テスター・ルームを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは!栁澤です。
また内容勘違いのパケ借り?してしまいましたー(´・ω・`)
ちゃんと、パッケージの裏のあらすじ見たのに、全然認識と違いました…。
伊達さんが「だめ!何の感想も浮かばない!」と思考停止してしまったので、私に丸投げされました(´・ω・`)…。

そんなわけで今回紹介する映画は・・・
テスター・ルーム(THE QUIET ONES)」です。

いつもの様に作品情報から。

テスター・ルーム
原題:THE QUIET ONES
ジャンル:サイコスリラー
製作国:アメリカ イギリス
公開年:2014年
監督ジョン・ポーグ
概要:時は1970年代、場所はイギリス。オックスフォード大学のある心理学教授のグループが「ポルターガイスト現象は人のネガティブな感情が元で起こる科学的な現象である」ということを証明し、世の中に認められるため、ポルターガイスト現象を起こすせいで里親の元を転々としていた少女に実験(治療)を施す物語。ゆくゆくはそのポルターガイスト現象を起こしてしまうために社会と上手く関われない、現在は「精神病患者と思われている人々」を治療できる、という信念で実験を進めるのだが……

って感じです。
私は何故か内容を勘違いしていて。その教授の心理学ゼミ(?)中の一人が被験者に名乗りを上げるのかと思ってたんですが違いましたな…。最初はポルターガイスト現象なんて起こさなかったその人が、ポルターガイスト現象(つまりはテレキネシス的な?)を起こすことになるのかななんて思っていましたが、最初からポルターガイストバリバリな女の子を被験者として大学外から引き受けてくる話です。

そんな、「テスター・ルーム」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★

サイコスリラーに分類したんですが、これ、半分ホラー映画ですね!「科学的に!科学的に!科学的だから!」と主張しているとはいえ、誰もいないはずの部屋から突然ガターン!とでかい音が鳴ったり、突然停電して真っ暗闇を手探りで移動したり、典型的にホラー映画です…。BGMもなくて静かな場面からいきなり大音量でバーン!みたいな驚かし方もあり。古典!!古典妖怪です!!なので心臓が弱い方はあんまり音量を上げずにどうぞですよ!この映画自体、実話だと思って観進めると「ええ?」ってなるので本当にあまりお勧めはしませんが…(;´Д`)

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「テスター・ルーム」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:ブライアン
教授:ジョセフ
実験に協力する学生1:ハリー
実験に協力する学生2:クリッシー
被験者:ジェーン

考察・感想(ネタバレ含む)

まず、この映画は「実話を元にしている」という部分がかなり一人歩きしているような…。いやまあ、一人歩きするほども広まってませんけど(・_・;)これ、実話を元に着想した、とあります。そのまんま言うと「インスパイア」しましたと。「リセット(監督:ブラッド・アンダーソン)」とか「最強のふたり(監督:エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ)」みたいな本当にはっきりしたモデルがあったわけではなさそうなんです。「実話」押しの割に。

みんな、気になりますよね?「本当にあんな、心理学の実験をしていた一軒家の火事で、助手ひとりだけ生き残って、その一人がオカシクなってた事件があったの?」と。ていうかそこしか気になりませんよね?(;´Д`)

生き残りのブライアンは正気を失っている。ブライアンがずっと記録していた映像も火事でフィルム全て焼けた…となるとそこらへんや超常現象のあたりは脚色だろうけど、そういう事件だけはあったんでしょ?って思いますよね。
エンディングロールでは、いかにも「この人たちがモデルとなった実物です」という写真が出ます、が、これが何の事件なのかは全く語られません。「実物」を出すと、本当にその実物の紹介なんかが入ってるもんです。例えば「最強のふたり」では、エンディングに実際のふたりの写真も使われてましたが、これが本人たちだよーと明示してありました。

この映画にはそれがありません。なので、あの「実物」風の写真はあくまで実物風だと思われます。一応探したんですが、めっちゃ人目を引きそうなのにそれらしい事件は見つかりませんでしたし…。

じゃあ……このお話は何に着想を得たというのでしょうか…ちょっと追ってみましょうよ(´・ω・`)

この話の大体のあらすじはこう。
オックスフォード大学で心理学の教授をしていたジョセフは、大学にほど近い場所に研究室を持ち、そこで精神を病んだ少女ジェーンを使った実験をしていました。ジェーンは両親がおらず、ポルターガイスト現象を起こすため里親と上手くいかず、たらいまわしにされてきた子です。が、教授の研究は魔法の国イギリスですら突飛すぎて予算を割けないと大学から言われてしまいます。

しかし教授は諦めません。実験を続けるためには、都会の研究室に居続けることは出来ず、郊外の古い一軒家を借りきることにします。そこでジョセフ教授、主人公ブライアン、ハリー、クリッシー、被験者ジェーンで過ごすことになります。

ジェーンは「自分の中にはイーヴィーという小さな女の子がいて、その子が悪さをするので物が燃えたり、動いたりする」と言っています。なので教授はそのイーヴィーさえ消すことが出来ればこのジェーンの心の病も治り、不思議な力もおさまると考えたんです。
でもその前に「イーヴィー」の存在を科学的に証明しないとなりませんが…。そのため、脳波の測定やら、生体エネルギーを写真にとれる(なんかソビエトで開発された技術らしいですが…w)装置などで一生懸命ジェーンを調べるんですが、中々いい成果は出ない。

そのうち、「イーヴィーの存在」や「イーヴィーと、物が燃えること・動くことの関連」を証明するようなことは何も記録できていないまま、怪現象ばっかり起こるようになってきます。突然の停電の中、何もいないはずのクローゼットに手を入れて手をかまれる教授、屋根裏で見えない赤ちゃんを抱っこしようとして(?)、身体に「聖痕」ならぬ「シジル(悪魔崇拝の印)」が現れるジェーン。

ブライアンはこの人里離れた場所で過ごすうち、ジェーンと心を通わせはじめるのですが「こんなとこにいてもジェーンは良くならない」と思い始め、ジョセフの仮説を疑いだします。また、ハリーとクリッシーは「もうこんなの付き合いきれません」と実験を途中で離脱するのですが、帰った先でも怪奇現象に見舞われ、「もうこれジョセフの仮説と全然違うやん!ジョセフ、自分の仮説に固執しすぎ!仮説は疑うためにあるんやろ!」となってきました(´・ω・`)

そこでブライアン、記録用のビデオのテープが切れそうになったので街に買いに行くついでに、図書館でジェーンに現れた「シジル」について手がかりを探すと…超ビンゴな情報をゲットするのです。70年代、インターネットもないし図書館にも書籍検索もない、画像検索もない時代によくぞ見つけました。偉すぎます。

ブライアンが持ち帰ったものは、「ある悪魔崇拝のカルト集団が集団自殺した」という事件の記録。その集団が使っていたマークこそが、ジェーンに現れたシジルでした。その教団が崇拝していたのは、4歳の小さな女の子、イーヴィー・ドワイヤー。彼女は超能力の持ち主で、カルト集団は「悪魔の化身」という風にとらえて崇拝していたようです。カルト集団は集団焼身自殺をして全滅している…とのこと。

そういえば…ジェーンが自分の中にいると言ってたのは「イーヴィー」という名前の女の子だった。まさか、ジェーンはイーヴィーに憑りつかれてる?!と考える学生たち。でもオカルトの存在は認めたくない教授。あほくさぁ!と一蹴するのですが…

そもそも教授が何故魔法の国イギリスの人でありながら、オカルティックなことを信じないのか?というのには理由がありました。彼の息子は、幼い頃にジェーンと同じような状態に陥っていて、若くして死んでしまっていました。教授は、息子にジェーンと同じように治療をしていましたが、「これは悪魔の仕業であって、科学的な治療で治るわけない」派の信心深い妻によって中断させられてしまい、最終的に息子は自殺?をしてしまいます。あのまま治療をしていれば治ったはずなのに。幽霊やら悪魔のせいなんかじゃないのに。という、悲痛な思いがあったのです。

でもこれが学生たちにばれると、「お前の私情に付き合ってられんのじゃ!」とボコボコにされるジョセフ(;’∀’)そ、そこまで怒らなくても…。

すったもんだの末、ジェーンの力が暴走し、クリッシー、ハリー瞬殺。ジェーンを殺そうとするジョセフもブライアンに倒され。ジェーンは憑りつかれていたのでも何でもなく、自分こそが集団自殺の唯一の生き残りである「イーヴィー本人」であったことを思い出します。(全滅と報道されたのは、生き残りのイーヴィーが未成年だったため、将来のことを考えて、生き残りがいたことを伏せたためとのこと…)そして、自責の念に駆られて自ら発火し、ブライアンだけを家の外に締め出して逃がすのでした。

で、ラストは正気を失ったブライアンが「君が全員殺したんだろう?」と取り調べをうけている最中にいつもカチンコのかわりに使っていた自らの手から煙を出す…というシーンで終わります。

はい。

で、本題の、どっからが本当でどっからがフィクションなのか、というところですが、どこにも厳密に「元にした」とは書いてないので、オールフィクションかなと私は思ってます(;´Д`)「心理学の実験中に一軒家が焼けた」という事件は特殊なのに見当たらないのでこのへんは完全にフィクションかな。「カルト教団の集団自殺」これは昔からあまり珍しいことじゃないので、これをテーマにしてみたよって感じじゃないかと。実話に着想を得た、とはとても良い言い方であって、普通に書くと「とあるカルト教団の集団自殺の事件について知った。何だかひとつ物語が書けそうじゃない?生き残りが記憶喪失になっていたってのはどう?」的な感じ?^^;着想を得た、というのはそういうことですよね。
もし、着想を得た事件が「カルトの集団自殺」じゃなくて「心理実験中の火事」であったなら、私ならですが、悪魔崇拝のカルト宗教は出さないかなって思います。だって、そんな珍しい事件を、よくあるオチにしちゃうなんて勿体ないですし…。「心理実験中の火事」部分がフィクションで、「カルトの集団自殺」に着想を得てほぼ創作物なのでは…?と思った理由はこんな感じです。
ただ、このような実験をしていたグループが全滅している事件がもし本当にあって、私が探せなかっただけならまた全然違う見方になるような気がします。どうなんだろう!情報が欲しいですね!

で、肝心の「ポルターガイスト現象」ですが、この映画のジェーンの事例は自分の超能力を制御しきれず起こした現象、と解釈するしかないようですね…。無理やりイーヴィーのことを忘れたジェーンは力をうまく使えなかったけれど、イーヴィー=自分であることを思い出してからは自由自在に力を使っています。ネガティブな感情とはどこへやら?確かに自由にちゃんと使えるのならポルターガイスト現象は起こりませんよね。しかし今度はブライアンがパイロキネシス(発火させるアレ)を起こすっぽい描写が出てきてしまうので、今度は本当にイーヴィー(ジェーン)が憑りついたのでしょうか?この辺は統一性もなくてしっちゃかめっちゃかです(・_・;)

いつものように…頭空っぽにしてなんとなく雰囲気で見れば怖い映画だったなー、で終われるかもしれません!「これ実話なんだよね…!?」とワクワクして見た場合は完全に肩すかしだろうなあ…( ・᷄ὢ・᷅ )

余談ですが、この映画、これ実はタバコじゃなくて薬か何かで、こいつら幻覚でも見てるの?というほどタバコ(?)を吸ってる描写があります。タバコを吸っていないシーンのほうが少ないかもしれないほどです。(主人公とジェーン以外は全員息を吸うようにタバコを吸う!今の日本じゃ考えられないです!)
あれにも何か意味があったのか、70年代感を出したかっただけなのか…尋常じゃないので気になりましたw

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