自分を嫌っている人に「実は好きだった」と錯覚させるの巻:応用心理学

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こんにちは、栁澤です。

自分を嫌っている人…いないに越したことはないですよねぇ。だけど、万人に好かれるというのも不自然な状態であるのは確か。じゃあ、すごい身近に自分を嫌っている人がいない…というくらいなら望んでもよいかも。そいつをバッサリ切り捨てられるのならそれでもいいんだけど、そうもいかないのが世の中ですよねぇ~。

というわけで、今日は、「心理的不協和」ってものを利用して、自分のことを嫌ってる人を懐柔しようという話です!

「心理的不協和」っていうのは、平たく言えば「心の中がなんかしっくりこねぇな」という状態です。どんな時に起こるかというと、自分の気持ちとちぐはぐな行動を取ってしまった時などに起こります。

自分の心とちぐはぐな行動。これを利用して相手に「実はこの人のことを嫌いだなんてとんでもない、好きだったんだ!」と思わせたいわけなのです。例えば…嫌いな人のお願い事を聞いてしまった、などです。本当は嫌いだからお願いなんて聞いてあげたくないんだけど、聞いてあげてしまった、という時に「心理的不協和」が起こります。「嫌いな奴のお願いを親切にも聞いてあげてしまった…何故だ…しっくりこない…」と、人はもやっとします。しっくりこないのが気持ち悪いので、なんとか納得しようと、「うん、実はそいつのことは嫌いじゃなかった。嫌いじゃないんだからお願いを聞いてあげるのは普通のこと」と思いたくなってしまうのです。「自分はちぐはぐな行動などしていない」と思いたいがために、前提(←こいつのことが嫌い)を変えてしまうというわけなんです!

丁寧にお願いされると、嫌いな人が相手でも「あ、う、うん」と引き受けてしまいますよね。相手が敵意満々じゃない場合は、こっちも敵意むき出しで対応するのはなかなかの勇気が要ります。なので、「なんだか嫌われているなぁ」という相手には、丁寧に何かお願い事をしてみるとよいと思われます。お願い事は、相談事でもなんでもOK。とにかく相手に助けを求めているような状況ならば成立します。

この方法を使って相手を懐柔したことで有名な話があります。ベンジャミン・フランクリンという政治家のお話です。フランクリンは、アメリカの独立に貢献した政治家で、100ドル紙幣に肖像画使われています。日本で言ったら諭吉みたいなもんですね!諭吉は政治家じゃないけど。

フランクリンが地方の議員時代、ものすごく嫌ってくる議員が一人いたそうです。その人のせいで、ことがうまく運ばず困っていたフランクリンは、その人の所有している珍しい本を貸してほしい、とお願いしました。その議員はお願いを聞いてくれて、本を貸してくれたので、フランクリンは丁寧にお礼と、本の感想を伝えたところ、急に敵意を引っ込めてくれて、さらには好意まで抱いてくれるようになったんだそうです。その人はフランクリンの生涯の友になったそうです。
この議員さんは「フランクリンがめっちゃこっちに感謝してる。私はそんなすごい親切を相手に対してしたんだなぁ…」と思ったことでしょう。となると、「自分は相手が嫌い!」という感情とその感想が相容れないことになります。「相手のことが嫌い」という感情と、「感謝されて嬉しい」という感情なら、「嬉しい」ほうが心地よいので、最終的に、「相手のことが嫌い」の方をなかったことにするのは合理的というわけなんですね!それに、自分で自分の主観は変えられるけど、もう行ってしまったことについては変えることができないので、行動の整合性を保つには「嫌い→好き」にするしかないわけです。

ただし勿論これは「理由もないのに何故か嫌い」みたいな理不尽な場合で、あなたが相手にやなことをしていた場合はこの程度では評価を変えてくれないのですが。「よく分からないけど嫌われちゃってるなぁ」と思う人がいる場合は、勇気を出して、お願い事や相談事をしてみてはどうでしょう。うまくいったらラッキーですよ!

栁澤でした~。

自分を嫌っている人に「実は好きだった」と錯覚させるの巻:応用心理学_挿絵1
「いいから直せってんだコラアア!!」と怒られるだけのこと…

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