「怪奇植物トリフィドの侵略」という一見ふざけているようで超深い小説

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こんにちは、栁澤です。
怪奇植物トリフィドの侵略」こんなタイトルの小説があったら買いますか?
これは、ジョン・ウィンダム著の小説です。

大人になった今なら絶対買いません私!だって子供用っぽいし!何ですか、怪奇植物って!?って思いますよね。

私がこの小説に出会ったのは、小学生の頃。学校の図書館にあった「少年少女世界SF文学全集」というシリーズで、です。トリフィド以外のSF小説も読んだのでしょうか、読まなかったのでしょうか、覚えていません…トリフィドのことしか覚えていないんです。トリフィドが深すぎて面白すぎたんです!

大人になってから、訳が難しい大人向けバージョンが「トリフィド時代」というタイトルで発売されていると知りました…が、それでも手に取るか微妙ですね…。だから、トリフィドって何なんだよ!という話です…。改めて読みましたが、大人用訳だけあってむずい。テーマが深いからむずい言葉で言われると困る。というわけで私は子供用に分かりやすーーく訳してある「少年少女世界SF文学全集」のほうの、ちょっと間抜けな邦題になってる「怪奇植物トリフィドの侵略」のほうを推したいと思いますが…

どのように深いかっていう話ですよね。

これ…ゾンビ+ヒューマンドラマみたいな感じなんですよ。そう。あのウォーキング・デッドに通ずるものがある……と今思いました。

あらすじはこうです!うろ覚えですが多分大体合ってるので勘弁してください。
世界中で、とある植物が栽培されていた。その植物からは油を取ることができ、その後は肥料にすることができ、丈夫でどこでも育つので、あっという間に世界中で栽培されるようになったのだが…ある日その植物の1本(1匹?)が歩き出した。その植物は三本足なのでトリフィドという名前がついていたのだが、そいつらは次々とその3本の足で歩いて移動するようになった。トリフィドは元々毒針を持っている植物だったので、歩き出したことにより人間を襲う獰猛な植物に変貌してしまったが、それでもまぁ、植物は植物。動物である人間様の敵ではなかった。ある時までは…

ところで!世界は、数世紀に一度と言われる天体ショー「なんちゃら流星群」に湧いていた。その一晩に、すごい数の流れ星が見えるというのだ。しかし主人公は目の手術を終えたばかりで入院中。ちょうどその天体ショーの次の日にやっと目を覆っていた包帯を取ることが出来るという何とも不運な状態だった。天体ショーの次の日、主人公の元に包帯を外しにやってくるはずの医者がいつまでたってもやってこない。どうなっているのか分からないが、業を煮やした主人公は自ら包帯を取り、見えるようになったばかりの目で周囲を見ると…なんと、他の人は目が見えなくなっていた。あの天体ショーを目にした人間はみんな目がつぶれてしまったのだった。世界は、偶然天体ショーを観なかった「目の見える人」と、天体ショーを見たがために「目が見えなくなった人」の2種類の人間に分かれてしまった。そして目が見えていた時にはなんてことなかったトリフィドは、人間の支配から逃れてその辺を徘徊し、目の見えなくなった人間の脅威となった。目が見える人をとらえて自分たちの世話をさせようとする「目の見えない人」たち、宗教の力で目の見えない人たちをまとめ上げ、仕事を分担し、文化的な生活を維持しようとする人たち、どんな物語にも出てくるとにかく過激な人たち等等を主人公は目の当たりにすることになるのであった。この状況に収拾はつくのか?世界はどうなってるのか?!

みたいな。
これがトラウマで、もう、しし座流星群だのふたご座流星群だのを見られなくなった私です。
ウォーキング・デッドの世界でも人間同士の思想のぶつかり合いなどが主に面白いところであり、ゾンビ自体は「自由に移動できない」「気を抜いたら即死に繋がる」という要素のための装置のようなものだったのですが、この「トリフィド」も似たようなものです。でもトリフィドは元々は野菜(?)だったわけなので、ソンビほど役に立たないわけではないのですが。

この物語が書かれた当時は、東西冷戦?時代で、こういう終末思想的なのが流行っていたらしいですね。
人々の思想のぶつかり合いも、当時東西でやっていたようなことってことなのかもしれません。みんなで仕事をしてみんなで分け合うグループがあれば、略奪して生活するグループもいて、軍事力の元に統率されたグループもいて、みたいな。人間の在り様はたった一つじゃないから、冷戦になってるし、その結果(トリフィドは出現しないものの)このような世紀末的な世の中になってしまうんじゃないかみたいな、著者のその時のマイブームだったようなそんな気がするよ。当時は20世紀だから世紀末には違いなかったし。
冷戦とかは多分まだ習っていなかった小学生の私ですら、よく分からないなりに魅了されたこの「怪奇植物トリフィドの侵略(トリフィド時代)」、良かったら読んでみてください!

ではではでは!ではでは!

「怪奇植物トリフィドの侵略」という一見ふざけているようで超深い小説_挿絵1
確か小説の中でトリフィドの容姿については詳しく記述があったはずで…それによると毒の鞭?は1本だったような気もするんですけど……だいたい大まかにはこんな感じだと…(‘∀’;)さすがに目や口はないけど!

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2 thoughts on “「怪奇植物トリフィドの侵略」という一見ふざけているようで超深い小説

  1. ハイパースラスト

     初めまして!これハリウッドで実写映画化されたのですが、邦題がもっと間抜けで「人類SOS!」です。今はDVDも出てますね。
     1981~1983年頃、中学校の図書室で借りた「怪奇植物トリフィドの侵略」を読んでからテレビ東京「2時のロードショー」(?、現「午後のロードショー」)でやったので観たんですが、ラストが安直なハッピーエンドに改変されててガッカリでした(><)。

    1. 栁澤 蘭丸栁澤 蘭丸 投稿作成者

      ハイパースラストさん、貴重な情報をありがとうございます!!
      人類SOS!っていう邦題じゃ完全スルーしてしまいそう…トリフィドとも気づかず(;゚Д゚)
      あまり意識していなかったけどこの作品の原作って結構昔なのですね、1960年代かぁ…。確かに冷戦の真っただ中だけど冷戦って何気に期間が長い(1990年代まで続いてる…)から結構冷戦初期だったんだなぁ…。ふむふむ。。。
      イギリスSFの金字塔!って紹介されてましたが映画も結構古いのですね。これは霊幻道士より古いのか~。
      伊達さんがトリフィドに興味があるものの、本が手に入らないのでこっちを探してみようと思います。何気に見る映画の中では最古かもしれない。歴史を感じてみようと思います。ありがとうございます!ハッピーエンドもどうハッピーに持って行くのか気になりますね!(人・∀・)
      金字塔なら白い巨塔みたいにリメイクしてくれてもいいのになあ♡(∀`*ゞ)

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