4Kテレビとは何者?時代は3Dから4Kへ…って本当にメリットあるんだよね?

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皆さんこんにちは。
新しい規格の家電にまったく興味が無い伊達あずさです。
今日は3Dの話の次ということで4Kのお話です。3DSから2DSとは違って、何だか数字(3 → 4)もアルファベット(D → K)もパワーアップしてますね。

最近テレビのCMなどで良く耳にするようになった4Kですが、3Dテレビの次が4Kテレビと言うことで、3Dよりもっと凄い何か(画像だけでなく音声まで立体的とか)なのかとつい考えてしまうのですが、全然違うものなんですよね。
3Dが3 dimensions(3次元)の略なのに対して、4Kは4kilo・・・1kmとか1kgとかのk(kilo)です。つまり4Kテレビとは4000テレビってことです。
3次元テレビはまだ名前の雰囲気から何を言いたいのかわかりますが、4000テレビってなによ!
実は4K(4000)ってテレビの解像度(画像の密度)のことなんです。

4Kテレビ以前の最高解像度は1920(横)×1080(縦)でした。いわゆるところのフルハイビジョン(フルHD)と言うやつですね。
その前はハイビジョン(HD)と呼ばれていて、この時の解像度は1280(横)×720(縦)だったわけです。(蛇足ですが、HDはHigh Definitionの略で、ハイビジョン(Hi-Vision)とは関係ないんですよね)
それに対して4Kテレビの解像度は3840(横)×2160(縦)です。この横の解像度である3840が約4000というところから4Kテレビと呼ばれているのです。4Kテレビと同じ手法でこれまでのテレビを表現するならば、フルHDのテレビは2Kテレビ、HDのテレビは1Kテレビとなりますね。

つまり4Kテレビというのは物凄く高解像度なテレビと言うことになります。3Dテレビの時のような新機能ではなく、単純に今までのテレビの高性能化なんですよね。
しかし・・・携帯やスマホに搭載されたカメラの時もそうですが、日本人ってやたらと画素数(解像度)をウリにしようとしますよね。
その甲斐?あってか、今では500万画素(解像度にすると2560×1920)が製品の最低ラインになってしまっているぐらいです。
でも、解像度って実は高ければ高いほど良いってわけでもないんですよね・・・
人間の眼が識別できる限界の300dpi(1インチ当たり300ドット(画素))を超える画面解像度って無駄になっちゃうんですよ。

例えば、500万画素のカメラで撮った写真をスマホ(6インチぐらい)の画面でそのまま見ると画面解像度が533dpiにもなってしまいます。(ほとんどのスマホではディスプレイの方がそんな高解像度に対応していないような気もしますが・・・)
まあ・・・スマホで撮った写真をパソコンのディスプレイを使ってフルスクリーンで見たい!(そんな一般人居るのかな?)となると、意味がなくもありませんが、iPad(10インチぐらい?)程度までなら、判別不能(300dpi以上)な高解像度が維持できちゃうんですよね。
よって、よっぽど写真を拡大して細部まで見たいとかいうわけでもない限りあまり意味がなさそう。

じゃ~4Kテレビも無駄なの?と言うと・・・最近のテレビの主流は40型(40インチ)ですから、4Kでも画面解像度は110dpi程度です。人間の眼の限界である300dpiより小さいから意味はありそうですね。むしろ40型で見るなら11Kテレビぐらいまでは意味がありそう!
・・・って思うじゃないですか?でもよく考えてみてください。人間の眼の限界ってことは視力とかを無視して、画面に張り付いて見た場合ってことですからね?普通はテレビ画面に張り付いて視聴しませんよね・・・

大手テレビメーカーでもあるSHARPさんは40型テレビの視聴距離の適正は1.5mと言っています。さらに、日本における5m視力表のランドルト環(アルファベットのCみたいなやつ)の隙間が視力1.0で1.5mmなので、視力1.0の人が適正視聴距離から見た場合は1.5 × 1.5 / 5 = 0.45mmまでの隙間を判別することができるということになるのです。これを画面解像度で言い換えると25.4(1インチ) / 0.45 ≒ 57dpiになります。
そうやって計算してみると、フルHD(2K)対応の40型テレビの画面解像度が58dpiなので、視力1.0以下の人は適正視聴距離で40型テレビを見た場合、従来品(フルHD)と4Kの差がまったく分からないことになっちゃうんですよね。
う~ん・・・よっぽど視力が良いか(視力2.0の人なら1.5m離れても約113dpiまで判別可能となり、40型4Kテレビの画面解像度110dpiが活きてくるかも)、めちゃくちゃ大きいテレビにでもしない限り4Kテレビのありがたみがなさそうですね。

とは言え、大は小を兼ねると言いますし、限定条件下でなければ差が良く分からないとしても高解像度で良いじゃない!
と、思うわけですが・・・当然、無駄な高解像度にはデメリットがあるんです。

まず、解像度が高くなるということはその分必要な電気も増えるってことなんです。う~ん、これってテレビはまだしも、スマホなんかでは結構致命的ですよね。(もれなくスマホがあっちっち~になるし・・・)
さらに、画像データのサイズも増えることになります。フルHDと比べて4Kのデータサイズは4倍になりますので、録画して見る人にとってはかなり気になりそうですね。(HEVCという新しい映像圧縮形式を使えばサイズを現行の1/4にできるらしいですが、フルHDにそれを適用すればフルHDの方はもっと小さくなっちゃうわけですしね・・・)
更に加えて4Kコンテンツが少ない!いくらテレビが4Kでも、元の映像が4Kに対応していないと意味がないのですよね。

今年より試験運用が始まった4KのBS衛星放送も2018年の正式運用時に方式が変わるそうで、現在販売されている4Kテレビには2018年の正式運用に対応する受信機能が搭載されていない(By 総務省)そうです。(外付けのチューナーが別途必要になるのかな?)
普段良く見る地上デジタル放送に至っては2011年に周波数帯域の整備をしたばかりです。今の方式のまま4Kに対応しようとすると、現状の4倍の電波の周波数帯域が必要になるわけで、それでなくても周波数帯域が不足しているわけですからさすがに無理でしょう。
では、新しい圧縮形式(HEVC)ならデータ量が1/4で済むんだから、今のままでいいじゃない~と考えそうなものですが、それには全放送局が設備を一新しなければなりません。地上デジタル放送に切り替える時ですら何兆ものお金がかかったのに、さすがに厳しいのでは・・・
結局まともに4Kを堪能できるのはインターネット配信の動画ぐらいなものなんですよね。でも、インターネット配信の動画を見るためだけにわざわざ今4Kテレビを買いますかねぇ・・・

衛星放送に関して(地上デジタル放送は少なくても2028年までは2Kのまま継続予定)、国は2020年(東京オリンピック)までに4Kどころか8Kの実用放送も計画しているみたいですが、そんな需要あるのかなぁ・・・8Kなんて視力2.0の人ですら適正視聴距離では判別不能なわけですし・・・
もちろん、研究開発という目的で、そういった技術を開発するのは今後の日本のために必要かもしれませんけど、何だか高い技術力を上手く価値に転換できない先進国のジレンマが浮き彫りになっているような気がしてなりませんね。(日本の場合、軍事目的の開発とは言えないから、一般使用が目的と表向きでは言っているだけなのかもしれませんが・・・)

技術大国日本を守るという思いを込めて皆さんも4Kテレビを買ってみますか?

4Kテレビとは何者?時代は3Dから4Kへ…って本当にメリットあるんだよね?_挿絵1

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