ワーウルフとライカンスロープ:Baldur’s Gate#200

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前回からの続きです!

皆さんこんにちは。
今日は日本語を日本語に翻訳することから始めようと思っている伊達あずさです。

このBaldur’s Gateは日本語版ですから、この世界に登場する人達も全て日本語で話しているはずなのですけど、どういうわけか、驚くほど言っている意味が分からない(ことが多い)のです。

その多くはその訳文のおかしさに起因しているのですけど、今回は訳文のせいというよりも、原文自体に問題がありそうです。
まぁ、メンダスさんの片言が演出だった件もあるし、ドラディールさんが話し下手という設定になっている可能性も否定はできませんけどね。
というわけで、今日はドラディールさんの話を再考するところから始めましょう。

まず、ドラディールさんの話によれば、バルダランさんご一行はこの島に立ち寄る前、アンコロームという名前の国で壮絶な戦いを繰り広げたみたいです。
「アンコロームの王にかけた身代金をもぎ取った」という言葉の意味はいまいちよくわかりませんけど、続く言葉が「呪われた王の亡霊にいまだ悩まされている」でしたたので、おそらくバルダランさんはアンコロームの王様を救出したわけではなく殺害したのでしょう。となると、身代金ではなく懸賞金だったのかもしれませんね。
そして、この戦いの帰りにバルダランさん一行は不足しはじめていた水を補給するため、この島に立ち寄ったみたいです。

しかし、島での補給中にドラディールさんはシェイプシフターの襲撃にあい、補給メンバーはドラディールさんを残して全滅。バルダランさんを含む居残り組の生死も良くわからなくなってしまったみたいです。
ちなみにここで登場するシェイプシフターは、文脈から察するにドッペルゲンガーのことではなく、ライカンスロープを指しているみたいです。
う~ん、カタカナに訳されると固有名詞だと勘違いしちゃうのですよね。せめて、”姿を変える者”みたいに訳すなどして、もっと代名詞っぽさをアピールしてほしかったな。

でもって、問題はこのライカンスロープという部分なのです。
ワーウルフもライカンスロープも日本語ではどちらも狼男(狼女?)です。しかしながら、この世界にはワーウルフとライカンスロープの両方の言葉が登場するわけですから、その意味は僅かなりとも異なっているはず。
D&D(AD&D)の世界ではどうなっているのか分かりませんけど、ワーウルフが広義で半人半狼の生物を意味するのに対し、ライカンスロープと言われた場合は、他の感染者から病原体をうつされてこの病気(獣化病)にかかった人、あるいは先天的にこの病原体を保有していた人を指す場合があるのです。要するに、ライカンスロープは獣化病感染者であり、ワーウルフの一種といった感じになるでしょうか。
まぁ、定義の部分は大した問題じゃないんです。大事なのはこれが病気の一種で、他の正常な人にも感染しちゃうという部分なのです。

ドラディールさんがいう「アンコロームの王の呪い」というのは、この獣化病を意味していたのかもしれませんね。
そして、アンコロームでの戦いで生き残った船員の一部が獣化病に感染しており、それが島での補給中に発症して襲い掛かってきた・・・と、そう彼の身に起こった悲劇を理解することができます。
となると、この島にいるワーウルフ(ライカンスロープ)達もバルダランさんの船に乗っていた船員達ということになりますね。

それにしても、バルダランさんはどうなったのでしょうね。ドラディールさんの話の中にも彼の生死を暗示するようなものはありませんでした。
バルダランさんも獣化病を発症して、カロウグ(ライカンスロープのボス)となった・・・なんてことも考えられるけど、それならそれで、何故名を変えたのかという疑問が生まれるし、そもそも寿命の問題もありますね。
う~ん、これ以上はこの世界の獣化病の定義がわからないので何とも言えませんね。

あ、話の本筋とは全然関係ありませんけど、前回疑問視した”インビジビリティの呪文を使うことで、何故臭いを嗅ぎ付けて来たライカンスロープ達にもう死んでいると思わせることができるのか”については、この前の文で”殺された友の方に向かって手を伸ばしたんだ”とあるので、姿を消した上で、この友の血を体に塗りたくるなどして、生者の臭いを誤魔化したという意味だったのかもしれません。
確かに相手がゾンビの場合は、死者の内臓を体に塗りたくって生者の臭いを消すという方法がとられたりしますよね。
でも、相手がライカンスロープの場合はどうなのでしょうね。そんなことをした上で透明化しちゃったら、かえってライカンスロープ達に怪しまれそうな気がしますけど・・・だって、何もない所から血の匂いが漂いまくっているってことでしょ?
それにそんなことをしたらドラディールさんも獣化病にかかっちゃいそうな気がしますね。まぁ、それはゾンビでも当てはまることだけど・・・

ワーウルフとライカンスロープ:Baldur's Gate#200_挿絵1
正しいかどうかは別として、ドラディールさんの話を理解した気にはなれたので、そろそろ再開したいと思います。
前回、勢いでドラディールさんのお願いを断っちゃったけど、敵対されたわけではないので、まだ話を続けようと思えば続けられるみたいですね。

ドラディール「申し訳ない。もう長い間、客を迎えていないもので。私はドラディールと申す、最近セルーネの教会に移ってきたメイジだ。かつては、アンコロームへ向かうバルダランに旅のガイドをしていた。昔の話だがね。病気の連中と時々小競り合いを起こす以外、私はほとんど一人で孤独な生活をしてきた。今いるところでは襲われることは、滅多にない。彼らは確かに脅威ではあるが、若い連中は親が学んだことを学習しないようだ。ほとんど全ての世代に当てはまるようだが、奴らは周期的に攻撃を仕掛け、奴らの先祖が既に学んだ教訓を改めて学んで帰っていく。私はもう戦いたくは無いが、奴らはこの世にいては成らない存在だと思う」

あ、大分冷静になったみたいですね。
前回よりも大分話が筋道だっていますし、言っていることもちゃんと理解できる!

あずさ「その病気って何?バルダランを殺した病気?」

ドラディール「化け物を見たことがないのか?ライカンスロピーというのは一種の病気なんだ。ワーウルフ達はそこら中にいる。あなたも一度は会ったことがあるだろう」

思ったんだけどさ・・・ひょっとして、私達にもうつるの?
もうかれこれ2カ月ぐらいは彼らと戦っていると思うんだけど、前みたいに遅延性の約束された死が突然訪れたりしないよね!?

あずさ「お前の家の外で会った。実は彼らを倒しに来たの。バルダランの船が奴らの隠れ家でしょう?」

ドラディール「神よ!もしあなたがこの恐怖と戦うつもりなら私の助けになって欲しい」

前回は訳の分からない話から、突然お願いされたから、つい条件反射的にお断りしちゃったけど、村の人達のお願いはきくのに、ドラディールさんのお願いだけは断るなんて公平じゃなかったですね。

あずさ「あんな変な獣なんか全然怖くない。隠れ家に連れてってくれ。剣で一突きよ!」

私、メイジなので剣なんて使えないけど・・・

ドラディール「本当にすまないな。ライカンスロープ達はバルダランの船の中にいる。私の魔術の本もそこにあるのだ。私は強いメイジであるが、魔術がなければただの凡人だ。今使える呪文はセレーネが憐れんで私に教えてくれたものだけだ。孤独と恐怖の中で、私は女神の助けを求めるようになった。私の長い孤独な生活は、もしかしたら女神の与えた試練なのではないかと思うのだ。もし魔術の書が取り戻せたら、この島から脱出する方法を見つけられると思うのだが。もしライカンスロープ達を倒すことができたら、私の魔術の書を取り戻して下さい」

ほぅ・・・船を作って脱出する以外にもこの島から出る手立てがあるのですね。まぁ実際、以前いった島にも、大陸間を呪文で移動できる魔法使いが沢山いましたからねぇ・・・

あずさ「魔術の本は船のどこにあるの?」

ドラディール「私の魔術の本は、キャビンの箱の中にある。キャビンは、甲板の下のバルダランの部屋の隣だ。早く持って帰ってほしい」

お願いして早々急かしてくるとは、何とも図々しい話ですけど、ワーウルフ達を倒すついでにやれそうですし、引き受けてあげましょう。

ワーウルフとライカンスロープ:Baldur's Gate#200_挿絵2
ドラディールさんが無言でウルフズベインという名のお守りを渡してきました。
どうやらライカンスロープにのみ有効な装飾品のようです。でも、ライカンスロープにしか効かないと言う割にはけちけちした効果ですよね。

結局、ゲーム的にはほとんど進行しませんでしたけど、バルダランさんに関する理解は深まったので良しとしましょう。
次回に続きます。

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ワーウルフとライカンスロープ:Baldur’s Gate#200」への2件のフィードバック

  1. オーヤナーギ

    あずささんの翻訳あるから良いのですが
    プレステ5で発売するバルダーズ・ゲートも
    このゲームくらい難しい言葉遣いだと思うと
    とても手が出せない

    返信

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