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皆さんこんにちは。
ちょっと興奮気味の伊達あずさです。
何故私がそんなに興奮しているかというと、約半年間も隙間なく貸出中だったこの映画をやっと手に出来たからなのです。
それが今回紹介する映画・・・
「バタフライ・エフェクト(The Butterfly Effect)」です。
いつもの様に作品情報から。
バタフライ・エフェクト
原題:The Butterfly Effect
ジャンル:SFスリラー
製作国:アメリカ
公開年:2005年
監督:エリック・ブレス、 J・マッキー・グルーバー
概要:幼少期に時折記憶を失っていた主人公のエヴァンは医者が勧める治療の一環として日記をつけていた。20歳になったある日、その日記を読み返すと日記に書かれた文字が揺れ始め、まるで日記に記された日時、場所に戻ったかのような不思議な体験をする。失った記憶を取り戻すべく、日記を読み返すエヴァン。そのうち、この不思議な体験中に自分が行った行為によって自分の現在が書き換わっていることに気づき始める。そんな中、自分の軽率な行動がきっかけとなり幼馴染の1人ケイリーを自殺へと追い込んでしまう。エヴァンはケイリーの自殺を阻止すべく過去に戻り、現在を変えようと試みるが・・・
この映画って物凄く人気じゃないですか。
そもそも、2005年の映画なのに、未だにDVDが隙間なく貸出中になってしまっていたほどですからね。
もうね、この映画で★★★★★が出なかったら、一生★★★★★なんて出せないんじゃないんじゃないんでしょうか。
そんな、「バタフライ・エフェクト」に対するおすすめ度は・・・
おすすめ度(5段階):★★★★
・・・お、終わった。
え?私があまりにも観る前にハードルを上げすぎたせいなの!?
バタフライ・エフェクトにはそれはもう、物凄い期待を持ってみたんです。
実際詰まらないわけじゃないんです。
でも・・・何か腑に落ちないというか・・・
ネタバレギリギリ(?)ですが、もしも、ラストシーンでエヴァンが鼻血を出していたら間違いなく★★★★★にしていたのですけどね・・・
やっぱり、練りに練られた脚本がウリと聞いて観たのですから、辻褄に納得がいかないまま終わってしまった作品に★★★★★は上げられません!!
あぁ・・・これ以上、何故★★★★になってしまったのかをネタバレ無しでは語ることが出来ません。
ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「バタフライ・エフェクト」を見終えてからにしてくださいね!
<以下ネタバレを含みます>
登場人物
主人公:エヴァン
幼馴染1:ケイリー
幼馴染2:トミー
幼馴染3:レニー
主人公の父親:ジェイソン
主人公の母親:アンドレア
ケイリーとトミーの父親:ジョージ
エヴァンのルームメイト:サンパー
刑務所のルームメイト:カルロス
考察・感想(ネタバレ含む)
私的には「★★★★★」の有力候補と期待していたバタフライ・エフェクトの何が気に入らなかったのでしょうか。
エヴァン幼少期に記憶を失っているシーンと、時間遡行によって枝分かれしてしまった世界についてまとめながら話全体を追っていきましょう。
記憶を失っているシーンと枝分かれした世界
- 学校で将来なりたいものの絵を描いている時
- トミーとケイリーの家に向かう前の家、包丁を持っていた時
- ジョージに新しいカメラで撮影されている時
- 父ジェイソンと面会している時
- 近所の家のポストに仕掛けたダイナマイトが爆発した時
- エヴァンの犬に火をつけようとしたトミーに飛びかかった時
こんな感じで6回の記憶喪失を経て、エヴァンは時間遡行の能力を得た20歳になります。
便宜上、エヴァンが時間遡行を行う前のこの世界を「世界A」と名付けておきましょう。
エヴァンが行った最初の時間遡行は6のシーンに対するものでした。
時間遡行する前とした後が完全に繋がっている点から、「記憶を失っていた時の行動をそのままそっくりトレースした」のでしょう。
よってこの時点ではまだ世界Aです。
2度目は5のシーンへ時間遡行します。
基本的には前回同様、記憶を失っていた時の行動をそのままトレースした様ですが、一部、当時とは異なる行動をしてしまっています。
それは、「咥えていたタバコをうっかり落とし、腹部に火傷を負った」ということです。
それによって、エヴァンの腹部には火傷の跡が残ってしまいました。
しかし、エヴァンにこの世界の新たな記憶が入ってきている描写もない上、時間遡行を試みる前に会いに行ったレニーとのやりとりが継続している点から、ほぼ世界に影響は出ていない様子です。
よって、この世界は火傷の跡以外は全く世界Aと同じ「世界A’」としましょう。
この世界A(及びA’)では幼少時に父親ジョージから受けた心の傷をエヴァンが思い出させてしまったためにケイリーが自殺してしまいます。
エヴァンはケイリーの自殺を防ぐべく3度目の時間遡行を試みます。
この時間遡行はシーン3、ジョージの映画撮影と称した行為によってケイリーにトラウマを植え付けさせてしまった場面です。
エヴァンは当時の自分に乗り移り、ジョージを恫喝します。
これによってジョージはケイリーに対する虐待を止めたようです。
このことでケイリーが心の傷を負わない世界、「世界B」が新たに誕生しました。
この世界でエヴァンとケイリーの関係はとても上手く行っており、大学でも優等生グループに所属している様です。
しかし、ケイリーを助けたことで、ジョージの虐待は全てトミーに向かってしまい、そのせいでトミーの心はより歪んでしまったようです。
トミーの歪んだ兄妹愛のもつれによりエヴァンはトミーを殺害してしまい、刑務所に入れられてしまいました。
刑務所の囚人達からひどい仕打ちを受けたエヴァンはこの現実を変えるために時間遡行を試みようとしますが、日記の大部分を他の囚人に奪われてしまったため、カルロスの信用を得るため4度目の時間遡行を行います。
4度目は1のシーンへの時間遡行でした。
将来なりたい職業に関する絵を描いていた時に戻ったエヴァンは、当時、日記を書かされることになる原因となった問題の絵を描いた挙句、自分の両手に傷を付けました。
が・・・カルロスの証言から時間遡行前と遡行後は完全に継続していた事が明らかとなっており、カルロスが聖痕と呼んだエヴァンの両手のひらの傷以外、この世界には何の影響もなかったみたいです。
つまり、この世界は両手の聖痕以外は全く世界Bと同じ「世界B’」であるみたいです。
カルロスの協力を得て、奪われた日記を取り戻したエヴァンは5度目の時間遡行を試みます。
しかし、今回時間遡行しているシーンは世界Aにあった6つのシーンのどこでもない場所なのです。
例えるならば、シーン6の直前でしょうか。
これってどういうことなのでしょうか。
もしかすると、世界Bのエヴァンは世界Aのエヴァンとは記憶を失っている箇所が異なっているのかもしれません。
つまり、これは世界Bの過去なのでしょう。
しかし、世界Aの記憶を持ち合わせているエヴァンはこれから起こることを知っています。
レニーに袋を縛っている縄を切るために必要な鋭利な刃物を持たせてトミーの凶行を止めることで世界を変えようと試みます。
しかし、ダイナマイト事件によって心に傷を追っていたレニーは渡された刃物でトミーを殺害してしまいます。
このことで、レニーのトラウマが致命傷となりレニーは精神病院に強制収容され、兄を殺され、顔に傷を負ったケイリーは娼婦になった世界Cが生み出されました。
この際、エヴァンは4のシーンへ6度目の時間遡行を行っていますが、予定通り(世界に影響を及ぼさない)の行動しかとっていない様なので、世界に変化はなかったようです(鼻血も出てませんし)。
エヴァンは既に一度行ったシーンにも時間遡行出来るようです。
ダイナマイトによって近所の母子を殺してしまったというレニーのトラウマを消すべく7度目の時間遡行で再度シーン5へ向かい、ダイナマイトの被害者であった近所の母親と赤ん坊を助けます。
近所の母親と赤ん坊を助けたことで信仰に目覚めたトミーは会心し、トラウマが消えたレニーとケイリーは付き合うことに。
しかし、その代償として、エヴァンはダイナマイトの爆発で四肢を失うこととなった「世界D」が生まれます。
自身の犠牲のみで全てが上手くいったのであればそれで良しとし、自殺することでこの時間改竄に終止符を討とうとしますが、自分が四肢を失ったことでヘビースモーカーになってしまったアンドレアが肺がんになってしまったことを知り、再び時間遡行を試みます。
8度目の時間遡行はシーン2に対するものでした。
しかし、そこでは予定通りの行動しかできず、世界に影響を与えることはできませんでした。
世界を変えることに失敗したエヴァンは再度日記を使いシーン3へ9度目の時間遡行をし、そこでダイナマイトの破壊を試みます。
ちなみにこの時エヴァンが読んでいる日記の文章は
「映画に出たくなかった。寒くて服を着たかった。服を脱がされ・・・」です。
シーン3に戻ったエヴァンはダイナマイトを破壊しようと試みるものも失敗し、ケイリーを殺してしまいます。
このことで、エヴァンは罪に問われ(この世界のエヴァンと合流し、記憶が流れこんでくる描写の中に裁判にかけられているシーンがあります。この時のエヴァンは記憶を失っているはずですから、刑事責任能力を問われなかった可能性がありますが、精神病院への強制収容は免れないでしょう)、精神病院に収容されてしまう「世界E」が生み出されました。
シーン3以降、すぐ裁判にかけられ、精神病院に収容されてしまったのであれば、エヴァンの日記は僅か2日分程度の短いものになってしまいます。
そのせいもあってか、世界Eには日記が残っていないようです。
しかも、時間遡行で合流する前のエヴァンも主治医に日記を寄越せと詰め寄っていたらしく、その様子はまるで父親の様だと・・・
その後、エヴァンはホームビデオの映像を使って10度目の時間遡行し、初対面のケイリーを怖がらせることで離婚後に父親の元にケイリー、トミー兄妹を残らせない新たな「世界F」を作り出しました。
誰も犠牲にならなかった世界Fでエヴァンは自分の日記、アルバム、ホームビデオを全て焼いて終了・・・と。
こんな感じの流れになっています。
枝分かれした世界
世界A(ケイリーが自殺)
移行条件:初期
世界A'(ケイリーが自殺+エヴァンの腹部に火傷跡)
移行条件:シーン5でくわえタバコを落とす
世界B(エヴァンがトミー殺しの罪で投獄)
移行条件:シーン5でくわえタバコを落とし、シーン3でジョージにケイリーへの虐待を止めさせる
世界B'(エヴァンがトミー殺しの罪で投獄+エヴァンの両手に傷跡)
移行条件:シーン5でくわえタバコを落とし、シーン3でジョージにケイリーへの虐待を止めさせ、シーン1で猟奇的な絵を描いた上で両手に傷を付ける
世界C(レニーが精神病で強制収容、ケイリーは顔に傷を負い娼婦になる)
移行条件:シーン6でレニーに刃物を渡し、シーン5でくわえタバコを落とす、シーン3でジョージにケイリーへの虐待を止めさせ、シーン1で猟奇的な絵を描いた上で両手に傷を付ける
世界D(トミーは改心し、ケイリーとレニーはトラウマ無し、エヴァンは四肢を失い、アンドレアは肺がん)
移行条件:シーン5でダイナマイトから近所の母子を守り、シーン3でジョージにケイリーへの虐待を止めさせ、シーン1で猟奇的な絵を描いた上で両手に傷を付ける
世界E(ケイリーをダイナマイトの爆発で失い、エヴァンはその罪を問われ、精神病院に収容)
移行条件:シーン3でダイナマイトでケイリーを殺害し、シーン1で猟奇的な絵を描いた上で両手に傷を付ける
世界F(エヴァン、ケイリー、トミー、レニー、アンドレア全員が幸せに暮らす世界)
移行条件:ケイリーとの初対面時にケイリーを遠ざける
さて、話全体の流れがまとまったので、私が作中で感じた不可解な点について考察していきましょう。
疑問1:9度目の時間遡行時の日記の内容
9度目の時間遡行、つまり、世界Dから世界Eへ移行する時の描写なのですが、ここでエヴァンは「映画に出たくなかった。寒くて服を着たかった。服を脱がされ・・・」と言っているのですよね。
実は世界Dってジョージにケイリーへの虐待を既に止めた後の世界のはずなのです。
シーン3より過去を変えた場合はシーン3以降に影響がでる恐れがありますが、シーン3より前を変えたのは世界B’へ移行した時だけです。
しかし、その後に生まれている世界Cのケイリーが「7歳の時に戻って、父親のカメラの前で私をファックして私をどうにかしてよ」と言っている点からシーン3でジョージの虐待を止めたという事実に影響は出ていないはずなのです。
世界Cから世界Dへの移行条件はシーン5の改竄のみなのでそれより過去だったシーン3は変わっていないはず・・・
それなのになんでそんな文言が世界Dの日記に残されているのでしょうか?
疑問2:世界Eの時間遡行合流前のエヴァン
主治医は「何度も言うが日記はない。存在しないんだ。君が想像したものなんだ。罪悪感から逃れるために」と言っているのです。
さらに、エヴァンが違う世界で体験してきたことを主治医に話しているようです。
これってどういうことなのでしょうか?
主治医の言うように、エヴァンが本当に錯乱していて、その時の戯言が偶然エヴァンの時間遡行で得た体験と一致していたのであれば、何の問題にもなりませんが、そう言い切るにはあまりにも話の内容が一致しすぎています。
そう考えた場合、世界Dから世界Eに移行してくる前の世界Eのエヴァンもまた時間遡行を行っていたことになるのです。
しかも、体験している内容から察するに世界Bを経由していることは間違いなさそうです。
疑問3:世界Aはどうやって作り出されたの?
作中の描写から想像するに、エヴァンが幼少期に記憶を失っている原因は未来のエヴァンが時間遡行をして何らかの行動を行った形跡の様です。
とすると・・・シーン2、シーン4、シーン6に関してはエヴァンが世界Aが作られるために必要な時間遡行を行っていますが、シーン1、シーン3、シーン5に関しては世界Aが形成されるために必要な行動が成されていないのです。
要するに、世界Aを作るためには、シーン1で両手に傷を負わずに猟奇的な絵を描き、シーン3でジョージのカメラの前でケイリーと淫らな行為を行い、シーン5でくわえタバコを落とさずにダイナマイトが爆発するのを見守らなければならないはずなのです。
そうでなければ世界Aが生み出されません。
もちろん、当初エヴァンが記憶を失っているのはあくまでもエヴァンのトラウマが原因で、世界Aのエヴァンが時間遡行を最初に行ったエヴァンなのであれば、そんな必要はなくなります。
ですが、シーン1やシーン2(シーン4もかな?)ではエヴァンにトラウマを与えるような出来事が起こっていない点や疑問2で作中で描かれているエヴァン以外にも時間遡行をしているエヴァンが存在する点を踏まえると、世界Aのエヴァンが時間遡行をした最初のエヴァンではない可能性が出てくるのです。
伊達が考える最初に時間遡行を行った本当のエヴァン
最初に時間遡行を行った世界のエヴァンは幼少期に何ら記憶が欠損していないエヴァンである必要があります。
そのエヴァンは記憶が欠損していないため、自分が時間遡行を行うことが出来るという能力を持つことに気づくのが遅れます。
(世界Aでは記憶の欠損がきっかけとなって作成することになった日記ですが、父親の病気が遺伝の面から疑われていた点から、念のため日記をつける様勧められる可能性はあります。なぜならケイリー達と仲良くしないことで平和になった世界Fにも最後燃やすことが可能な日記類がありましたしね)
ただし、映画中で本当のエヴァンが合流した形跡は見られなかったので、時間遡行を開始したのは映画外の28歳以降でしょう。
ひょんなことから自らの能力を知った最初のエヴァンは軽い気持ちで時間遡行し、その結果自分の世界が致命的(不幸な方向)に変化してしまいます。
元の世界に戻すべく何度も時間遡行を繰り返す中、世界Aのエヴァンが誕生します。
そうして各世界のエヴァンがそれぞれ時間遡行を繰り返し、さまざまな世界に影響した形跡が世界Eだったのではないでしょうか。
世界Eは即ち日記が作成されない世界です。
ここに迷い込んだエヴァンは日記が無いために他の世界へ移行できなくなります。
ですが、世界Aのエヴァンが合流した時点で世界Fへの扉が開かれるわけです。
私が何故最初に「最後のシーンでエヴァンが鼻血を出せば★★★★★だった」と言ったかというと、8年後に時間遡行の祖であったエヴァンが世界Fで合流すれば上の説で辻褄をあわせることができるからなのです。
それなら、「幼い頃に一度だけあったケイリーとの出会い方が変わっていたら」と何気なしに考えた最初のエヴァンが軽い気持ちで時間遡行してみた結果、一連の問題が発生してしまい、作中のエヴァンはそれを戻すべく奔走した「エヴァンの中の1人」の話だったとなり、それなら「深い!!!」
と私も唸れたのですけどね・・・
(まあそれでも疑問1の不可解な点については説明できませんが、衣装に着替える際、ジョージに服を脱がされたという事を指していたと無理やり解釈できないこともない・・・かな)
というわけで、最後に鼻血を出してさえ居ればこの不可解な点も製作者側が見込んでいたという証拠になるので「凄い練りこまれてる!」と感動できたのですが、その辺が曖昧なので「★★★★」となってしまったわけです。
タイムトラベルを題材とする作品というのは、やはりストーリー上に矛盾があると作品に対するダメージが大きくなっちゃうのですよね。
これがファンタジーな内容の映画であれば、その程度の矛盾で作品の評価が下がることはないのですが・・・
やっぱり、半年も求め続けた上でやっと観ることができた期待の作品というのも、評価のハードルを上げてしまっていたのかもしれませんね。
あ~あ、残念だなぁ・・・
以上です!
おまけ1:エヴァンの父親ジェイソンについて
シーン4でエヴァンが面会した父のジェイソンについてですが、ジェイソンってきっと母アンドレアの命を救うために時間遡行を繰り返したのかもしれませんね(面会時のジェイソンの言動や、アンドレアがするジェイソンの話から)。
ジェイソンがエヴァンを殺そうとした理由ですが、ジェイソンは最善とは呼べないまでも、アンドレアの死を回避した世界に移行することができていたのでしょう。
世界Eのエヴァンが主治医から「父親と同じようにありもしない日記を求めている」と言われていた点から、父親も時間遡行を繰り返すうち、日記が存在しない世界に迷い込んでしまったのでしょうね。
エヴァンが幾ら時間遡行をしても、時間遡行するより前の出来事を変えることはできないのでしょうから、ジェイソンが言っていた事はエヴァンが枝分かれさせたどの世界でも同じだったはずです。
そう考えると、ジェイソンは「神の真似をするな」とあくまでも道徳的観点からエヴァンに時間遡行の善悪を説いていましたが、本当は自分が時間遡行する手立てを失ってしまっているのに、エヴァンが安易に時間遡行を繰り返し、自分が全てを犠牲にして守ったアンドレアの身にも危険が及ぶと危惧してエヴァンを殺そうとしたのかもしれません。
ということは・・・もしかするとジェイソンに日記以外でも時間遡行する手立てがあることを教えたら、ジェイソンも能力を使い始めてしまっていたかもしれませんね。
まあその場合、十中八九エヴァンが生まれないように変えられたでしょうけど・・・
でも、不思議ですよね?
少なくとも時間遡行の末、合流したであろうジェイソンは至って正常のはずです。
それなのに精神病院から長い間でられなくなるものなのでしょうか?
とりあえずアンドレアが死なない世界に移行できたわけですから、後は正常に振る舞ってさえ居れば病院をでることだってできたのではないかと思うのです。
ジェイソンって一体どういう境遇になっちゃっていたのでしょうね。
おまけ2:世界Eから世界Fへ移行した際のエヴァンの記憶について
エヴァンが世界を移行した際、それまで歩んできた記憶と、時間遡行する前の記憶が入り混じって鼻血を出すという描写が何度かされていたと思うのですが、世界Eから世界Fへ飛んだ時だけは何か描写がおかしいのですよね。
だって、世界Fではケイリーやトミーと出会ってさえ居ないはずなのに、どういうわけかケイリーやトミーのその後までエヴァンには見えてしまっているのです。
これっておかしくないですか?
もしかして・・・時間遡行の祖であったエヴァンと世界A生まれのエヴァンが同時に合流したの!?
それなら最高にすっきりですが・・・あれだけでそれを察しろというのはちょっと都合が良すぎますよね。
おまけ3:結局バタフライ・エフェクトなんてなかった!
この映画のタイトルにもなっているバタフライ・エフェクトについてですが、これって蝶の羽ばたき程度の僅かな変化ですら、その後の状態が大きく変わってしまうという現象のことですよね?
それなのに、シーン5でくわえタバコを落としたり、シーン1で手に生涯残る傷をつけたりしたにも関わらず世界が全く影響を受けていなかったというのは、既にバタフライ・エフェクトに反している気がします。
っていうか全然バタフライ・エフェクトじゃないじゃん!!
何でこんなタイトルにしようとしたのか不思議でなりません。
こういう些細な所からも、実は案外雑な作りの映画なんじゃ・・・と、疑いを持ってしまう私なのでした。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
こんにちは!おじゃまします。
エヴァン父がエヴァンを殺そうとしたのって、たぶん本作品のディレクターズカット版の「エヴァンが胎児まで戻ってへその緒で自殺する」のを、エヴァン父が何度も過去に戻って苦労して回避したからかと思われます。
おそらくは、エヴァンを死産してしまったエヴァン母が精神的に病んで自殺 → それを回避したのがエヴァン父、だったのかと。
劇場公開されたのは「ケイリーとの初出会いの時に脅して遠ざける」という選択肢をエヴァンは辿りましたが、ここでディレクターズカット版の選択肢をエヴァンが辿ってしまうと全てが無駄になってしまうと思って殺そうとしたのでしょうね。
こうなると、「エヴァン父は嫁さんを助ける為に」、「エヴァンはケイリーを助ける為」にと過去を改ざんし続けるループとなっていまいますが(笑
ディレクターズカット編を観た事がないのですけど、そちらにはエヴァンのお父さんが時間遡行した経緯に関する描写もちゃんとあるんですね。
何れにせよ私の推測も的外れではなかったみたいでちょっと安心しました。