Studio POPPO

投稿日：2024年10月4日

前回からの続きです！

皆さんこんにちは。
捜査権もない一般人がいきなり家に押しかけて、事件について調べ始めるというのはあまりに無理があり過ぎると思う伊達あずさです。

挙句、今回は探偵とかですらありませんからね。
尾沢家の人、よく相手にしてくれてるな・・・私ならそんな得体の知れない人、普通に追い返しますよ。

そんな押しかけ一般人の私は今、被害者である百合子さんの部屋にいるわけですよ。しかも、お家の人の付き添いも無しにね。
パトリック・ジェーンかよ！いや、ジェーンの方が捜査権を持つ機関に所属している分、相当マシです！
こんなの見つかったら絶対に通報されるよ・・・別件逮捕されちゃうよ！

ただ、もし私がジェーンだったら、被害者である百合子さんの部屋を一目見ただけで、犯人の目星がついちゃうはず！

・・・
・・
・

何も分かんない！！

どうやら私はメンタリストじゃなかったみたいです。
ただ、テレビラックにオールドタイプのファミコンが置かれているので、百合子さんもファミコン好きなのやもしれません。

被害者の部屋からはほぼ何の手掛かりも得られなかったため、今度は尾沢家養女の長女・菜美子さんの部屋へ・・・って留守かい！
おかしいな、ふじさんは部屋にいるって言っていたのに。

しかし、今度はご存命の方の部屋を勝手に物色ですか・・・更に罪を重ねちゃったよ。でもまぁ、見つからなければいいのです。誰かに観測されなければ、それはもう存在しないってことなのですよ！

えぇ～っと、本棚にはガストン・ルルー、コナン・ドイル、G・K・チェスタトンの小説が並んでいますね。菜美子さんも推理小説好きなのですか・・・キャサリンさんと話が合いそう。

部屋にあるレコードはチャーリー・パーカー、バド・パウエル、セロニアス・モンク、マイケル・デイビス・・・ジャズばかりですね。

なるほど・・・
洋書に洋楽とどちらも海外の文化ばかりですね。
菜美子さんはあまり周りに流されないタイプなのかもしれません。

今度は美那子さんの部屋へ。
あ、美那子さんは部屋にいるみたい。

一体なんと切り出せばよいものやら・・・

突然お邪魔してすみません。私、ゲームデザイナーをやっております伊達あずさと申します。
亡くなられた百合子さんは・・・その・・・うちの新作ゲームのイベント会場で亡くなられておりまして・・・それで・・・あの・・・少しお話をお聞きできれば・・・と・・・

我ながら話に凄く無理がありますね。
でもまあ、もうこうなったら開き直るしかありません。

まずは、百合子さんのことお悔やみ申し上げます。

美那子「明るいいい子やったのに・・・」

そういえば、皆男さんという方もここにお住まいなのですよね？
皆尾さんってどんな方なのですか？

美那子「あの人・・・最近、おねえさんにいいよったはったみたいですよ。変わった人で・・・私はあまり好きやないんですけど・・・」

およねさんもあんまり好きそうじゃなかったですね。
そういえば、美那子さんは養女なのですよね？ふじさんとは・・・

美那子「ええおかあさんやとおもてます」

そ、そうですか。

突然、見知らぬ人が家どころか部屋まで訪ねてきたというのに、何の疑問も持たず、聞いた事にもホイホイ答えてくれるなんて・・・これも我が人徳の成せる業！？

あ、そうだ。ついでに美那子さんの写真を撮らせてくださいね。
・・・って、ほんと、何でも許してくれるな・・・

特にこれといった情報も得られず、最後は皆男さんの部屋です。
部屋の扉に鍵がかかってますね。家の長女である菜美子さんの部屋があれだけ開放的だったのに、居候の部屋はセキュリティが堅いとか・・・

うーん、ふじさんも美那子さんも「部屋にいる」と言っていた菜美子さんは何故か部屋にいないし、もうこれ以上の進展は望めないかな。

美那子さんの写真が手に入ったことですし、龍安寺に行って、事件当日、美那子さんを見かけた人が居ないか尋ねてまわってみましょう。

その辺の人「ええ女やなあ・・・」

駄目ですね。そもそも、事件当日、ここにいた人が捕まりません。

キャサリンさんも捕まらないし・・・

ならば府警本部へ・・・あ、狩矢さんはいるみたい。

狩矢「これはこれはあずささん。丁度いいところに来られましたな・・・ちょっとお聞きしたいことがあるんですが・・・」

ほうほう。何でしょうか。

狩矢「殺された百合子さんは、あの日、何故龍安寺に来ていたんでしょうかね。ひょっとしてファミコンゲームのファンだったんじゃないでしょうか・・・？」

え？そう言われましても・・・私は遺体となった百合子さんのことしか知らないのですよ？聞く相手を間違えているのでは？
ただまあ・・・偶然・・・本当に偶然ですよ？さきほど尾沢家をお伺いした時、運よく百合子さんの部屋を見る機会に恵まれたのですけど、部屋に置かれていたテレビラックの中にファミコンがあったのですよね。なので、その可能性は高いのかも。

狩矢「そうですか。すると百合子さんの死亡時刻が・・・えーと・・・15日の午前7時半から8時の間ということですから・・・きっと、イベントに参加するつもりであんな朝早くからきていたんでしょうな・・・」

あれ、そういえば、あのイベントって何時からだったんだろう・・・

狩矢「・・・とにかくもっと調べないと何も言えないんですが・・・あなたも心当たりを調べて見てください」

何で私が！？それは警察の仕事でしょうよ！
どうなってるのよ京都府警！！

ともあれ、ひょんなことから百合子さんの死亡推定時刻が分かったので、これで色んな人にその時間帯に何をしていたのか尋ねることが出来るようになりましたね。

では早速、美那子さんに15日の7時から8時の間、何処で何をしていたのか尋ねてみることにしましょう。
普通は警察相手でもなければ教えてくれなさそうなものですけど・・・

美那子「15日の朝やったら、ずっと母屋の居間におりました」

これがまたあっさりと教えてもらえるんですよね。逆に何か怪しいわ！！
じゃあ後は、その時間美那子さんが居間にいたということを他の人に証明してもらうだけですね。

じゃあ逆に、美那子さんはその時間、他の誰かを見ていたりしませんか？

美那子「皆男さんやったら、9時過ぎ頃、母屋の方へ朝ごはんを食べにきて、また部屋の方へ戻らはりました」

なるほどなるほど・・・それは良い情報です。ありがとうございました。

およねさんなら居間にいたという美那子さんを見てそうかと思ったのですけど、残念ながらそういった証言は頂けませんでした。
じゃあ、菜美子さんは？ふじさんも美那子さんも部屋にいるはずだって言うのですけど、居られないのですよ。どこに行ったか知りませんか？

およね「菜美子はんやったら、毎朝ジョギングとかいうて、この辺りを走ったはりましたで・・・昨日の朝も7時過ぎに出でいかはって、8時頃戻ってきはったと思いますわ」

あら、妙なところで菜美子さんのアリバイに関する情報を得られてしまいましたよ。
ついでに、近所を走っているという菜美子さんも捕まると良いのですが・・・とにかくそれは次回です。

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