「小人閑居(間居)して不善を成す」の言いたかった真実!

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こんにちは!栁澤です。

小人閑居して不善を成す…という言葉をご存知でしょうか?この言葉の出典は中国の儒教の「四書」のひとつ、「大学」という本からで、本来「閑居」は「間居」と書くのですが、この「閑古鳥」の「閑」がいかにも暇そうでいい感じなので現在は大体こっちの字が抜擢されています。

私はこの言葉が好き!「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉と同じくらい好きです!なんだろ…どっちも、一般小市民をdisってる言葉だと思うんですけど…そして私はどうせ大概disられている側に属しているはずなんですけどねww

ええ、まあ、小人とは、「君子危うきに近寄らず」にも登場する(?)、「君子」の対義語で、「君子=賢い人」なので「小人=アホ」ってことですね。まぁアホとまではいかないけど、つまらない人物ってことなのです。で、閑居というのは字の通り暇を持て余すってことです…暇な状態で居るのが「閑居」。で、小人が閑居するとどうなるか、というと「不善を成す」らしいんです。「不善」とは、これも読んで字のごとく「善くないこと」。これをやっちまうらしいです。

つまり、つまらない人物は暇してるとろくなことしない。という意味の言葉になるのですね!でも、儒教の言葉ですから、事実だけを述べているわけじゃありません。「だから小人はこうしてろ」ていう意図があるはずですよね。というわけで「つまらない人物は忙しくしてろ!」ということ…?でも日本には「貧乏暇なし」という言葉がある通り、小人は大抵暇なしです。何で中国ではこんな言葉が生まれたのでしょうかね…、中国は貧乏人すらゆとりをもっていたということ???

いや絶対違う。きっとアホがたまたま暇を持て余した時孔子とか偉い人に向かってくだらねぇことを言ってしまって言い返されたに違いないぞ。

と思って調べてみると…なんと!!!意味が全然違うではありませんか!!!大事なのは、「閑居」のほうではなく「小人」と「不善」のほうだったんです!

日本では、小人が不善を成さないための防止策として、小人を暇にさせておくな!という対策を取ってきたわけですよね。アホを暇にさせとくとロクなことをしないもんだ=働かせろ!という感じに解釈したんですが…本当はモラルの話でしたこれ。

どういうことかっていうと…まず、今日本では「閑居」にされていますが正しくは「間居」の部分、この「間居」には、俗世を離れた状態、という意味があり、まぁ広義には「他に誰もいない状態」みたいなことも含むみたい。で、その間居時の君子と小人の行動の違いを見てみますと、君子は誰も見ていなくても、節度ある行動をしている。でも小人はっていうと、人の目がないとポイ捨てしたり、悪いことをする。という意味らしいのです!これはつまり、性悪説に通ずる話であって、労働の必要性を訴えている言葉ではなかったのです。

というわけなので、この言葉が訴えたいことは、「誰も見ていなくても節度ある行動をしろ、間抜けども」ということなのです。確かに…そうですねぇ、道徳の授業を受けていなかったら、人の目が無かったら心理的ブレーキのかからない人もいるかも。荒野にポツンとお財布が置いてあったとして…(どういう状態なんだってのは置いておいて…)、傍を通りかかった時、盗るやつは小人、交番に届ける人が君子ってわけですよね。これは、誰からも監視されていなくても悪いことをしない人間を量産するための言葉だったのですねえ。

ってことは何か日本人にはあまり関係ない話なのかも…。日本人のモラルの高さと言ったら、平均は楽にプチ君子レベル越えしていると思うのです。そしてそれが素敵なことだと私は思うのですよ!

人目が無かったら悪いことしちゃうやつは、つまらないやつということかぁ…確かにまぁ…どうせ悪事をするなら人目があってもやるくらいの度胸がないと、悪人としてすら小物ということになってしまうので…、うん。

「閑居」=暇になる ことは別にいいんですね。小人だってまったり過ごせば良いわけです。何人たりとも、たとえつまらない人物の暇であっても、奪って良いわけではない…、みなさまきちんと有休を消化しましょう!

ところでどうして「小人閑居して不善を成す」という言葉が好きかって、それは何か語呂がいいからです!着地が「夏だし有休をとろう」って話になってしまいましたが、別に夏だしとも書いてないけどまぁよし。

栁澤でした!

「小人閑居(間居)して不善を成す」の言いたかった真実!_挿絵1
常識的に考えて海に来てまで落とし穴を掘りたくないし気づかれずにこんなに掘れるわけないけど、休暇感+悪事を盛り込んだ挿絵上の演出なので良い子と良い大人は真似しないでください!(するわけない)

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