アリとキリギリス、キリギリスは遊んで正解だった件

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こんにちは!蘭丸です。

アリとキリギリスというお話を知っていますか?有名なイソップ童話です。日本では、中世に宣教師が伝えた「伊曽保物語」の中に原型の「アリとセミ」が伝わっています。なんでセミがキリギリスになってしまったのかというと、北欧地域では「セミ」がメジャーな生き物じゃなかったため、英語版「アリとセミ」は、「アリとキリギリス」になっていたからなのです。日本に改めてイソップ物語が伝わってきた時には「アリとキリギリス」になっており、「伊曽保物語」のことはすっかり忘れた。

アリとキリギリスっていうと、大体こんな感じですね。↓

夏、歌を歌っていたキリギリスは、働きづめのアリに対して「君たちも歌って少しは人生楽しもうZE」と言いますがアリは「今、蓄財しておかないと後々で困りますので」と断ります。
そして冬が来た時、キリギリスは食べるものがなくて「あ、アリさんがそういえばめっちゃ食べ物を貯めていたはず…」と思い出し、アリのところへ行きます。
「アリさん、ちょっとでいいから食べ物を分けてませんか?外には食べるものがなくて…( ;ω;)」
これに対してアリさんは「しかたないなあ、これからは歌ってるばかりじゃなくてちゃんと冬に備えてくださいね」といってキリギリスをアリ家に招いてあげます。
キリギリスは「ありがとう!」と感謝し、有事に備えることを学びました。おしまい。

……いやっ!ちょっと待つんだ!!
キリギリス(も、元ネタのセミも)、秋のうちに死ぬ生き物だから!短い期間で、少ないチャンスをものにしようと、歌っているんですよ!(キリギリスの鳴き声は「ギーギー、ギッチョン」)
そしてアリさんは絶対にキリギリスを食う気だ。。アリさんは生きているダンゴムシちゃんにも襲い掛かるやつなんですから…弱ってるキリギリスなんて余裕。

そんなわけでキリギリスは決して楽しいから歌っていたわけではない、「僕と子孫を残すパートナー募集中!」と必死に叫んでいただけで、冬を待たずに退場する予定だったのだから、冬に備えろっていうのは無駄なアドバイスなわけです。

一方アリさんに対するキリギリスのおせっかいなセリフ「少しは人生楽しもうや」というやつ、あれも働きアリさんには関係のないことです…働きアリさん(全員女子)は、女王ではないので生殖することがありませんから、異性を惹きつけるためにうんたらという概念がありません。働くことだけが生きる意味(本当の意味で)の生き物ですから、「人生を楽しめ」と言われてもピンとこなかったに違いない。「これだからオスは…」とか思われていたかもしれません。

という蘭丸の虫の生態ツッコミはともかくとして、実はこの話でキリギリスがアリさんに助けてもらえるようになったのは、社会保障制度を意識しだした近代から。

それまでの、原作のアリとキリギリスでは、

「アリさん、家に入れてください!」と頼むキリギリスに対し「お前遊んでただけじゃん。何でそれで食べ物にありつけると思ってるわけ?」と冷たく接するアリさん。キリギリスは「遊んでいたんじゃないです、歌っていた(子孫を残そうとしていた)んです!」と必死の弁明をします。それを聞いたアリさんは「フーン。夏中歌ってたんだから、冬は踊ればいいんじゃない?」と言って、家の扉を開けてくれることはありませんでした。おしまい。

ってなってます。

気温が下がるとキリギリスは足が動かなくなりますから踊れってのはものすごく無茶だ。セミに至っては気温が下がるまで生きていない(メジャーなセミの野生下の寿命は3週間くらい)。

そのような蘭丸の虫の生態ツッコミはともかく、ありんこがキリギリスを助けてあげない頃のイソップ物語での教訓はというと、「アリのように、蓄財にしか興味がないような奴は、例え目の前にいる者が餓死しそうであっても助けてあげないものだ。ケチなんだよ。ケチに気を付けよう」だそうです。

ケチがいわれのない暴言を吐かれているような気がしないでもないんですが、「自分さえ助かればいい」という精神はよくないということで、近代になってアリがキリギリスを助けるようになったわけですね。実際のアリさんはまだ生きている虫をせっせと顎で分解して運んじゃったり、堅実ってところ以外に目を向けると、自分さえよければいいやつに見えなくもない。自然の生き物なんだからそれでいいんだけど。

自然で生きている虫たちの行動に「楽しいからサボっている」「ケチだから貯め込んでいる」のような人間みたいな点は無いのですから、ここは大人しく人間で「ケチな金持ちと、売れない(?)バンドマン」とかにしておけばよかったのかもしれない。虫の配役について、ファーブル先生も「イソップは虫のことを何もわかってない」と憤慨したとかしないとか…。蘭丸かよ。

アリとキリギリス、アリは蓄財しかしていなくても悪くないし、キリギリスも夏中歌っていて悪くないのですが、人間は困っている人に手を差し伸べなければならないし、有事には備えなければいけないという話でした。

ではでは!ではでは!

アリとキリギリス、キリギリスは遊んで正解だった件_挿絵1

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