野生の馬が絶滅しちゃった理由は「馬が好きだから」

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こんにちは、栁澤です。

人間と行動を共にするようになった狼がその後「犬」になり
人間に飼われるようになったイノシシがその後「豚」になり。
しかし、人間と関わる前の種族も残っているのが一般的ですが、例外な生き物がいます。
それは「馬」。

馬は何故か野生種が絶滅しているんですよねぇ。
何故と言われるとそれは人間のせい…とも言えるかもしれないけど、本人の趣味(?)によるところが大きいと言われています。

人間が家畜として飼っている「馬」は、元は「ターパン」という動物でした。
元々は食べるために飼っていたのですが、人間は気付きます!ターパンって乗りやすい!ということに。
馬は、四足で本気出して走っても背中がまっすぐという、動物の中では珍しい走り方をするため、全速力で走られても人間が乗っていられるので、乗り物という地位を獲得したようですね。
チーターや犬が走っているところを思い浮かべると、走っている時体を伸ばしたり縮めたりしていますよね。すると、背中や山なりになったり、平らになったりします。人間が乗ると、大変つらい思いをすると思われます(多分…)。
でも馬は走っても背中まっすぐなので鞍を付けられて、乗りやすいというわけですね。ぞうさんも全速力で走ってもあんまし「走ってる感」がないので鞍を付けられたりしますけど。

そういうわけで、食肉用・乗り物として人間に頼りにされるようになったターパンはいつしか「馬」という家畜になり、人間と関わらなかったターパンはそのままターパンとしてくらしていたのです。つい100年ほど前までは。

しかし、人間の活動範囲が広がってくると、「馬」がターパンの目に留まるようになります。

ターパンは思った。「馬って可愛い…」と…。

狼と犬の雑種がもはや狼とは言えないように、ターパンと馬の雑種も「ターパン!」とは言えません。
ターパンは、放牧されてる馬とかを見ては「ねえねえそこの美人。暇なら遊びに行かない?」などと(?)誘い、馬を牧場から連れ去ったり、逆に牧場に侵入するなどして美女(←馬の)と関係を持ちまくり、結果、ターパンと馬の交雑が進み、純血種のターパンがついにはいなくなってしまうという悲劇が起こったのです…。
んで「野生の馬」であるターパンはこの世から消えた…というわけですね。

ターパンから見たら、深窓の令嬢という感じの、馬のお嬢さん(お坊ちゃん?)は魅力的に見えたのかもしれない。
そして、文字通り野性味あふれるターパンは、温室育ちのお嬢さんお坊ちゃんから見るとかっこよく見えたのかもしれない…。

それにしても、家畜化される前の犬といえる狼がまだ健在で、
デカいのが出るとすぐ「おっことぬし」とか言われるイノシシもまだ健在、
バイソン等の野生の牛もまだいるのに、馬だけは全部野生から消えたのは何故なんでしょうねぇ。ちなみにシマウマはロバなので馬じゃないのです…。
あと阿蘇草千里で走ってるような馬も野生の馬ではありません。「日本の野生馬」とか呼ばれている、サラブレッドではない日本の在来種の馬も全て家畜に分類されます。
例えばサラブレッドが競馬界で使われなくなった遠い未来で、阿蘇で鞍もハミもつけず好き勝手にさせておいて「野生化」して勝手に繁殖しだしたとしても、それはどこまで行ってもサラブレッドでしかないのと同じ。日本にしかいない固有馬もみな家畜がその役割から解放されただけのことなので家畜。
犬がいくら野生化しても野犬やらディンゴどまりで、違う生物とされないのと同じようなもんですね。

しかしまあ「野生」の馬系動物は気性が荒いので(家畜ですら荒いのもいるくらいだし…)おいそれと近寄りたくないのも事実ではあります…。シマウマくらい模様が奇抜じゃない限り、別に普通の馬でいいやってなる気もしますな。

野生の馬が絶滅しちゃった理由は「馬が好きだから」_挿絵1

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