もったいないお化けの本当の能力:サンクコスト効果

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とても古い話で申し訳ないのですが、皆さんは「もったいないお化け」ってご存知でしょうか。
ACジャパンのCMに登場するお化け達のことで、食べ物を残すなどの「もったいない行為」をした人の枕元に現れて、怖がらせたり魂を取ってしまったりするのです。

しかしながら、心理学的に言うと、どうやら「もったいないお化け」の本当の能力はもったいない行為を咎める以外のところにありそうです。

例えば・・・デジカメを1万円で購入したとします。
しばらく使用するとデジカメが不幸にして故障してしまったため、4千円を払って修理したとします。
そのデジカメがまたしばらくして故障し、今度は修理費が7千円かかると告げられた場合、「後3千円足せば新しいものが購入できるなぁ・・・」と、誰もが一度は考えるはずです。
しかし、先に払ってしまっている4千円が無駄になってしまうと考え、新しいものの購入に踏み切れなかったりしませんか?
これぞ、もったいないお化けの本当の能力「サンクコスト効果」です。

これは先に支払ってしまった、決して取り返すことが出来ない支出を取り返そうとする心理効果によって論理的な判断が鈍ってしまっているのです。
恐らく、最初の修理費が7千円だった場合は、多くの人が3千円足して新しいデジカメを購入するのではないでしょうか。
でも、先の修理で払ってしまった4千円が「もったいなーい、もったいなーい」とお化けになって脅してくるせいで、新規での購入意志が妨げられ、7千円もかかる修理を行わされてしまっているのです。

もったいないお化けの本当の能力:サンクコスト効果挿絵1

これは、恋愛にも言えることです。
10年付き合った彼氏、結婚できると思っていたのですが、なかなか彼が結婚してくれません。
自分もそろそろ結婚適齢期、このままでは行き遅れてしまう・・・

10年も付き合っていて、結婚を切り出してくれない彼氏とこれ以上付き合っていても、他人からみれば結婚してくれそうになさそうに思えそうなものですが、当人は無意識に「今まで付き合ってきた10年を無駄にしたくない」と思ってしまっているため、何かと理由をつけてずるずると付き合い続けてしまう・・・
このように、お金以外でも時間という労力を多くかけてしまった場合は同様の効果が現れるのです。

この効果を利用すれば、狙った相手に沢山のお金と時間をかけさせることで、あなたから離れて行きづらくなるはずですよ!

・・・あまりよくない終わり方ですねこれは。
サンクコスト効果に惑わされず、投資も恋愛も冷静に損切りを心がけてくださいね!

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