続・シーフ稼業:Baldur’s Gate#114

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前回からの続きです!

皆さんこんにちは。
シーフギルドなどという非合法な団体に協力したせいで、絵に描いたような酷い目に遭わされてしまった伊達あずさです。
まさか無報酬で非合法な仕事をさせられた挙句、報復すらままならなくなるような変な雰囲気にされてしまうとは・・・やっぱりああいった反社会的な団体とは距離を置くべきでした。多少強くなったからって調子に乗ってましたね。

続・シーフ稼業:Baldur's Gate#114_挿絵1
シーフやローグからはきっぱり足を洗い、健全なお仕事を捜すべく、ここエルフソングへやってきた次第です。
ここには名のある人が何人かいるみたいですし、例えお仕事が無かったとしても、何かしらのお話は聞けることでしょう。

続・シーフ稼業:Baldur's Gate#114_挿絵2
ではまず手始めに、あそこに見えるフサムさんに・・・って、フサムさん!?
フサムさんってシーフギルドで私達にアイアンスロウンへの恨み辛みを愚痴ってきた人じゃないですか。シーフギルドとは距離を置こうと決めた矢先に・・・でもまあ確かに以前別れた時、エルフソングにいるって言ってましたっけね。

フサム「やあ、君達。また会えたな。元気だったか?アイアンスロウンの事をもっと知りたいんだろう」

まだ知っている情報があるのですね。思っていたよりも下っ端じゃなかったのかな。

あずさ「ああ、全部聞かせてちょうだい」

フサム「やつらの本部へ行くべきだな。本当に凄い計画があるらしいぞ」

そ、それだけ!?

続・シーフ稼業:Baldur's Gate#114_挿絵3
気を取り直して次!次はこのブレヴリックさんという方です。
む・・・何かこの方も既に若干怪しいな・・・

ブレヴリック「やあ!シーッ!シッ・・・あの・・・いや・・・こんちは。ちょっと・・・時間ありますか?これってとっても興奮しますよね!いや、待て・・・そうでもないか、あなたはもう慣れてるみたいですね」

ず、随分と距離感が微妙な人ですね。

ブレヴリック「ああそうだ、あの・・・えっと・・・どう言えばいいのかな?あなたは・・・雇えますか?と言うか、あの・・・仕事があるんだけど。わかるかな・・・シ・ゴ・トですよ。これは内密に、分かっていると思いますが」

何かもう既に怪しさ大爆発ですね。

あずさ「わかるように話してみて下さい」

まあ、一応は聞いてみるけど・・・

ブレヴリック「あなたの腕を是非この・・・特殊な仕事に活かしたい、いや、といっても別にヤバいことじゃないんだけど。まあ、少しはヤバいかも・・・でもまあ・・・法には多分触れないですから」

多分とかいってる時点で、法の理解や解釈に怪しい可能性が大なのです。

あずさ「違法なんでしょう?そんな危ない橋を渡る価値はあるのかしら?」

ブレヴリック「率直に真面目に話そう!君はとても盗みが上手そうだ。たった一つ取り返してくるだけで、500ゴールド!殺しもなーし。盗むのは一つ。バードの歌で歌われているように素早くたのむな!」

明らかに法に触れてるじゃん・・・その部分をごまかした状態で依頼する事なんてどう考えても無理なんだから、最初からそうやって素直に話していればいいのに。

あずさ「もうセールストークはやめて。興味はあるわ。実際にどうすればいいのか、それと、なぜそこまでして手に入れたいのかを教えて」

500ゴールドなんてはした金には全く興味ないのですけど、まあ、一応、話ぐらいは聞いてあげないこともないです。

ブレヴリック「それはものすごいものなんだ!その驚くべき小さなおもちゃは遠くランタンからの品だ。名前は・・・そう、テル・ア・スコープ。あんな巧妙に作られた品には相応しくない名前だ。ゴールデン・エキストラ・ファーシーアーなんてのがいいだろう。トラックレス海岸のこっち側じゃまたとない貴重な一品なんだ!ほとんどのノームがものに対して執着心を抱くが、私は宝石なんかには興味はない。金属の感触とか機械のあの複雑さの方がいいんだ。テル・ア・スコープの構造全てを理解できるわけじゃないんだけど。テル・ア・スコープは倉庫にしまっておくようなものじゃない。愛好家の手の中で大切に使われるべきなんだ。特に自分のような奴にね。そいつは、ホールオブワンダーズで展示されていて、その前は誰かから買ったんだろう。知っていると思うが、ホールオブワンダーズはテンプルオブゴンド、ハイハウスの支配下にある。ゴンド神は芸術と発明を司り、崇拝者は機械装置を崇めている。オリジナルはどんなに金を出しても買うことはできない。もし発明品が鍵をかけてしまわれていたら、愛好家がその微妙な造りを楽しめないじゃないか。テレなんとかは祭られるために発明されたのではない。使うためだ!本当に使い道を知っている者が所有するべきだ!私ほどふさわしい者はいないんだよ!そりゃレプリカを買うかもしれない。でも、偽ダイヤなんて嫌だろう?本物とは違うんだよな」

急に恐ろしいほど饒舌になりましたね。確かノームは話が長いという噂をどこかで聞いたような・・・
で、私思うんだけどさ・・・その報酬として用意した500ゴールドでそのテレなんとかっていう物を合法的に購入すれば?
もし、そのテレなんとかが500ゴールドでは買えないぐらいの価値ある品物なのだとしたら、私達がそれを上手く盗めたとして、あなたにその額の報酬で素直に引き渡すと思っているの?
だって、盗みの計画からなにから全てこちら任せなんでしょ?だったら、ブレヴリックさんの依頼を引き受けてから盗むメリットなんて皆無なんですよ。断ってから単独で盗んだ方がどう考えてもいいよね?

あずさ「500ゴールドか?悪くないけど、もっと出せるでしょ」

ブレヴリック「危険な仕事なのはわかっている。報酬を少し増やすよ。私のマジカルアイテムコレクションからアイテムを一つやるよ。宝を手放すのは辛いけど、それだけの価値はある。それでどうだ?」

ほぅ・・・もっと渋るかと思ったのですが、意外に素直なのですね。

あずさ「確かに難しい仕事ね、空っぽのおしゃべり君。だが、引き受けるわ」

めっちゃ感じ悪い返事になっちゃったけど・・・その素直さに免じて引き受けてあげましょう。
報酬となるマジックアイテムの詳細について触れてこないところにかなり嫌な予感はあるけど・・・まあいいでしょう。でも結局、健全な仕事じゃなくなっちゃったな。

ブレヴリック「素晴らしい!あぁ、俺はなんて奴なんだ!ごほん、じゃあ、準備をしてもらうとするか。ホールに入れるかどうか、試してみよう。あなた達のような経験豊富な奴はきっと現場を下見に行って、守衛の行動とかも徹底的に調べるんだろう?いやあ、私も一緒に行けなくて残念だ。伝説の歌みたくスリルがあるな!盗みが終わったらここで落ち合おう。ヒッヒッヒ、あぁなんて楽しいんだ」

良くわからないけど、めっちゃテンション上がってますね。
ま~そのテレなんとかとかいう物品が私達にとって有益な効果を発揮するような物じゃないなら、素直に引き渡してあげますよ。

続・シーフ稼業:Baldur's Gate#114_挿絵4
ブレヴリックさんの仕事には特に期限が定められていない様なので、とりあえず後回しにして2階へ。
ここにも名のある人が居ますね。

シーデマック「何か用かな?用事が無ければ直ちに出て行ってくれ。邪魔だ」

あずさ「邪魔して悪い、「友達」よ。もう行くよ」

残念ながらこの方とはとてもそっけないやり取りだけでした。

続・シーフ稼業:Baldur's Gate#114_挿絵5
じゃ~こっちの人ならどうだ!

アリース「こんばんは。私はアリース、ここのオーナーです。エルフソングでゆっくりと楽しんでください。お客には気を付けた方がいいですよ。最近皆気が立っているので」

あずさ「なぜここは、こんなにもの悲しい雰囲気が漂っているの?コーストでは皆、苦しみを抱えているのは同じじゃなくて?」

自分で言っておいてなんですが、特に物悲しい雰囲気など感じたことはなかったんですけど・・・

アリース「レディーが居なくなってしまったのです。まあそれは海で恋人をなくしたエルフ女性の亡霊の悲しみの声なんですが。この不思議な亡霊の声のおかげで時に恵みを得ます。とても美しい声で。それでここに私も居ることにしたのです。でももうここ数十日ばかり声を聞いていません。きっと何か不幸の前兆でしょう。最近の経済の影響が死者に及ぶとは思いませんし、私の考えが現実を踏まえているかどうかは分かりませんが、きっと何かの理由があるはずです。まあ、今の話は忘れてください。楽しい滞在を」

つまりなんですか・・・ここはお化けを売りにした宿屋兼酒場というわけですか。確かにイギリスでは日本と違ってお化けが家賃アップの材料になることもあるらしいですし、国民性次第ではそういうのもアリですね。
とりあえずこれでエルフソングにいる名のある人とは全員交流できたかな。結局、非合法な仕事しかなかったけど・・・まあ、仕方ありませんね。次回に続きます。

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