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皆さんこんにちは!
苦しみつつも毎週映画考察を書いてしまう伊達あずさです。
今回私が考察に挑んだ作品は・・・
「タイムシャッフル(Time Lapse)」です!
いつものように作品情報から。
タイムシャッフル
原題:Time Lapse
ジャンル:SFスリラー
製作国:アメリカ
公開年:2014年
監督:ブラッドリー・キング
概要:貸家の管理をしながら共同生活を送る男女3人が「未来を写す謎のカメラ」を見つけたことで始まるSFスリラー。未来を写し出すそのカメラを利用し、3人はそれぞれ自分の夢を叶え始める。しかし、カメラが写し出す想定外の未来によって3人の関係には徐々に亀裂が生じ始めていく。
懲りもせずまた「タイム」と名がつく映画を借りてしまいました。
個人的には時間が関係する作品に弱いものの、この所良作に恵まれていない私です。
どうせ今回も期待できないのでしょうね・・・と、思いつつも見つけてしまったからには借りずにはいられませんでした!
そんな軽い失意の中、鑑賞した「タイムシャッフル」に対する私のおすすめ度は・・・
おすすめ度(5段階):★★★
この映画は見るからに低予算で作られている作品です。
物語はほぼフィン、キャリー、ジャスパーの三人だけで進行します。
更に、話の殆どが三人が暮らす家で展開しているのです。
こういった映画というのは、よほどストーリーがしっかりしていないと観ていて飽きてくるのですが・・・
期待せずに観たことが功を奏したか、最後まで飽きること無く観ることが出来ました。
そういったことから「★★★」です!
映画考察は毎度長い文章になってしまうので、早々に「タイムシャッフル」の考察に移りましょう。
ここからはネタバレを含みますので、これから見る予定がある人は「タイムシャッフル」を見終えてからにしてくださいね!
<以下ネタバレを含みます>
登場人物
画家を志す真面目な青年:フィン
フィンの彼女:キャリー
ギャンブルにハマるちょいワル青年:ジャスパー
未来を写すカメラの開発者:ベゼリデス
借家の警備員:ジョー
悪の親玉:アイヴァン
考察・感想(ネタバレ含む)
スランプに陥っているフィン、ギャンブルにハマっていた(しかも当たらない)ジャスパー、フィンとの関係が進展しないことに不満を抱いていたキャリー。
それぞれが何かしら今に不満を抱いている3人が、偶然見つけた未来を写すカメラを使ってその不満を解消していくというストーリーです。
この映画に関しては最後まで観れば大体の真相が明らかになるので、あまり考察の必要なさそうなのですが、ところどころに納得が行かないシーンがあるのです。
今回はその問題のシーンを中心に考察を進めてみようと思います。
問題のシーン1
3人が始めて未来を写すカメラを見つけた時、壁に貼り付けられていた写真が歯抜けになっていた理由
キャリーはフィンとの関係が進展しないことに不満を懐きつづも、これまでフィンに隠れてジャスパーと浮気をしていたようです。
未来を写し続けていたカメラには、決定的な浮気現場も写されていたようです。
ベゼリデスさんの家で最初にカメラを発見したのはキャリーです。
自分にとって不都合が生じる写真はフィンとジャスパーを呼び寄せる前に処分してしまったのでしょう。
しかし・・・ちょっとだけこの行動には疑問が残されています。
最後にわかることですが、キャリーは未来の自分から午前の8時にメッセージをもらっていたのです。
その未来の自分からのメッセージを元にキャリーはフィンとジャスパーを操っていくのですが、自分が未来からのメッセージを受け取っていると知られないためにも、午前8時にも写真が出力されていることを2人に知られるわけにはいかないはずなのです。
壁に貼られた写真をみたフィンが「午前8時にも写真が撮られているみたいだ」と言ったのに対してキャリーは「ここ一週間は午後8時だけになっているみたい」と嘘を言っているので、この時点で午前の写真を隠そうという意図があったはずなのです。
(実際に1人でカメラを見つけた際、既に出力されていた午前の写真は2人には内緒で全て回収しているので)
まあ、実際この事で2人に午前にも未来の写真があるとバレなかったので結果オーライですけど・・・
私がキャリーだったら、午前の写真全部剥がしてますけどねぇ・・・
問題のシーン2
写真に写された未来を忠実に再現しなければ、ベゼリデスのように死んでしまうと3人が思い込んだ理由
この最初の段階で、このような結論に至るというのは物凄く不自然な気がします。
ですが、この結論を最初に提案したのは実はキャリーなのです。
未来のキャリーからそのように2人を誘導しろとメッセージが送られていたのならこの強引な結論にも納得がいくのですが、そのようなメッセージは送られていなかったようです。
もっと言えば、この時点でキャリーはカメラの恩恵を大して受けていません。
そんなキャリーが積極的にベゼリデスさんの死を隠す画策をするのは不自然極まりないです。
未来からのメッセージ(午前)にもっと具体的な記載があれば、キャリーが他の2人より積極的にカメラを守ろうとする動機もでてきそうなのですけどね。
もしかすると、キャリーに送られていたメッセージは作中で描写されていたものが全てではなかったのかもしれません。
キャリーが最初に1人でカメラを発見した際に見つけた午前の写真の中には、より詳細な指示が記載されたものがあったのかもしれませんね。
問題のシーン3
キャリー最後のメッセージ「窓際で見つかるな」
最初この意味がさっぱりわかりませんでした。
一見すると、窓際でジョーに見つかるなという意味にも取れますが、紙を張った後ジョーに見つかっている点からもそれはありえません。
とすると「窓際で見つかるな」とはどういう意味なのでしょうか。
末期のキャリーは過去の自分たちに現状についてメッセージを送ることで、現在を変えることが出来ると信じていました。
ということは、あの「窓際で見つかるな」というメッセージは、未来の自分が送ってきたメッセージの再現ではないと推測できます。
であれば、あれはこの現在を変えるためのオリジナルメッセージだったはず。
何を意味していたのでしょう?
考えつくのはアイヴァンに外から覗かれていたシーンです。
フィンとキャリーがアイヴァンに外から覗かれなければ、アイヴァンにカメラの存在に気づかれることはなく、あのような惨劇が起こらないとキャリーは考えたのでしょうか。
・・・う~ん。もしそうだとすると、あまりにも抽象的すぎますよね。
「アイヴァンがやって来る日までに皆で遠くに逃げろ」とか書いたほうが良かったはずです。
なんでわざわざ「窓際で見つかるな」などというざっくりした表現にしたのでしょう・・・理解に苦しみます。
最後に・・・
最初観た時には、辻褄が合わせてあって凄いと感じたのですが、観直してみると結構不可思議なシーンが多いですね。
時間を題材とする多くの映画では「未来を変える!」というテーマがよく描かれるのですが、この映画は「未来は決して変えることが出来ない」というちょっと変わったスタンスで描かれています。
あの未来を写すカメラは「未来の出来事を知ることが出来ることを踏まえた上の未来を写していた」というオチなわけですが、未来の自分が描いた絵を視て描くなど、ちょっと理解に苦しむ描写が多いですよね。
(未来の絵を観ることでしか生まれてこなかった絵なのに、結局、その未来の絵は誰が生み出したのやら・・・)
ストーリーのメイン部分がそれなりにしっかり解決されているように思えたせいで、すっかり騙されるところでした!
考察を書き始めるまでは「★★★★」にしようと思っていたのですが、改めて内容を吟味してみると、結構ストーリーに無理がありますね。
まあ、そういった点を踏まえて「★★★」としたいと思います。
素直な気持ちで「凄い!」と唸れるような「タイムなんちゃら」と何時か出会いたいものです。
以上です!
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
私も投稿者さんと同意見で
「窓際で見つかるな」はベッドに横になるも疑念を抱き様子を見にきたフィンに
撮影をしている姿を見られるなということだと思いますね。
まぁ最後に「窓際で見つかるな」の貼り紙が滑り落ちてしまっていますし
やはり未来は変わらなかったみたいですけど。。。
貼り紙の和訳はもう少し解りやすいよう意訳でも良かったように感じますね!
コメントありがとうございます!
まさか3年以上も前にみた映画の真相に今更たどり着くとは思っても見ませんでした・・・
ありがとうございました!
「窓際で見つかるな」は台所でフィンに(すり替えた写真を隠している光景を)見つかるな、というメッセージだと思いますよ。
それが見つかったが故に最後の口論、そして殺害へとつながるので、
「メッセージさえ書けばこんな口論もしなくて済む」と言ったのはそういう意味でしょう。
フィンにとってみれば、彼女が最後まで友人達を謀ろうとしているようにしか聞こえないため、最後の最後でとことん愛想を尽かしたのでしょう。
コメントありがとうございます!
コメントを頂いてふと気づいたのですが、「窓際で見つかるな」は台所ですり替えた写真を隠した後に行った昼間の撮影のことだったのかも!
あれなら完全に窓際ですし、あそこさえフィンに見られなければ、その後の致命的な結果には至らないと考えたのかもしれません。
それ以外の部分は全部おっしゃる通りだとおもいます。ありがとうございました!