Studio POPPO

投稿日：2018年4月12日

こんにちは！栁澤です。

まーた虫の話してるよ…。

そうなんです。じゃあまずはキャベツの話から…。
キャベツ、日本人になじみ深い葉野菜ですよね。キャベツは地面からにょっきりと畑に生えてます。
そのキャベツ畑をモンシロチョウがヒラヒラとんでいて、あー何だかのどかだなぁ、って感じの風景が思い浮かびますよね。

キャベツはいつから日本にあるのだろう。キャベツは、フランス語のcaboche（頭）が由来の言葉です。直接的にはフランス語が英語になって（cabbage）、それをカタカナにしたらキャベツになったという感じ。発音は「キャベジ」って聞こえますけども。
英語由来ということはいつからか日本に入ってきた野菜…？日本語では「玉菜（たまな）」といっていたそうです。日本に伝わってきたのは、幕末あたりのことなので、古来から食べられていた野菜ではないのであります。

さて…そのキャベツが大好物なのが、モンシロチョウの幼虫である青虫ですが…、あれ、キャベツが幕末に入ってきたのなら、それまでモンシロチョウの幼虫は何食べてたの？まさかモンシロチョウは幕末にキャベツと一緒に入ってきたの！？…と思ってしまいそうですが実はそうではなくて、日本のモンシロチョウは奈良時代に、大根の伝来とともに日本にやってきたチョウチョです。奈良時代まではモンシロチョウは日本にいなかったのか…。不思議なような、昔過ぎてどうでもいいような…。
そう、モンシロチョウは最初、大根（の葉っぱ）を食べる虫だったのです。モンシロチョウは「アブラナ科」の植物なら食べます。アブラナが日本に入ってきたのは、弥生時代…。アブラナも日本には最初はなかったのか…。でも昔過ぎてどうでもいいような気もするけど…最初から日本にあったのって一体何なんだよって気になってきますね…。何でもかんでも外から入ってきている。
しかしここまで時間が経てばもう日本の野菜って言ってもいいんだ！

幕末までは、アブラナ（菜の花）系の植物を食べて育っていたモンシロチョウの幼虫ですが、現在は生産されている量の問題か、キャベツを食べているっていうイメージが強いですよね。どうしてモンシロチョウは、キャベツ…というかアブラナ科の葉っぱがすきなのかというと、アブラナ科の葉っぱにはシニグリンという物質が含まれていて、他の虫はこのシニグリンが好きじゃないのです。だけど、モンシロチョウの幼虫の青虫はシニグリンの不味さを克服したため、ライバルがいなくて食べ放題！！だからモンシロチョウはキャベツに卵を産むのですが…

物も言えない、動けないキャベツは、シニグリンを克服されてしまったからといって、食べられ放題では死んでしまいます。そこで、カイロモンを放出します。カイロモンとはフェロモンとかみたいなもので、異種間で働く匂いのようなもの（フェロモンは、同種間ではたらくもののこと）です。このカイロモンは、キャベツからの「助けてください、私食べられています！ここに、青虫の野郎がいます！」というメッセージなんです。これを一体誰に向けて放っているのかというと…、

青虫の天敵である「寄生バチ」に届いてくれ！と、放っていたのです！寄生バチは色んな種類がいますが、青虫をターゲットにしている寄生バチも当然いて、キャベツからのカイロモンを感じた寄生バチは青虫を見つけるというわけなんですけれども。

これが結構悠長だったり…。青虫に寄生する寄生バチは、青虫を見つけると青虫に卵を産み付けます。青虫はその時点では平気です。キャベツをムシャムシャ食いつづけます。青虫の中に産み付けられた卵は孵化した後、幼虫が青虫の体液を頂戴しながら成長し、約14日かけて青虫の体の外に出てきて、繭になります。つまりは14日くらい青虫は野放し…。青虫が卵から誕生して蛹になるまでがおよそ14日なので……寄生バチが来てくれても、キャベツ本人的には何にも良いことがないという事態もありえます。まぁ次世代の敵を減らすことが出来るという点は有効だけど…今生ではもう諦めてるんですかね？(；ﾟДﾟ)

そんなわけで、一見のどかな田園風景でも、虫たちと植物の戦いが繰り広げられているのでありました…。
ちなみにモンシロチョウの親のほうも、キャベツが放っている「助けてー」という化学物質をキャッチすることができ、すでに先客のいるキャベツには卵を産まないようにしているのだとか。本当に仁義なき戦いですな…。

青虫は可愛いんだけどキャベツにとっては憎いやつなのですね。誰からも愛されるなんて、無理なのは、人間も虫も同じというわけですね（？）…。

栁澤でした！ではではでは！！

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