レイルロード・タイガーを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。
自分に合った映画を見つけるのが下手な伊達あずさです。

そんなわけで今回紹介する映画は・・・
レイルロード・タイガー(Railroad Tigers)」です。

いつもの様に作品情報から。

レイルロード・タイガー
原題:Railroad Tigers
ジャンル:アクションコメディ
製作国:中国
公開年:2016年
監督:ディン・シェン

概要:荷運び屋の親分である主人公のマー率いるレイルロード・タイガースは列車を度々襲撃しては、日本軍の物資を盗むなどの行為を行うことで、中国で勢力を伸ばし続けていた日本軍に対する日頃の不満を発散しつつも、大したこともできずくすぶっていた。そんなマー逹はある日、日本軍から追われていた八路軍の負傷兵ダーグオと出会う。ダーグオは日本軍の物資輸送を妨害するために橋の爆破を任務としていた軍のメンバーだった。ダーグオの話を聞いたマー逹レイルロード・タイガースは八路軍が完遂できなかった橋の爆破任務を自分達の力で遂行する決意を固める・・・

実を言うと、私ってジャッキー・チェンさんの映画を結構沢山観ているのですよね。というのも、母がジャッキーチェンさんのファンで、酔拳2ぐらいまでのジャッキー映画は私も付き合って全部観ていたのです(といっても全部レンタルでですけど)。まあ、そこから先は、「も~いい加減ジャッキーはいい!!!」となってしまった私が観るのを拒んだため、ずいぶん長い間ジャッキーさんとはお目にかかってなかったのですが、最近、自分にあった映画を見つけられないという自分の選定眼に対する自信の無さも相まって、「ジャッキー映画なら安牌だろう!」みたいな逃げの理論に陥り、この作品を選ぶという事態に至ったわけです。

まあ、日本人である私としては日本人が悪役の作品というのはちょっと複雑な思いですが、国が違えば考え方や見え方も異なるのは当然です。まして、日本と中国は侵略した方とされた方なわけですから、まあその辺は致し方ない。そんなわけで、確かに微妙なストーリーではありますが、ジャッキー主演の映画ならきっと面白いはず!

そんな、「レイルロード・タイガー」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★

・・・あれ?攻めた結果の惨敗ならまだしも、守りに入った選定でこの結果ってどういうこと!?
ジャッキーさんも今や相当お歳をめされていますし、昔のような功夫アクションが出来ないのは致し方ないのですが、それにしてもこれは・・・
人が虐殺されるのにコメディ、アクションなのにスピード感が無い、ストーリーが単調なのに放映時間が長い(2時間)・・・何か全てがちぐはぐなのですよね。
確かに映像は派手ですし、凄くお金がかかっている感じはするのですが、結局観終った後に何1つ心に残らないという・・・前回ご紹介した「タイム・ループ 7回殺された男」の真逆に位置するパターンになってしまっているような気がしました。

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「レイルロード・タイガー」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

レイルロード・タイガースメンバー
主人公:マー・ユエン
荷運び:シャオフウ
列車整備士:ルイ
駅員:ダークイ
素人裁縫師:ダーハイ
雑用係:シンエル
食堂の店主:ファン・チュアン
泥棒:サンライズ

日本軍
憲兵司令官:由子
憲兵隊長:山口
通訳:坂本

その他
駅長:佐々木
副駅長:ホアン・イーフォン
煎餅売り:チン
占い師:フォン・バンシエン
八路軍兵士:ダーグオ

考察・感想(ネタバレ含む)

この作品のジャンルはコメディなので、真面目に考察するのも野暮というものです。
ですが、「★」という評価を付けてしまった責任を取って、どうしてそんな評価としたのか、理由を述べてみたいと思います。

へらへらしながら平気で人を殺す主人公達に違和感

この作品って、コメディ映画なのですよね。なので、随所随所にコメディ調の演出がちりばめられています。もちろんそれは、戦闘中でも変わりません。しかし、それがまた非常に気持ち悪いのです。
最後のオチを見る限り、実は負傷兵のダーグオ含め、中国側の人は誰1人として死んでいない(占い師のフォンは怪しいけど)みたいなんですよね。対して敵側の日本軍は8人足らずのほぼ素人集団レイルロード・タイガースに大量虐殺されています。しかもへらへらされながら・・・正直これではどっちが悪役なのかわかりません。

そもそも、どうしてこの映画をコメディにする必要があったのでしょうね。
日本人である私が言うのも変ですが、どうせなら日本軍を間抜けにするのは止めて、精強に描写し、絶対的に不利な状況を仲間を失いながらもなんとか切り抜けるようなストーリーだった方がまだ主人公達に共感できるような気がするのですが・・・
敵も間抜け、味方も間抜け(とはいえ、敵より100倍強いけど)のコメディなのに、主人公達の手による血しぶき飛び散る虐殺シーンが続くというのは違和感しかありません。多勢な敵に対して結構真っ向勝負しちゃいますからね・・・(主人公達の弾はめっぽう当たるのに、敵の弾は全く当たらない)
幾らコメディとはいえ、もう少し、小数が多数に対して戦う際のリアリティは出して欲しかったなと思うわけです。

長い放映時間の使い方に違和感

この作品のストーリーは、簡単に言ってしまえば、愛国心溢れる素人集団レイルロード・タイガースが日本軍に一泡吹かせるというお話です。
そう表現してしまえば、非常に分かり易い話のはずなのですが、実際に映画を見ていると、結局レイルロード・タイガースが何をしたかったのかさっぱりわからなくなってしまうんですよね。
レイルロード・タイガースの主目的である橋爆破も、壊したことで、日本軍にどういった損害を与える事ができるのか、何1つ分からないまま、結局、勢いだけで決意しますし、しかも、そこに自分達の命まで賭けてしまうのです。
挙句、常時へらへらしているし・・・折角時間があるんですから、もう少しレイルロード・タイガースに魅力を持たせることってできなかったのでしょうか。これでは主人公達がとにかく嫌がらせをしたいだけの頭のおかしな集団に見えてきてしまいます。
そもそも、この作品には非常に多くの名前のあるキャラクター達が登場します。
が・・・そんな数多くの登場人物達を個性付けるエピソードなどは何1つ用意されておらず、居ても居なくても良いようなキャラクターばかりになってしまっているんですよね。
特に乱戦が多い後半はその人数の多さが悪さをして誰が誰なのかまったくわからないし、手に汗を握りようもないんです。
ストーリーの本線は単純なのですから、もう少し、登場人物1人1人にスポットを当てて、レイルロード・タイガースのメンバーに魅力を持たせるようなストーリーにして欲しかったなぁ・・・

ジャッキー映画のアクションに違和感

まあ・・・これは私が勝手に期待しただけなのですが・・・ジャッキー映画といえば、スピード感あふれるアクションが見どころなのだとばかり思い込んでいました。でも、この映画にはそういったスピード感あふれるアクションシーンって全くないんですよね。
っていうか、あまりにも敵である日本軍が弱すぎるせいで、緊迫した戦闘シーンなんて生まれようもありませんし、一体どの辺にアクション性があったのでしょうか。
そもそも、肝心の列車・・・何か速度遅くない?蒸気機関車って狭小の国内ですら95km/hぐらいは出せたんですよね?中国のような広大な場所であれば、それこそ130km/hぐらい出しててもおかしくないでしょうに、何だかこの映画の列車って物凄く遅いんですよね。
まあもちろん、列車の速度さえ出ていればスピード感あふれるアクションとなったのかと言われれば、答えはNOですけども・・・
やっぱり、敵も味方も間抜けな設定ではスピーディーでかっこいいアクションなんて望めないのかもしれませんね。

結局この映画って何だったの?

前回は映画として何ら盛り上がりがないけど、何かしらのメッセージ性を感じる映画ということで「タイム・ループ 7回殺された男」をご紹介しましたが、この作品は、映画としてはある程度、映像に盛り上がりがあるのですが、結局観終ったあとに何も残らないという前回の逆を行く映画でした。
戦争をテーマにしているわりには、戦争について何か考えさせられようなシーンも殆どなく、頭をからっぽにしてコメディを楽しめるかと言われると、肝心のコメディもいまいち笑えない上(ひょっとして日本語訳が悪かったなんてこともあるのかも?)、虐殺シーンとの相性も最悪、じゃあ、爽快感なら得られたのかというと、まあ、日本が敵ですから日本人の私が観て爽快になるのは難しいかもしれませんが・・・でも、これって中国人の方が観たら爽快感得られるの?(中国では100億円を超える大ヒットって公式ページに書いてあるけど)
とりあえずご都合主義の被害0で敵だけばったばったと虐殺できれば気分爽快!とか、そんな安っぽいファンタジーで爽快感を得られるほど、現代人の目は安っぽくないと思うのですが・・・一体どういう姿勢で臨めばこの作品を楽しめたのか、私には疑問が残るばかりでした。

・・・と、思い出深かったはずのジャッキー映画なのに、何だか文句ばかりになってしまいました。
まあでも、私はジャッキーチェンさんが出てれば幸せ!っていう程ジャッキーさんのファンではありませんし、映画の内容自体が楽しめなければ不満を感じてしまうのですよね。
悲しいかな、レイルロード・タイガースのせいで、私の中のジャッキー映画に対するブランド力は地に落ちてしまったのでした・・・

でも、監督がジャッキーさんじゃないし、その辺も何か関係があるのかな・・・

以上です。

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2 thoughts on “レイルロード・タイガーを観た感想と評価:映画考察

  1. すすす

    ダーグオ死にましたよ!最後ダーハイの幻覚です。次のシーンで人変わってますよ。

    返信

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