその辺も心にとどめておいてほしいと思います。弁護士先生の良心に期待するのは無意味である(ことが多い)ということ。あなたが本当に困ったことになって、「私には何の落ち度も非もないのに、私だけが泥をかぶらないといけないなんて世の中おかしくないですか?」と涙ながらに言ったとしても弁護士先生にはどうでもいいこと。「そうは言われてもなー、めんどくせー客来ちゃったなー」としか思ってない(可能性が高い)のです。
剣と天秤を持つ正義の女神の姿は、司法・裁判の公正さを表す象徴・シンボルとして、古来より裁判所や法律事務所など、司法関係機関に飾る彫刻や塑像、絵画の題材として扱われてきた(wikipediaより)のですが、実情は所詮人間の経済活動のひとつでしかないんです、司法に携わる職業だってね。正義がこちらにあったとしても、不利と見れば冷たく突き放すことだってあるのです。
うむ。こんな世の中なら滅びていいのに、などと思わず、賢く生きましょう!
Studio POPPOの変な記事担当です。武田信玄の軍配が欲しくて100円貯金しています。ゾンビが来たら軍配で殴るつもりです。(よくないゲームの影響を受けている)
ご返信ありがとうございます。
私は、弁護士の先生のツイッターからこのブログに辿り着きました。
linkis.comについては知りませんでした(上記のアカウントが感染していたみたいですね)。
私自身は特にツイッターをやっていないので加害者になることはないと思いますが、詳しく教えて下さりありがとうございました。
勘違いされては困るのですが、もちろん私も、件の弁護士の対応はクソだと思っています(私は弁護士ではありません)。
親身になって聞く、相談者に失礼なことは言わない、というのは当然だと思います。
上の私のコメントをお読み下されば分かると思いますが、その点は特に異論はないです。
ただ、記事に書かれている事(「この弁護士さんは、きっと違う分野の専門家かなにかだったんじゃないのかなー?」「門外漢」など)は失礼ですが全くの的外れではないかなと思います。
「借用書がないから返さないモン」ということを録音したとして、それが裁判で証拠として認められるかどうか分かりませんし、証拠として認められたとして、立証できるかは分かりません。
証拠に乏しければ、結局は当事者どうしの話し合いで終わる気がします。
結局、見通しとしてはその弁護士の言う通りではないでしょうか(言い方はかなり失礼な感じですが)。
過払いの件は、もともと、サラ金と戦い数々の判例を作ったのは弁護士なので、司法書士の仕事というのはやはり違うかなと思います。
「弁護士がもともとやらなかったから俺たちが市民のためにやってあげた」というのは、一部の司法書士や行政書士が弁護士の仕事(旨味が出た部分)を奪うときの常套句のように感じます。
実際は宇都宮健児弁護士のような方が昔からやっていたはずなのですが…。
毎日登記の申請をされていたということは、元司法書士の先生なのでしょうか?
ベテランは仕事があるとは思いますが、今は、独立した若手は仕事が無いみたいです。
仕事が無さすぎて、弁護士のように成年後見の横領をしたり、地裁の事件を受任したり(本人訴訟の形式にして傍聴席で指示を出す)、140万円以上の依頼を受ける(受益説を採用してそのまま受けたり、無理やり分割させて受ける等)など結構問題になったりしています。
恐らく、弁護士のようにニュースにならないだけで、司法書士も同じように厳しい状況でしょう。
ただ、合格者数は少ないので、就職はあるみたいですが(待遇は悪いみたいです)。
弁護士増員の中、生き残れる弁護士になるには「親身になって聞く」ことなどが必要ということですが、恐らく逆に、件の弁護士のように、利益にならない事件(今回のような事件)は取りつくしまもなく断り、利益率の高い事件(企業などの案件)ばかり引き受ける弁護士が生き残ることになると思います(このような弁護士は10万円の貸金回収の相談など、客とも思っていない可能性が大です)。
実際に、最近は法テラスとの契約をしていない弁護士の方が儲かっているようです。
私個人はこういう状況に疑問を持っています。
>ちなみにTVCMや電車内の広告で「過払い金の返還請求」っていうワードよく見ると思うんですけどこれは本来は司法書士がやる仕事で
>そんな仕事を司法書士からTVCMで奪わないとならないほど、弁護士は余っちゃってるんですね。
これは完全に逆ですねー。
もともとは、司法書士の方が本来の業務である登記で儲からなくなったので、弁護士の業務である過払い金の事件を奪ったのですよ。
そもそも司法書士は、過払い金の事件のような紛争解決をするには、別途試験に合格しなくてはいけませんし、合格したとしても簡易裁判所(地方裁判所のさらに下)の事件かつ、140万円以下のものしか扱えません…。
広告などでそのようなデメリットがきちんと目立つように書かれていないところを見ると、もうお察しでしょう。
>これは両者の合意があれば口約束であろうが契約は成立すると民法で定められているので
契約が成立していることとそれを立証できるかは別です。
立証できなければシラを切られると終わりです。
また、10万円程度の回収では、当事者同士の話し合いで解決しないと、弁護士(司法書士)を立てても費用倒れになります(弁護士や司法書士もボランティアではないので)。
記事で出てくる弁護士は、たしかに酷い対応ですが、言わんとしていることはまともだと思います。
その弁護士も、記事で書かれているようなことは十分分かってると思いますよ。
内容とは関係なくて申し訳ないんですが…クオリアさんはTwitterのリンクを勝手に変えるlinkis.com(リンクスドットコム)ってとこからここに辿り着かれましたか?それスパムアプリなので、連携させないほうがいいと思います。
この記事へのリンクを貼っている人が感染していて、その人の投稿のリンクを踏むと感染するという仕組みです。感染した人は知らないうちにどんどんスパムアプリをばら撒いてしまうのです。
ブログ主には、どこに貼られたリンクを踏んで来た人がどんだけいるーとか分かるので、「感染してる人がうちにリンク貼ってんなー」と思ってはいたんですけど、できることは特になかったから静観してました。この度、とうとうリンクスドットコムから来たっぽい方からコメいただけたので、この機会にちょっと注意喚起をと思いまして。
「リンクスドットコム 迷惑」でググってみて下さい。もし、よく意味が分からなかったとしても、今の状態を放置すると「スパムをばら撒く加害者になってしまう」ので対処頑張ってください。複数人、感染させられた方がツイッターからお見えになってますので、まず最初に申し上げました。
どなたのツイッターが感染源かは分かっていますがここでは伏せておきます。その人のリンクからここへ飛んだ人が一番よく分かっていると思いますし、うちとは無関係の一般の方なので。
ツイッターでリンク踏む時に限らず、インターネットを使う時はお気をつけて。被害者になるのはまだしも、加害者にはならぬようにしたいですよね(◎_◎;)
一応対処法の書かれたページを載せときます。
Twitterのリンクを勝手に変えるlinkis.comがスパムな件
んで、クオリアさんのおっしゃってることは分かってますのでご安心ください!
記事にも書いてますが弁護士さんは最低限の「答えるべきこと」には答えてましたよ。でも、最低限で良いんすか?っていうのがこの記事のテーマです。訴訟が可能か、採算がとれるか、訴訟以外の手段はあるか、「訴訟できない。しても採算取れない。他の方法はこんなんあるけど無駄じゃない?はいはいはいはいはい5000円!(パタヤビーチ)」って感じの人だったようで、まぁその対応でも口コミで素晴らしい弁護士って噂が広まるなら良いんだけど、弁護士さん余ってるし、相談者との接し方が上手い弁護士は減ってるんだろうなぁってことを言いたかっただけなんで(*’ω’*)
クオリアさんがその弁護士先生の隣りで援護してあげてたら違った印象を持たれてたかもしれないですね~、残念ですね!
過払い請求は弁護士が足りない時代には弁護士がやるような仕事じゃないって感じで認定司法書士がやってましたんで、記事のように書きました!
司法書士のほうが安いイメージがあるので、過払い請求のバブルの頃は相談者多かったですね。田舎だと○ディーレ法律事務所とかそんな風にCMやらないんだけど、過払いで困ってるような人は弁護士さんの方にはなかなか相談に行かないようで。最近は都会ではCMやっているから、過払い請求の相談料タダ!と謳う法律事務所も出てきて、弁護士さんに相談に行く人も出てきただろうなーと個人的に思っています(; ・`д・´)クオリアさんとは意見が違っててすみません!m(_ _)m
登記は減ってるイメージはなかったですね…田舎だからかなー?毎日毎日ひたすら相続(の不動産登記)の申請…高齢化してるんで…(;’∀’)都会に来てからは全然畑違いの仕事を始めてしまったので都会の登記事情は分かりませんが、都会は登記じゃ食べていけないんですかぁ…厳しい世の中ですね…:(´◦ω◦`):
あっ、後日談なんですが…件の弁護士先生から「相談時間内なのに、『友達からお金を返してもらうなんてしないほうが人間として良いんじゃないの?』という有難いお説教をいただいた」ため、そんな話を聞きたかったのではないと相談者の方がお怒りになり、結局謝罪してもらったとのことです。(金銭的にではなくて)
クオリアさん的にはこの先生は正しいとのことなのでモンペならぬモンクラ?に出会ってしまったって感じでしょうか>< 重ね重ね残念ですね!まあ最低限の法律的アドバイスの他に、「親身になって聞く」とかもうちょっとくらい何かあれば、相談者の逆鱗には触れなかったのでは…とはちょっと思いました(◎_◎;)この辺の差で、生き残れる弁護士になるかどうか決まってくるんでしょうねきっと(^ω^)
弁護士先生方のますますの発展をお祈りしてます*ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ✩ww‧₊˚…そしてネットリテラシーの発展も祈っています(;´Д`)