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皆さんこんにちは。
MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)を題材とした作品を見たせいで、急に昔が懐かしくなった伊達あずさです。
一時期はものすごい量のオンラインゲームが発表されていたような気がしていましたが、近年のスマホアプリブームに反比例するかのように世の中のオンラインゲーム(MMORPG)はその数を減らしていったかのように感じます。
本当に昔は、「月毎新しいオンラインゲームが出ているんじゃないか」と感じるくらい次々と新しいものがリリースされてました。
ですが、最近は本当に少ないですね。
しかも、サービス開始からサービス終了までの期間も物凄く短くなっているような気がします。
オンラインゲームを好んできた私としては、ちょっと悲しいことですね。
既に私好みのオンラインゲームはもうほぼ日本語ではプレイすることすら叶わない状態です。
こんなことを言ってしまうと懐古厨と罵られてしまいそうですが、やっぱり昔がどうしても懐かしく感じてしまいます。
昔のオンラインゲームといえば、今の基準で考えると理不尽の塊みたいなシステムでした。
古のオンラインゲームあるある
1. ソロプレイは茨の道である。職業によっては、効率どころかレベル上げそのものが困難になる
2. ちょっとしたミスであっさり死ぬ
3. 死んだら相当量の経験値を失う(時にはレベルすら下がる)
4. 死んだ場合、死体がその場に残り、手持ちのアイテムは全てその場に残る。回収出来ない場合は永遠に失われる
5. レベルやスキルを最大値まで上げるのに年単位の時間を要する
6. 世界が異様に広い(年単位のプレイ歴があっても踏破できない)
と言った感じでしょうか。
今考えるとちょっと信じられないようなシステムですね。
こんなにシビアなのにもかかわらず、回線異常でサーバーから落とされて、ログインしなおした時には死亡。
それで何時間分もの経験値を喪失するなんてこともザラでした。
実に理不尽!!
当時は月額料金制のオンラインゲームがほとんどだったので、ゲーム内の強さはほぼプレイ時間によって決まっていました。
よって、廃人と呼ばれる人達まで出始め、オンラインゲームが原因での離婚が急増したりと、アメリカではちょっとした社会現象にすら発展していました。
と、レジリエンスが低い私には敷居が高そうなゲームシステムだったのですが、案外気に入っていたのですよね。
死を恐れるということが、ゲーム内での真剣さに繋がっており、程よい緊張感が楽しめていた気がします。
皆真剣なので、時には意見が対立したりすることもあるのですが、クエスト攻略という同じ目標に向かってあ~でもないこ~でもないと作戦を練って戦うという所にちょっとしたやり甲斐があったのです。
更に、ゲーム内での努力はレベルの上昇やクエスト達成による希少なアイテムといった形で必ず帰ってきます。
努力が必ずしも報われるものではない現実世界での不満を晴らす道具として、数多くのプレイヤー達に求められていたように思います。
しかし、そんなオンラインゲームにも変化が訪れます。
昔はオンラインゲームにはほとんど選択肢がありませんでした。
Ultima OnlineとEver Questという二大タイトルのみで、他には選ぶ余地すらありませんでした。
が、その後、オンラインゲームはどんどん増え始めます。
しかし、オンラインゲームというのはやはり人が作っているもの、人が分散してしまうとその面白さも減少してしまう・・・
そんな中、多くの年齢層をゲームに呼びこみゲーム人口を増やす措置として台頭してきたのが「アイテム課金」というシステムです。
これにより、月額料金を払い続けることが難しい年齢層、クレジットカードのインターネット使用を避ける人々などもゲームの世界に取り込もうとしたわけです。
アイテム課金の場合は、課金対象となるアイテムさえ購入しなければ無料で遊ぶことが出来ます。
そのため、ゲーム開始の敷居が低く、オンラインゲーム人口の底上げに貢献することとなりました。
しかし、当然課金アイテムに魅力がなければ、企業は何ら利益をあげることが出来ません。
そこで、ゲームを有利に進めることが出来るアイテムを出すわけですが・・・これがなかなか難しい。
今までは、月額料金制だったため、ゲーム内でのプレイ時間が努力の源となっていました。
しかし、アイテム課金制となったゲームの努力は時間ではなく課金した金額によって決まります。
が・・・これが非常に難しい問題を引き起こしてしまうのです。
今までは、プレイ時間がキャラの成長に繋がっていました。
それは同時に楽しく遊んでいた時間でもあったはずなのです。
ですが、アイテム課金でお金をかけて手っ取り早くキャラを強くしてしまうと、その分遊びとしての寿命が縮んでしまう・・・
よって、企業側はプレイヤー達が離れていかないように次から次へと短時間でコンテンツを用意し続けなければならなくなります。
これは非常に苦しい!
こうなってくると当然のように出現するのが、1人当たりの総プレイ時間を短く設定した短命前提のオンラインゲームです。
ゲーム内のコンテンツを充実させ、プレイヤーを長くとどめておくことは止め、ゲーム内のプレイヤーを流動的にしてしまうスタイルですね。
しかしこれは、プレイヤー視点で見ると最悪なゲームです。
だって、折角お金を出してゲーム内のアイテムを購入しても、ゲーム自体の寿命が短いため、相対的に損してしまうのですから。
さらに、こうした質の悪いゲームの乱立は、無駄にオンラインゲーム住民を分散させてしまい、質が高いゲームの誕生を阻害する要因となってしまいました。
こうして時代はオンラインゲームより遥かに開発費がかからないスマホアプリへと移行していくことになるわけです。
確かに、アイテム課金とスマホアプリって相性良さそうですもんね。
しかも、オンラインゲームと違って、複数タイトルを同時並行でプレイしてもらえますし、企業側からすると夢の様な世界です。
しかしこれは、やり甲斐があるゲームを求める私の様な人には非常に悲しい現実です。
まあ・・・スマホアプリを作っている私がいうのも変な話なんですけどね!!
とは言え、今仮に、現代技術を駆使した素晴らしいグラフィックを取り入れつつも、昔のような高難度、かつ、理不尽なシステムのオンラインゲームを作ったとしても・・・恐らく人気は出ないでしょうね。
もしかすると、昔そのようなゲームを好んでいた人達にすら受け入れがたくなってしまっているのではないでしょうか。
最近私が感じるのは、昔と比べるとゲームに求めるものが変化しているのではないかと思うのです。
古のオンラインゲーム時代には、現実では必ずしも報われない努力に対する不満のはけ口だったものが、現代においては、夢や希望が感じられない現実に耐えるための癒やしと、求められるものが変化してきているような気がするのです。
暗い話ばかりが印象強く多く飛び交い、世の中が良い方向に動いていると感じることが難しくなりつつあります。
まして、インターネットの普及により、そういったマイナスな情報が入手しやすくなってしまっていることも1つの問題でしょう。
そんな中、自分の将来や未来に希望を抱かず、日々の小さい幸せを大切にし、堅実に生きていく「悟り世代」などと呼ばれる人達まで出現してしまっています。
そんな暗い世の中を嫌でも生きていかねばならないのです。
せめてゲームの中ぐらい、自分の思うようにしたいと感じても何ら不思議ではないのではないでしょうか。
そんな人達に理不尽なまでに高難度のゲームをやれというのはあまりに酷過ぎます。
私がもう一度、昔のようにオンラインゲームにやり甲斐を求めようと思ったとしても、もう少し世の中の気風が明るくならないと無理なのかもしれませんね。
それまでは、一人用のゲームでもするしかないと・・・
何だか気がつけば話が物凄く大きくなっちゃってますけど・・・
現実が徐々に衰退していると考えた場合は、単なる懐古ではなく、本当に昔の方が良かった(ましだった)のかもしれませんね。
あ~あ、今よりましという後ろ向きな考えの元ですが、昔に戻りたいよ~とどうしても思ってしまう私なのでした。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。