錆びない鉄柱「アショカピラー」実は錆びてた

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こんにちは!栁澤蘭丸です。

オーパーツ(out of place artifacts)のひとつとして有名な、インドの「アショカピラー」。高さ7メートル、直径44センチの円柱で、表面には「ヒンドゥー教の神の一柱であるヴィシュヌ神を讃えるために、チャンドラグプタ2世が建立しました」と彫られています。今はありませんが、てっぺんにはガルーダの像がはめられていたと考えられているそうです。あれ、ガルーダってインドラの乗り物じゃなかったんだっけ。

アショカピラーが有名な理由は、1600年前のアーティファクトなのに全く錆びずに現代に残っているという点ですよね!
14世紀にはすでにこの柱が不思議という話は出回っていて、色々な推測(?)というか伝説?が伝わっています。「7つの金属でできている」とか「ダマスカス鋼でできている」とか。ある探検家は「人差し指分、磨かれた部分があり、そこはキラキラと光っている。もしも鉄なら磨いても跡がつかないはずである」と書き残していたり。

しかし実はこのアショカピラー、表面は錆びています。さらに地中部分も腐食が激しく、観光客がべたべた触って劣化するため1997年に柵が設置されているんです。実は、錆びてはいたのです…。

でも、それにしたって、1600年前の鉄があのようにきれいに残っているというのはやはり驚くに値することではあるのですよ!!
1600年前の日本は古墳時代です。古墳時代と言えば、古墳(なんかすごく当たり前のことを言っているような気もするけど)。その古墳の中の副葬品には鉄製の「鉄剣」がありますが、博物館などで展示されている鉄剣をみれば分かる通り、ボロボロです。アショカピラーと比べたらもう全然ボロボロ。

何故にアショカピラーだけ、ただの鉄なのに(あんまり)錆びないですんでいるんでしょうか?色々な仮説はありますが、解明には至っていないのが現状です。どんな説があるのかご紹介したいと思います!

建ってる場所が乾燥してるから説

デリーの鉄柱、という名前でも知られている通り、アショカピラーはインドのデリー郊外に存在しています。ここは、雨が降らない時期が長く乾燥しているので、錆びの原因である水が少ないのです。この気候が状態の保存に役立っているという説があります。
でも、乾燥した地方は他にもたくさんあるし、鉄製品も世界中どこにでもあるのに、1600年間(あんまり)錆びず有名になったのはアショカピラーだけです…他にも何かあるハズ。

観光客がべたべた触るからこそ説

アショカピラーはとげぬき地蔵よろしく、撫でまわす人が後を絶たなかった観光名物です(柱を背に立ち、柱に両腕を回して、手が届く人には幸運が訪れると言われていたため)。インドでは身体に油を塗っている人が多かったので(アーユルヴェーダ的な??)、その油の膜でコーティングされて、錆を防いでいたのでは説があります。
しかしもう柵が出来てしまい現在は観光客がアショカピラーに触ることは出来ません。というかそもそも劣化防止に柵を作ったのですし。観光客が劣化を防いでいたわけでは多分なさそう。

製造過程でリンの酸化物に覆われたため

インド産の鉄鉱石には、他の地方の鉄鉱石よりリンが多く含まれています。柱の製造過程で高純度の鉄にするため、不純物を表面に叩き出すのですが(文字通りハンマーで叩いて出す)、その時にリン酸化物が柱を覆うことになり、それが柱を錆から守ることになったのでは…?という説があります。これが一番今のところ有力なのですが、未だ検証はされていません。

というわけでオーパーツはひとつも残っていない、ともっぱらの噂なのですが、アショカピラーに関しては、解明されたようでされていないような?そんな感じみたいですね!他の鉄製品とは何かが違うことは確かなのですが。解明される日は来るんでしょうか…?

栁澤蘭丸でした!ではではでは。

錆びない鉄柱「アショカピラー」実は錆びてた_挿絵1

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