チワワ・ザ・プリンセスの感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。
難しくなさそうな映画があるとパスされる蘭丸です。
今回ご紹介する映画は・・・
チワワ・ザ・プリンセス(CHIHUAHUA TOO!)」です。

いつものように作品情報から。

チワワ・ザ・プリンセス
原題:CHIHUAHUA TOO
ジャンル:コメディ
製作国:アメリカ
公開年:2013年
監督:モーガン・モスト
概要:教師のお父さん、ピアノ講師のお母さん、賢い中学生のお兄ちゃんに、お茶目な小学生の妹、陽気なゴールデン・レトリーバーのごく一般家庭のファスナーさん家族は、ある日、存在も知らなかった親戚の財産(豪邸)を相続する唯一の血縁者であると連絡を受け、夏休みを利用してその豪邸へ行ってみることになった。が、そこで待っていたのは…。

さて、そんな「チワワ・ザ・プリンセス」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★

犬が好きじゃない人にとっては「なんだこりゃ」って感じの映画でしたし、犬が好きであっても結末は「それでいいんかーーい!」という感じだったので、★2つにさせていただきました(;・∀・)
正直1でもいいとおも…

ここからはネタバレを含みますので、これから見る予定がある人は「チワワ・ザ・プリンセス」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公??:ホーマー・ファスナー(チワワじゃなくてゴールデンレトリーバー)
主人公の飼い主(父):チャック・ファスナー
主人公の飼い主(母):ジェニファー・ファスナー
主人公の飼い主(兄):ジャレット・ファスナー
主人公の飼い主(妹):ジャン・ファスナー
豪邸の管理人:ヒードロックさん
先住犬:ソフィー・ファスナー(チワワ)

考察・感想(ネタバレ含む)

ハートフル・ムービーって書いてあるし考察なんてするところ、ないんです…(;´・ω・)
なのであらすじと感想になってしまいますが…、

概要の通り、突然知らない先祖の持ち物だったスゴイ豪邸の持ち主になることになったファスナーさん一家。
そこを管理していたのは、先祖の友達だったという「ヒードロック」さんというおじいちゃんで、インターネットでやっと子孫を探し当てたとのこと。
「時代は便利になりましたな!」と、ネットするまでは相続人探しがとても難航していた様子がうかがえます。
ヒードロックさん豪邸の中を案内されながら、先祖が何者だったかを知るファスナーさん達。知らんかったんかい。ひいひいひい爺さんくらいの話だそうで。
それによると、先祖は、サイレント映画の時代、「俳優犬」のトップトレーナーだったそうです。
ソフィー・ファスナーという犬が主演女優犬賞?などを獲ったりと大人気の犬で、当時の子供はみんなソフィーのおもちゃを欲しがったんだよ、とヒードロックさんは言っていました。

と、輝かしい話をする一方、子供たちが屋敷を探検している隙に、何やら怪しい話が大人同士でなされます。
最後の持ち主であるチャックの大おじさん(つまり、チャックの祖父の兄弟)が亡くなってからは、ここはずっと空き家だったのですが、その理由は、何度貸しに出しても「変な音がする」などの苦情が来て、借り手がつかないのだそうです…。
これはピンときますよね。いわくつき物件ってやつです!!
「だから、何かかじるような音がしたら…私に電話してくださいね、シロアリかもしれませんから」とトボけたことを言うヒードロックさんですが…もちろん大人は、そんな「幽霊かも」なんて話は信じません。
寝ている間に何かを引きずるような音がしたり、出かけている間に部屋がめちゃくちゃに荒れたりしても、とりあえずホーマーのせいにして納得します。ホーマー!!かわいそす!!

でもそれはまぁつまり、ソフィーの幽霊の仕業なのです。
パッケージでネタバレしてるし!もう、ソフィーの幽霊が出るんです!
でも幽霊と言っても昼間っから透け感ゼロで現れるんですけどね。
ソフィーは100年も前の人気女優犬。でも、成仏(仏教じゃなくても成仏ってあるのかな…汗)せずに家に留まっていて、家を守って(?)いたのです。

しかし、所詮犬の脳みそです。
所有者がいなくなったこの豪邸を管理していたのは、ソフィーが活躍していた時代(20世紀初頭)に子供として生きており、ソフィーとそのトレーナーのファンであるヒードロックさんの経営する不動産会社だったのですが、借り手がいなくてはただのお荷物。
なので、必死に子孫を探し当てたわけですが、この子孫は「都会に家もあるし、こんなすごい額の固定資産税とか払えません!」と悲鳴を上げるごく一般的な庶民。
当然の流れで「じゃあ屋敷を売りましょう」ってことになりました。
ヒードロックさんの会社が管理していた間は、屋敷に飾ってあった先祖の絵やソフィーの写真もそのままにしてもらえていましたが、売るとなれば話は別になります。

端折ってますが、この頃には子供たちはホーマーとともにソフィーの幽霊を見つけていたので、「ソフィーのためにも売りたくない!」と屋敷を買おうと下見に来た人たちにポルターガイスト現象を見せつけたり、いたずらをして追い返そうと画策します。
4人?が、このいたずら作戦を考えている時にジャンがある古い新聞記事を見つけます。それはタイタニック号の沈没のニュースの記事でした。
ソフィーのトレーナーであるファスナー夫妻は、なんとあのタイタニック号に乗っていて、還らぬ人となっていたのです。
それを知らなかったソフィー。新聞記事を読み上げる子供たちの声で、飼い主がもう帰ってこないことを知り、涙します…。
しかしまぁ、いたずら作戦は決行され、結局、家は怪奇現象の起こる屋敷と認識され(?)、買い手がつかなくなりました。

結局、家は売られず、そしてソフィーの幽霊はチャック&ジェニファー夫妻にも見つかることとなり、「幽霊犬」として可愛がられて過ごすことになりました。
めでたしめでたし。

…え?
この物語はコメディなので大抵のことは「まぁいっか」で見逃していいと思いますが、それにしたって、
…え?!

まず。
幽霊のソフィーには質量があり、コリジョンがあるんです!
コリジョンっつーのは三次元での境界のことですけど、つまり、触れるんです。この犬。
透明になることはできても、実はそこに存在はしているらしくて、濡れていれば足跡もつきますし、透明になったまま何かを運んだりすることもできます。(ポルターガイスト現象はこうして起こす)
あまりに斬新な幽霊像です。ただの透明な犬です。

次に固定資産税の問題はどうなったんですかね…。
ラストシーンで、チャック(教師)が、ソフィーを抱っこしながらパソコンの映像チャットで授業をしているシーン、ジェニファー(ピアノ講師)がソフィーを膝にのせて生徒(マンツーマンなので1人)を指導しているシーンがあります。この時、ピアノの生徒が「ソフィーも弾きたい?」とソフィーに話しかけているので、ソフィーはこの地域ではもう市民権を得ていることになりますね…。
引っ越したん?
でもそんな、チャックみたいにサテライト授業的なモノしかしない学校の先生なんてあり得るんでしょうか…。
そしていくら都会と田舎という差があるとしても、豪邸と小さい家の固定資産税の差は、二人の給料で何とかできる額だったんでしょうか??
だったら先祖代々の家を即決で「売りましょう!」とか言い出すなよと(;・∀・)

そしてソフィーはなぜ現世に留まり続けるのか!?
タイタニック号に乗ってたからもう愛する飼い主は帰ってこないわけです。
それはもう判明して、涙しましたよね…。
つーか乗ってなくても、生きてるわけないほど待ちまくってしまっているわけで。
完全に成仏(?)のタイミングを逸しています。
普通ならば、「屋敷も無事子孫に渡ったし、私も愛する飼い主のところへ行くわ」となるところなのに
原題どおり「CHIHUAHUA TOO!」…tooの前にコンマがありませんが「チワワも」家族に加わった、って感じで終わります。

えぇぇぇえええええぇええええええ!!

このチワワ、どうなるんですか一体。今のファスナー家族もホーマーも、命あるものいずれ死ぬんですぞ。
死なない(?)チワワは日本だと1000年ほど経つとすごい怨霊になりそうです。千年狐狸精ならぬ千年チワワ精の誕生も、遠くはありませんよ。既に100年たってるのであと900年かな…。

ハッピーエンドな感じに終わりますが、「それでいいんかい」っていうツッコミが聞こえてきそうな映画でした。
単に犬可愛い、犬が見たい!というだけの人にはオヌヌメです!
何も考えず犬のかわいい映像だけご覧あれ。

以上、犬担当でした!!

ちなみに、ラストに「この映画をヴァーランド・スタンリー・ハリスにささげる」というテロップが出るのですが、この方は亡くなったプロデューサーさんのようですね。詳しくは分かりませんでしたが、動物モノの映画に多く携わっていたのかな?2012年に亡くなっているので、きっと携わっていたのに完成を見られずに亡くなったのでしょう。

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