全体の印象は僅かな部分だけで決まっている:ピーク・エンドの法則

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「終わり良ければ全て良し」「仕上げが肝心」など古来から物事は「終わり」が大切と説く言葉が存在します。
逆説的な意味で、「画竜点睛を欠く」「仏作って魂入れず」「仏作って眼を入れず」「仏作っても開眼せねば木の切れも同然 」「九仞の功を一簣に虧く」など、「終わりがダメな場合はすべてが無駄になる」という意味でも数多い言葉が現代まで残されています。
今日は、古来からこれほどまでに重要とされてきた「終わり方」に関するお話です。

皆さんは記憶力に自信がありますか?
例えば、何の意味もない数字の羅列を全て覚えようとした場合、最初のいくつかの数字と、最後の方の数字を覚えるのが精一杯で、真ん中辺りの数字などは殆ど覚えられていなかったりしませんか?

人の記憶と言うのは、時間が経てば経つほど曖昧なものになります。
よって、新しい記憶である最後の方の数字と、覚え始めで強く意識したため記憶に残った最初の数字だけを覚えることができ、真ん中辺りの数字は覚えることが難しくなっているのです。

人の印象もこれと同じような現象が起こっています。
「特に強く意識に残った出来事(ピーク)と、その思い出における最新の記憶である最後(エンド)」が曖昧になってしまった記憶の全体像を印象付けているのです。
これを「ピーク・エンドの法則」と言います。

これの法則を利用すれば、例え同じ内容でも相手の印象は大分変わるはず!

例えば、「良いニュース」と「悪いニュース」があったとします。
どちらも同様に「センセーショナルなニュース」だった場合、どちらから相手に伝えたほうが良いでしょうか?
ピーク・エンドの法則」に従うならば、最も印象に残したい出来事を後に伝えたほうが効果的です。

面接などで、自分の長所と短所をいう場合は、短所を先に伝えてから、長所を伝えたほうがより好印象になるでしょう。

このように、話す内容は同じでも、その話の順番を変えるだけで相手の印象は大きく変わります。
古来の人の言う通り「最後が肝心」ですから、気になる相手との「別れ際」には細心の注意を!

全体の印象は僅かな部分だけで決まっている:ピーク・エンドの法則_挿絵1

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