ザ・ギフトを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。
ずいぶんご無沙汰の映画考察、伊達あずさです。

そんなご無沙汰の今回紹介する映画は・・・
ザ・ギフト(The Gift)」です。

いつもの様に作品情報から。

ザ・ギフト
原題:The Gift
ジャンル:サイコスリラー
製作国:アメリカ
公開年:2016年
監督:ジョエル・エドガートン

概要:希望の転職に成功し、地元カリフォルニアに引っ越してきたサイモンとその妻ロビン。サイモンは新居に設置する家具を買うために訪れた家具店で高校時代の同級生ゴードンと偶然再会する。この再開の直後、サイモン逹の新居の入り口に1本の赤ワインが置かれていた。それは、家具店で偶然再会したゴードンからの贈り物だった。その後もたびたび贈り物を持って新居を訪ねてくるゴードンにサイモンは次第に不信感を募らせていった。

ジャンルはサイコスリラーということなので、この映画は心理的な恐怖心を煽りつつも、最終的な結末はうやむやになるタイプのストーリーということになります。映画考察記事のブランク明けに選ぶにはちょっと難しそうなジャンルだったかも・・・
でも、DVDのジャケットを見る限りでは、「次第にエスカレートしていくゴードンからの贈り物には衝撃的な目的が隠されていた!」みたいなことが書いてありましたし、一見何のつながりも無さそうなゴードンからの贈り物(ギフト)に、一体どのような意図が隠されているのか非常に興味をそそられます。(考察し甲斐がありそう)

そんな、「ザ・ギフト」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★★

予想を裏切られはしましたが、映画自体は結構良くできてるかも!
確かに映画自体は終始地味ですし、サイコスリラーと言う割にあまり心理的な恐怖もないかも・・・
それどころか、何故かサイコスリラーなのに観終った後にはカタルシスを感じるという不思議!!
色んな意味で裏切られてしまいます。でも、作品的なトリックによって裏切られているわけではないのでこの評価としました。

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「ザ・ギフト」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:サイモン
主人公の妻:ロビン
主人公の同級生:ゴードン(ゴード)

考察・感想(ネタバレ含む)

パッケージからは非常に謎めいた雰囲気が漂っていたこの映画ですが、実際に観てみると・・・

特に何の謎もありません!

何となくゴードンからの贈り物には全て何らかの意図が隠されていて、それらの関連性に気づいた時、彼の恐怖の目的が判明するみたいなものを期待していたのですが、蓋を開けてみると、最後の方の贈り物以外は別に何の関係も無いみたい・・・
ゴードンから言わせれば、「今まで贈り物をしていたから、その贈り物にかけて(関連付けて)みました!」的な程度です。

しかも、サイコスリラーっていう割に、映画を観ていても何の不安感も無いんですよね・・・
しかし!この不安感のなさにこの映画の持ち味が隠されているんですよね。

それは・・・主人公のサイモンがめっちゃ悪い奴なんです!

サイコスリラーの主人公って、何の問題もない善良な市民であることが多いわけです。
それは善良な主人公が不可解な事件に巻き込まれて酷い目にあっているのを観ると、主人公が酷い目に合って欲しくないという同情心から、不安で心が満たされてしまうからですね。
でも、もし主人公が嫌な奴だった場合はどうなるでしょう。
嫌な主人公が不可解な事件によって酷い目に合って行ったとしても、ちっとも同情心も芽生えないため、まったく不安になりません。
それどころか、より転落していくことを望んでしまいそう・・・
これこそがこの作品でカタルシスを感じてしまう原因なのです。

この作品のように、主人公が過去に犯した罪によって復讐されてしまうお話というのはあまり珍しくはありません。
でも、大抵の場合は、過去を行いを悔いている主人公が、過去に捕らわれたままの復讐者の手によって地獄に突き落とされていくパターンが常ではないでしょうか。(そうでないとホラーになりえないし)
しかし、この映画の主人公サイモンは現在進行形で悪い奴です。自分がした過去の行為についても何ら罪悪感を抱いていません。
その証拠に現代でも過去にゴードンに対して行った酷い行為を別の人に繰り返し行っている始末です。
その他にもサイモンが現在進行形で悪い奴であるという描写が随所随所で行われており、どうしてもこの作品ではサイモンが悪でなければならないようです。

しかし、ここまで完璧にサイモンを悪人に仕立てあげてしまっては、何らスリラー要素なんてなくなってしまうのでは・・・
でも、もしかするとこの映画でサイコスリラー要素を感じる人も居るかもしれませんね。
それは、サイモンと同じように過去に他人を苛めたことがある人達です。そういった経験がある人達にとってこれは他人事ではないかも。
十分サイモンに感情移入する余地はありそうですし、恐怖や不安感が煽られそうです。

私が思うに、ゴードンは最初サイモンと再開したときから復讐を考えていたわけではないと思うのです。
サイモンが当時の行いを何ら悔いていないと確信したからこそ、復讐を決意したわけで、サイモンには幼い頃の罪を償うチャンスがちゃんとあったのです。

「今からでも遅くないから、過去の罪(幼少期のいじめ)はしっかり反省しましょう」というメッセージがこの作品には込められているのかもしれません。
そういう意味で、もしかするとこのザ・ギフトはサイコスリラーと言うよりは、ちょっと過激な道徳映画なのかもしれませんね。

ゴードンの復讐とは何だったのか

サイモンの嘘による被害者ゴードンは最初(家具店で再開した時)からサイモンに復讐を考えていたわけではなさそうです。
というか、最初サイモンに近づいたのは、サイモンが過去に自分に対して行った行為をちゃんと悔いているのか確認したかったからなのではないでしょうか。
しかし、サイモンの家の冷蔵庫にあったサインボードに書かれていた自分への悪口でそれは疑念へと変わり、ゴードンが自宅と偽った豪邸で盗聴したサイモンの言葉によって確信へと変わったのでしょう。
きっとゴードンはサイモンに復讐を開始するにあたって、サイモンが過去を何ら悔いておらず、昔と変わらぬ嫌な奴であるという確信が欲しかったのでしょう。
だからこそ、サインボードの悪口の後、サイモンを食事に誘ったわけです。

確信を得たゴードンはサイモンの家の合鍵を作り、サイモンに対する復讐を開始します。
サイモンに対する復讐は、「生まれてきた赤ん坊がゴードンの子かもしれないという疑念をサイモンに植え付ける」ことでした。
しかし、恐らくこの子供はゴードンの子ではないでしょう。
何故ならかつてサイモンは起こってもいない事件(ゴードンが暴行された事件)を、さも起こったと嘘を付くことでゴードンの人生を狂わせてしまいました。
なので、きっとゴードンも同じように起こってもいないことを起こったと思わせることでサイモンに復讐しようとしたに違いありません。

何より、ゴードンは一度は連れ去ったロビンの愛犬のジャングルをちゃんと返しています。
恐らくゴードンはサイモンへの復讐心に駆られながらも、自分のことを庇ってくれていたロビンの不幸までは望んでいなかったのでしょう。
そんなゴードンが、意識を失ったロビンに暴行を加えるとはとても思えません。

しかし、こういった些細なことで、この映画の恐怖の元凶であるはずのゴードンの方が、恐怖の被害者であるはずのサイモンより良い人に見えてきてしまうのですから、不思議なものですね。

でも、ゴードン(の中の人)はちょっとずるい

悪役にも拘らず、サイモンがあまりにも悪人過ぎることからも、その対比で何となく良い人に見えてしまうゴードンですが、なんとなくずるいような気がします。
というのも、実はこのゴードン役の役者ジョエル・エドガートンさんは、この映画の監督でもあるんですよね。
監督自らが映画に出演するにあたって、主人公役では、ちょっと目立ちたがり感がでちゃうけど、悪役なら少しは謙虚さも演出できます。
でも、自分がやる役だし少し手を加えて・・・なんてやった結果、監督の権限でゴードンが若干良い者に演出されちゃってるんじゃ!?なんてちょっと勘ぐってしまいます。
流石にこれは勘ぐり過ぎだと思いますが、もし本当にそうだったのなら、それは思わぬ天からのギフトとなったのかもしれませんね!

・・・と、上手くオチを付けた気になっている伊達あずさがお送りしました。
久しぶりの映画考察だったので、上手くまとめられているか不安ですが、以上です!

おまけ:ゴードンからのギフトまとめ

  1. 赤ワイン(Red Wine)
  2. ガラスクリーナー(Glass Cleaner)
  3. 鯉と餌(Carp and Fish food)
  4. ベビーカー(Stroller)
  5. 鍵(Key)
  6. CD
  7. DVD
  8. 赤ちゃん(Baby)

最後におまけでゴードンから送られてきたギフトをまとめてみました。
もしかして、私が気付いていないだけで、実はゴードンからのギフトの中には何かしらの謎が隠されているのではないかと急に不安になったのでリスト化してみました。
この作品は元は英語なわけですから、謎が隠されているとするならば英語の方・・・ということで、一応英語も書き加えてみました。

しかし・・・考えても考えても、やはりこれらのギフトからは何のメッセージも見えてきませんね。
(頭文字をとるとか、並べ替えるとか色々やってみはしたのですが・・・)

まあ、もし本当にメッセージが隠されていたら、ゴードンは最初から復讐を考えていた人ということになってしまい、本文で考えた私の説が覆されてしまうため、何も見つからなくてよかったとも言えるのですが、やっぱり何か隠されていた方が唸れたんだけどな~

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