古今東西、七つの大罪

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おっとタイトルで韻を踏んだぞ、風流人・栁澤です。(偶然)

七つの大罪と言えば、キリスト教のカトリックのやつが有名ですね。ちなみに聖書には七つの大罪は出てこないのでプロテスタント系の学校だった私には縁はなかった言葉です。

七つの大罪の起源はそもそもはエジプトの修道士のイブグリウスって人の著書に書いてあったもので、「枢悪罪(eight evil thoughts)」…と日本語に訳されている悪事です。最初は8つでした。直訳すると「8つの邪悪な考え」ですね。「枢(かなめ)」って意味を入れたのは分かりやすくするためかな~。
「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憂鬱」、「憤怒」、「怠惰」、「虚飾」、「傲慢」なんですが、どれが無くなったか…いっこすぐ分かりますね。悪事としては見慣れな過ぎる。憂鬱さんです!憂鬱な顔してるだけで大罪ってのはちょっと日常生活に支障をきたします。有名なラノベ「涼宮ハルヒの憂鬱」も途端におかしな感じに。
というわけで、今広く知れ渡っている「七つの大罪」では、「憂鬱」に関しては言及されていません。憂鬱の何がいけないのかと言うと、憂鬱で何も手につかない→仕事が出来ない という方程式が成り立つからで、それだと「怠惰」と被る。
また、「虚飾」は見栄を張るということで、どうして見栄を張りたいのかと言うとまぁ「ここは俺にいいかっこさせろよ!」とか少年漫画ではあるある展開ですが、カトリック的に言うと「つまり威張りたいんでしょ?」というわけで虚飾も傲慢と被る。この二つは合体させて、あと一つ「嫉妬」を新顔として加え、現在一番有名な「七つの大罪」の完成となりました。

しかし2008年、およそ10年前ですが、ローマ教皇庁は、新しく七つの大罪を定義しました。ええっっっ!?その気になる内容はド直球。
「遺伝子改造」、「人体実験」、「環境汚染」、「社会的不公正」、「貧困」、「過度な裕福さ」、「麻薬中毒」だそうです。現代版だから分かりやすいけど応用が利かないものが多いよーな。あと個人の信心でどうにかできるものですらないような(´・ω・`)何故これにした…。「過度な」ってのが定量的じゃないので、どの程度からアウトなのか分からない。しかし世界の富豪ランキングに載ってしまうようなら、絶対アウトでしょう。カトリック信者の富豪さんはランキング集計前は資産減らしチキンレースみたいなことをしないといけなくなってしまうなぁ。
正直この新・七つの大罪はあんまし知れ渡っていませんよね…。みんな小耳にはさむ程度のことはあったかもしれないけど。改めて言われなくてもなっていうものもあります。が、聞き捨てならないのが一個混ざってますな…。「貧困」が罪って。踏んだり蹴ったり感満載なんですけど。貧困に陥るやつが悪い、もっと働け!と言う事でしょうか。同情するなら金をくれ案件ですねこれは…。もしくは職を。貧困に陥らせた奴が罪なら名前を「搾取」とかにしたほうが良かったんじゃあ…。んで過度な裕福もダメってことは、んー。マルクスさんが喜びそうだぞー。ビル・ゲイツさんとか大罪人になっちゃうのでしょうかね…。大昔、「魔法」が異端とされて魔女狩りがあったように、現代で「魔法」といえば「お金」と言えるかもしれない。魔法で出来ることもあれば出来ないこともある。でも使えたら便利。お金も、出来ることと出来ないことはあるけど、まあけっこう万能だし、あったら便利。お金は魔法の紙きれですな。魔法とお金にはこんな共通点が!大金持ちは大魔法使いと言い換えることが出来るかもしれない!だからダメということだったりしてー。お金持ってて何が悪いのかはさっぱり分かんないけどね!まあこの新・七つの大罪は誰も気にしていないのでおk。

実はキリスト教以外にも七つの大罪はあります。なんと本題はココからでした(*’ω’*)
ギリシャ神話に出てくる「刑罰の神」ネメシスが定めているんですよ~、刑罰の神だなんて私のドストライクじゃないですか。ついでに「マナーの神」とか「迷惑行為禁止の神」がいたら崇め奉りたい。
さて「ギリシャ版七つの大罪」はどんなセレクトなんでしょうか?!といっても別に「大罪」とは言っていなくて、「ネメシス的に許せない人間の特徴」です。でもネメシスは刑罰の神なのでネメシスに嫌われたらそれは罪になりますから結局罪です。難しい。

ではひとつずつ見てみましょう!(順不同)

まず「高慢」。これはカトリックの「傲慢」と同じ感じですね。威張りくさるなよってことですね。高慢ちきな人を好きな人はあまりいません。ツンデレキャラは緩慢に絶滅の一途を辿っているのに加え、リアルツンデレは可愛くないという説も提唱されていますので、「高慢」をフォローすることはできそうにありません。高慢はよくない!

次に「癇癪」。癇癪(かんしゃく)とは、ちょっとしたことにも怒りやすい性質のことを言います。短気で、すぐカッとなる人は嫌いとネメシスは思っているのですね。確かにそんな地雷原みたいな人の地雷をよけて歩くの面倒くさいし、距離を置きたいですね。癇癪もよくない!ちなみにこれに相当するカトリックの大罪はありませんね。同じ「怒る」でも「憤怒」の意味は「激しく怒ること」です。度を越して怒るなってことですね。こっちはキッカケについてを、向こうは度合いを問題にしているみたいです。

次「嫉妬」…ん、これは丸かぶりしていますね。他人に嫉妬する人は、大抵はその嫉妬する対象を害そうとしてしまいがちですから、嫉妬しないのがいいに決まっていますよねぇ。うん。ネメシスは他人に嫉妬する人は嫌いなんですね。

次に「暴食」。あれ、これも同じですね。意味はもちろん「食べ過ぎること」です。食べ過ぎると太る。太ると(対・一部の愛好家を除いて)見た目がよろしくなくなってしまうことが多い。しかも健康にも悪い。腹八分目は医者いらずといいますので、食べ過ぎるとよくないのは医学的観点、美的観点から言って確かだと思いますよね!そしてネメシスはスレンダー、細マッチョが好きなんですね!多分ですけど!!(ネメシスは女神様)

次「驕奢」…これは消えてしまった枢悪罪のうちのひとつ「虚飾」とほぼ同じですね。虚しく飾るということは、内情が伴ってないということですから、こんなことしていたら身を滅ぼしますよというわけで、悪いこととされてるんでしょうね。たまの贅沢くらいはいいと思うけど。驕奢ってくらいだからもう、驕りたかぶって、ばら撒く!みたいなやつのことでしょう、うん。そりゃダメです。ネメシスはそんな見栄っ張りは嫌いなようです。

そして次は「怠惰」です。んーこれもカトリックの七つの大罪と同じですね。怠けたがる人は大抵楽して稼げる悪いことを考えるため…のようです。日本人が勘違いしている方の意味の「小人閑居して不善を成す(つまらない人間は暇を持て余すと悪いことを考える)」に通じるところがあるかもしれません。ちなみに「小人閑居して不善を成す」の本来の意味は、「誰も見ていないところでも立派な人は節度ある行動をしている」と言う意味で、つまらない人物はとにかく働けって言う意味ではないので安心してください、もう全然休んでください。しかし、労働しないもの休むべからずというわけですね。盛大に矛盾しているわけではありません、働かない場合であっても、悪事を考えないように体を動かすなり、旅行するなり、何かしてたほうが良いねって私が勝手に思っただけです!

トリは「吝嗇(りんしょく)」です。これは平たく言えば「けちんぼ」ですね。身を滅ぼすような贅沢はだめだけど、極度に物やお金を惜しむのもだめだってことみたいです。しかしこれは確かに歴史が証明していること。徳川家康や、黒田官兵衛、前田利家など、有能武将はケチ(倹約上手)でした。しかし、兵士・軍備のために使うお金は惜しまなかったのです!普段の生活は倹約につぐ倹約をしていても、使いどころをきちんとおさえているのが大事なんです~~!でもみんなが大好きな信長は結構パリピで派手好きでしたけどね…秀吉もね。でも、最後に幕府を開いたのは倹約大好きだった家康なのです、結果が全てとするならば、家康is正義。ケチでも使うところには使う人こそが正義、ってことになりますね。ネメシス的には、お金にうるさすぎる人間ってやだなってことなんでしょうか。まあ普通は多少のけちは「節約家なんだな~偉いな~」で済むけど、それ度を超すと「浅ましい」と表現されるようなことになったり、自分のものを惜しむあまりに他人のものに手を出したりしてしまいそうなので、よくない性質であることは確かかもしれませんね。

というわけで…ギリシャ版七つの大罪(別名:ネメシス的ダメ人間テスト)はこんな感じでした!ケチが大罪だったとはね…。金銭に関する罪は多いですねぇ。持ちすぎてもダメ(過度な裕福、強欲)、失いすぎてもダメ(貧困、虚飾、驕奢)失うのを嫌がってもダメ(吝嗇)。総資産を大罪に触れないレベルに保つのは意外と難しいかもしれない。持ち過ぎで怒られることはなくても、「やばい!このままだと『貧困』に抵触する!めっちゃ節約しないと!あ、今度は『吝嗇』に抵触する…!」みたいな感じになるかもしれないよ…。どうしたらいいんだ…。

と無意味に頭を悩ませる浄土真宗の蘭丸でした!ではまた!

古今東西、七つの大罪_挿絵1

  1. 仕事を嫌がってゴネる
  2. おやつを食べてばかりいる
  3. 仕事中に寝る
  4. 仕事中に遊ぶ
  5. 仕事中に歌いだす
  6. 奇行をする
  7. サイレンススズカ系統を確立させることを人に強要する
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