AKB48選抜総選挙からスピーチの内容ついて考えてみる

投稿日:2015年6月12日

前回からの続きです。

もうこの話題も4回目になってしまいました。
今回は前回お話できなかったスピーチの主題について考えてみたいと思います。

さて、スピーチの主題はどのようなものにしたら良いでしょうか。
ちょっと例を上げつつ考えてみましょう。

例1:感動的な話をする
これは、ドラマ性がある場合には非常に有効な手段です。

2015年AKB48選抜総選挙に出ていた高橋みなみさんのように「今回の総選挙がラストチャンス」なんていうのは最たるドラマ性と言えます。
感動的な話というのは、ある意味ネガティブフレームとなりえます。
何らかのマイナス要因(今回で最後、スキャンダルなどで逆境に立たされていたなど)を抱えつつも、そのマイナスに潰されること無く頑張っています!という姿は誰しも応援したくなるものです。
こういったバックグラウンドを持っている場合は、それを遺憾無く発揮した内容のスピーチを行えば、ファンの心を鷲掴み!ファンではなかった人、あるいは今までアンチだった人ですら心を動かされてしまうかもしれません。
ただし、一旦こういうキャラを作るとハロー効果が生まれてしまうため、無理に優等生を演じてしまうと、後々そのキャラに苦しめられてしまうかもしれませんので注意が必要です。

しかしながら、知名度が低い場合に無理に感動的な話をするのはあまり良い方法ではないかもしれません。
感動というのは聞き手からの共感があってこそ生まれます。
知名度が低すぎると他人事感が強すぎて共感してもらえません。
共感できない感動話ほど聞き手にとって辛いものはありませんからね・・・

例2:面白い話をする
これは、自分のファンが少ない場合には特に有効な手段かもしれません。

そもそも、ファンというのはどうやってできるのでしょうか。
少人数のアーティストならば楽曲の良さなどによって、アーティスト自身を知るきっかけが生まれ、その後、アーティスト本人について知っていく過程で、共感できればファンになるのでしょう。

しかし、AKB48(グループ)ほどの大きさになってしまうと、例え楽曲が気に入ったとしても、人数が多すぎて、個人への興味には発展しづらいかも知れません。
そこで、個別に興味を持ってもらうきっかけが必要となってきます。
もちろん、テレビの番組やら露出が多い人はそのきっかけも多いのでしょうけど、ファンが少ない状態ではそんな環境も期待できません。
よって、自分のファン以外が多く集まっているこの総選挙でのスピーチは非常にチャンスです。
ここで話題性がある面白い話ができれば、ファンとなるきっかけとしては最適でしょう。
このスピーチ自体でファンを作る必要はないということです!

例3:熱い話をする
グループとしての将来や、自分の夢や未来への展望などを熱く語る場合です。
今までの例の中ではもっとも話しやすい内容に思えます。
感動的な背景(ドラマ性)は狙って得られるものではないですし、面白い話には結構センスが必要です。
ですが、熱い話は自分の想いを外へ放出するだけなので、話を生み出すのは比較的楽です。

しかし・・・AKB48選抜総選挙のスピーチとしては結構難しい部類かもしれません。

この手の話を好むのは論理的思考が強いタイプです。
よって、話の内容に筋が通っていないと興味を持ってもらえないかもしれません。
当然、スピーチをする前提で望むのでしょうから、予め、ある程度スピーチの内容を考えていると思います。
それでも、あのいつ呼ばれるのかわからない状況で論理性の高い話をするのは非常に強い精神力を要するはずです。
場の雰囲気を無視し、一字一句間違わないように話してしまってはスピーチの熱が損なわれ、場の雰囲気を取り入れながら自由に話すと話がまとまらず薄っぺらい内容になってしまうかもしれません。
冷静な状態でスピーチの原稿を作る時は最も楽ですが、いざ本番で期待通りのスピーチをしようとすると、最もトーク力が必要となる茨の道かもしれませんね。

王道的な例としてはこんな感じでしょうか。
できれば、この中から1つと決めて話すほうが良いかもしれません。
複数盛り込むこともできますが、2分という短い時間で複数に手を付けると、どれもが中途半端になる可能性があります。
また、どのようなファンが自分にあっているのかということも考えなければなりません。

お薦めとしては・・・
知名度が低い場合はきっかけ重視の「面白い話」、知名度には自信があって、運良くドラマ性があれば「感動する話」、トーク力と胆力に自信があるなら「熱い話」でしょうか。

最後に、これは全ての話に言える事ですが、「自分の発言で相手が何を得られるのか」を意識したスピーチを心がけなければなりません。

この人と一緒にいることで楽しい時間を過ごしたい。
この人の夢の手助けをすることで、自分もその達成感を共有したい。
この人を助けることで自分も誰かに必要とされている事を実感したい。

こうした相手の欲求をくすぐる様なスピーチができれば、きっとファンは増えていくことでしょう!

・・・さて。
ここまで考えた上で、改めて1位になった指原さんのスピーチを思い出してみると・・・
今年も非常に良く出来ている気がするんですよね!

去年に引き続き、今回も全体的に1位とは思えないほど自虐的で話に意外性があり面白いです。
前回同様、自分の過去の失敗を敢えて晒すことでマイナスのイメージを作り出し、逆境からのサクセスストーリーという感動的な流れを作り出しています。
今回も「私はあっちゃんや優子ちゃんや、麻友と違って“企画モノ”だと思われてもおかしくない」と、また新たなセンセーショナルワードを使ってきましたが、私が何より感心したのは「私の1位は当たり前ではありません。私の1位が倒せない。そういうことではなく、私のファンのみんなが、無理に無理に無理を重ねての1位です」という部分です。

指原さんは今回1位の上、初の連覇です。
これは、ファンとしても最高の満足ですから、ゼイガルニク効果によって多少はファンの心(票)が離れそうなものです。
ですが、連覇という快挙すら強引に不安定なものにしてきました。
この演出により「まだまだ支えてあげなきゃダメかも?」というファン心理をさり気なくくすぐっています。

しかも、これだけの内容にも関わらず前回同様1000文字程度のスピーチです。
1位としてはかなりコンパクトにまとめてきています。
凄いですねぇ・・・さすが1位!!さすが初の連覇!!

ですが・・・う、う~ん。
幾らなんでもあまりにも良く出来過ぎているような・・・
去年は返り咲きの1位ということもあり、謙虚な姿勢についても受け入れやすかったんですが、今年は連覇という偉業を達成しているにも関わらず、相当強引に謙虚な方向に持って行っている気がします。

私が思うに1位って実は厳しい立場だと思うのです。
他の順位の人のファンからすればわかりやすい敵ですし、指原さんのファンからみても、自分の1票の価値が下がるわけですから。
ですが、それを本人は理解しているのか、1位になったその瞬間から、喜びに我を忘れるどころか、凄まじいまでの冷静さで次の選挙を見据えたスピーチを行っています。

スピーチの内容は終始、他者に対する感謝の言葉であふれていましたが、実は相当な野心家なのでは・・・
幾らなんでも計算無しの素でこのスピーチの出来は不自然です!
指原さんに畏怖すら感じてしまった私なのでした。

・・・ではではでは。

AKB48選抜総選挙からスピーチの内容ついて考えてみる_挿絵1

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