神様もリサイクルをする~ケツァルコアトルとミクトランテクートリ~

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鳥+蛇のせいで度々取り上げられる、古代南米の神様の話題です蘭丸です。

ケツァルコアトル4兄弟(長男テスカトリポカ・次男ウィツロポチトリ・三男ケツァルコアトル・末っ子シペ・トテック)の間で太陽を巡った攻防戦が行われているため、太陽の支配権が移動するたびに世界が作り直されてしまう話は前もさせていただいたと思います。

現在は第5の世界で、ケツァルコアトルの支配する世界。予定では2012年に滅びてたそうですが今のところ滅ぶ兆しはあまりないかな…という感じです。アディショナルタイムですかね。

何度も何度も太陽を壊しては作り直し、この世を滅ぼしては作り直している兄弟は、イチから作り直すのがもはや億劫になってきたの?みたいなエピソードがあります…。

第4の世界が滅んだ後に第5の世界を作ったのが、我らがケツァルコアトルなんですが、彼は「うーん…。面倒だから、前の人間のテンプレとか無いかなぁ…」と考えます。が、滅ぼしてしまったものだから、地上には何もありません。

そう地上には!!

でも地下には死者の国が広がっているというのは全世界ほぼ共通なこの地球。古代マヤ・アステカでもそれは例外ではありません。地下の世界を支配していたのは死の王国の統治者である「ミクトランテクートリ」。一見すごく覚えづらくて受験生殺しに見えますが(こんなものテストに出ないけど)、国の名前が「ミクトラン」で、そして、四兄弟の次男「南のハチドリ」ことウィツロポチトリさんと同じように最後に「トリ」がつく可愛い名前なので「テクー」だけ覚えたらそこそこ覚えるの完了してる、それがミクトランテクートリさん。

ミクトランテクートリさんの支配する死の国には、第四の世界の人間がまだ保存されていました。ミクトランテクートリは骨やら皮やらを集めるのが趣味だったのです。なので、人間の骨格標本(っぽいもの)もちゃんとあった模様。

太陽の支配者になったのに「また人間作るから、ミクトランテクートリさんとこいって骨取ってこい」とパシられてしまったケツァルコアトルは、謀略の限りを尽くしてなんとか骨を盗むことに成功。そうして、地上に骨が持ち帰られ、私達、第五の世界の人類が無事誕生したというわけなんです。

ノアの方舟とかちゃんと残しておく欧米の神様と違って、「あっ。骨も残さず全部滅ぼしてもうた」ってなるのが南米の神様のようです…。うっかりというか仕事がおおざっぱというか。すっきりさっぱりしたいのでしょう。

ちなみに、ミクトランに来ることができるのは、「戦死した者」「出産が原因で死んだ女性」「雷に打たれて死んだ者」「子供のうちに死んでしまったもの」以外!そうじゃない人は一体どこへ行ってしまうんだろう…!?(・_・;)戦死(勇敢に死んだ戦士?)、出産(命を生み出そうとして頑張った人?)、雷に打たれる(超レア体験をしている強運の持ち主)、「子供のうちに死んでしまった」(不憫)な…、生前頑張ったのに間違いで死んでしまったような感じの人には天国が用意されている…?ミクトランに来ちゃった場合はあんまり良い感じがしないですね。ミクトランテクートリさんの見た目も結構怖いですし。骸骨みたいな顔をしてて、目ん玉でできたネックレスをしています。原宿系かな。

ちなみにこんなに怖いミクトランテクートリさんですが、信仰はされていたようで、平和を願ってミクトランテクートリさんに対して生贄の皮をはいで捧げたりしたんだそうです。平和と程遠い気がしなくもないんだけど…(;´Д`)

蘭丸でした!

神様もリサイクルをする~ケツァルコアトルとミクトランテクートリ~_挿絵1

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