ウソ発見器 -YES or NO 生死を賭けた選択-:映画考察

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皆さんこんにちは。
頭空っぽ担当の蘭丸です。それなのに何でこんな映画を…(´;ω;`)
今回ご紹介する映画は!
ウソ発見器 -YES or NO 生死を賭けた選択-(SHAME THE DEVIL)」です。

いつものように作品情報から。

ウソ発見器 -YES or NO 生死を賭けた選択-
原題:SHAME THE DEVIL
ジャンル:ホラーミステリー
製作国:イギリス
公開年:2013年
監督:ポール・タンター
概要:ロンドン在住の主人公「ジム・トレント刑事」の周りで「ウソ発見器」が絡んだ事件が立て続けに起こる。何故かいつも現場に居合わせてしまうジムは、容疑者に名前を挙げられてしまうも、天下一のプロファイラーであるニューヨーク在住の元同僚の「サラ」の元へ出向きに協力を要請。上司に内緒で捜査を続行する。犯人は一体どんな人物なのか?

さて、そんな「ウソ発見器 -YES or NO 生死を賭けた選択-」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★

スッキリしない終わり方でした!
そして、キリスト教圏なら馴染みが深いのかもしれないけど、「楽しいしキリスト教はお祭り騒ぎだけいただきます」精神の私たち日本人にはピンとこない言葉がバンバン出てきちゃいます。
そしてキリスト教用語なんて知ってて当たり前だよね!みたいな扱いなので、見ている最中は頭の上に「?」マーク出まくりです!!
テンポは良くてサクサク進むんですが、釈然としないことが多々…。
ここまで究極に釈然としない場合は逆に頭空っぽで観たほうが、なんとなく怖かったーで終われるかもしれません。
ジャンルについてはサスペンスとしている人も多いのですが、これは犯人探しの映画なので、日本で区分けするとしたらミステリーに入るはずなのでミステリーにしました。
ここからはネタバレを含みますので(一応)、これから見る予定がある人は「ウソ発見器 -YES or NO 生死を賭けた選択-」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:ジム(ロンドンの刑事)
プロファイラー:サラ(元同僚・ニューヨークの大学講師)
ジムの部下:リー
ジムの奥さん:ケリー
ジムの上司:ベネット
第一の被害者:ジョン・フィッシャー
第二の被害者:トム・ウェスト
第三の被害者:ダミアン神父(バーソロミュー・ダミアン?)
第四の被害者:タクシー運転手(サイモン・ノース)

考察・感想(ネタバレ含む)

さて…ここからは私が勝手に考えたことなので間違いもあると思いますm(_ _)m

ネタバレありということで、最初に犯人を言ってしまうと犯人は「サラ」です!
サラはジムの元恋人です。ちょくちょく挟まる現実ではないシーンで「私を裏切らないで」「私はウソをつかない」と言っている女性は、黒髪オールバックポニテという、ジムの奥さんに酷似した容姿をしているんですが、これはサラです。(制作側の、奥さんと混同しろっていう意図だと思います)
この現実ではないシーン、ジム目線なのでジムの回想かフラッシュバックか何かかと思いますが、かなり頻繁です。ここで、ジムが何か後ろ暗い過去を持っているのかなということがなんとなく分かります。オープニングもこのシーンからですし。
(現在のサラは金髪にしていますが、眉毛が真黒だしややプリンになってるので、実際の髪色は黒と分かります。眉マスカラくらいしろよ~)

そしてさらにネタバレしてしまうと、邦題のサブタイトル「YES or NO 生死を賭けた選択」これがもう嘘です。
完璧なウソ発見器はまだ現代においては発明されていないのですが、この映画の世界では何故か完璧なウソ発見器が開発済み(?)のようなので、「被害者はウソをついたために死んだ」と刑事もマスコミも疑いません。
…なんですけど、だからこそと言うべきなのか、完璧なウソ発見器が開発されているこの世界においても、実は一連の殺人に「ウソ発見器」は使われていないのです。
ウソかどうかの判断基準はただ単に犯人がウソと思ったかどうか。そして犯人に都合の悪いことを言っても殺されたと思われます。
それを踏まえて事件やジム達の行動を見ていきませう。

1日目

最初の事件。
被害者のジョン・フィッシャーが目を覚ますところからシーンがスタート。妻のエマ(未だ気絶中で、ジョンからちょっと離れたところに縛られている)と共に無人のスーパーマーケットに拉致されています。
犯人は変声機を通した声のみの登場で、被害者のジョン・フィッシャーに「生き残れるかどうかは自分次第なのだ」「真実が自由にしてくれる」「悪魔に打ち勝て」と言います。
ジョンは椅子に縛り付けられており、目の前には銃口。ジョンはびっくりして平常心を失います。
ジョンの腕にはウソ発見器のセンサーが装着してあって、発言がウソかどうか常に判定しているそうです。そしてウソだったら、ジョンの目の前に設置してある銃から弾丸がズドンだぞ!ということだそうです。
まず、犯人からジョンに、絶対にウソなんてつきようもないような質問がされます。「あなたの名前はジョン・フィッシャーですか?」「あなたの妻の名前は?」など。ジョンが真面目に答えると、装置に青いランプがつきます。いかにも「ウソじゃない時は青いランプがつく」と観客は思いこまされますね。
そもそもジョンはなぜこの犯人に目をつけられたかは不明です。浮気の罪で犯人に問い詰められますが、一応嘘は言わずにクリア。しかし、浮気の罪を告白させられた後、妻が目を覚まします。
そしてこの状況に悲鳴を上げて、「大丈夫だ!」というジョンに対して「愛しているわ」と泣きながら言います。
そしてジョンが「ぼくもだ」と言ったら赤いランプがつき、ジョンの顔面に散弾銃ズドン!
唯一の目撃者であった妻のエマは正気を失ってしまい、証人としては何も話せなくなってしまうのですが、「真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て」とだけ繰り返し言うのだそう。

2日目

次の被害者は、トム・ウェスト。
サラ、ジムとは元同僚であり、ジムとは親友と言う間柄の開業医です。
彼は、ウソ発見器を腕に装着されているわけでもなんでもありませんが、何故か我が身の心臓のペースメーカーを犯人に遠隔操作されるという謎の技を披露されて脅され、「次に来る患者(ジムと奥さんケリー)に真実のみを話せ。真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て」と言われます。このトムは、特に嘘をついていないのに、謎ペースメーカー技で殺されます。
実はこのトム、ジムの頼みによって、法的に中絶して良い期間を過ぎているけどサラに中絶手術を施したという過去のある人物。
脅されてからジムたちが来る間に急いで自分で自分に「自白剤」を注射して、嘘をつかないようにしたまでは良かったんですが、そのせいで言わなくていいことまで喋ってしまいます。
「自分は倫理に反していることをしてきた、ジムに頼まれて法的に中絶可能な期間を過ぎているのに中絶手術をしたこともある」と言います。
「中絶?」と顔をしかめる奥さん。慌てるジム。「ちょ、ちょ、ちょちょちょ何言ってんの?トムさん?大丈夫?!」
トムさんは「ダメ。大丈夫じゃない。まじごめん。真実が自由にしてくれる。
この言葉は、エマ・フィッシャーが繰り返していたという言葉です。ピンとくるジム。
トムは脅されていると分かったジムは筆談を試みるのですが、ジムたちが怪しげな行動(唐突にサッカーの話をし出すなど)を取り始めた頃からトムの様子がおかしくなってきて、「ジム助けてくれ」という言葉を言った途端、心臓を止められてしまいます。
「嘘」ついてないのに…。
そして電話か、トムのパソコンからかは分かりませんがトムの机のあたりから「ジム真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て」と何故かジムに向けて犯人から声が掛けられます。
ジムはトムから犯人の情報を特に何の情報も得られませんが、奥さんの機嫌だけは損ねるという、悲しい状態。
そもそも自白剤っていうのは、意識が朦朧とする薬であって、本当のことをペラペラしゃべっちゃう薬ではありません…(嘘をつく時は頭を使うため、朦朧としていてはきちんと嘘がつけない。本当のことを語るという効能はないのであります)
真実を話すのにも支障が出そうなので、自白剤を打つなんておかしいよ。
そして、ウソ発見器がさっそく関係なくなってるよ。
フィッシャーのウソ発見器殺人事件と関係があるのは、はた目から見たら「真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て」というワードだけです。
でも最初の事件できちんとウソ発見器が使われていたので、今回もどっかできちんと使ってるんだろうというような錯覚に陥りますよね。
それにしても、トムさん…都合よく犯人が奥さんの前で暴露してほしかったことをピンポイントで語ってますなぁ…ご都合主義…?

多分3日目

トムの事件から次の事件が起こるまでの間に、ジムは助言をもらおうと「サラ」に電話をかけます。
サラは元同僚で天才プロファイラーという設定です。
「ウソと真実が、事件のカギなんだ」というジムに、元カノのサラは「ウソと真実の話を私たちがする?」と皮肉を言います!
すると、とっとと引き下がり、「別の人に言うわ」と言うジム…。サラが「あてはあるの?」と聞くと「ない」と…。
ロンドン市警にはプロファイラーもいねえのかよ!元同僚なんだから、サラのいたプロファイラー枠があるはずなのになんで今はいないの?
というのは置いておいて、とにかくジムはサラを天下一のプロファイラーと信じているらしく、あてがないそうです。
このターンでした話は、
ジム「連続殺人起こってるなう。被害者に接点なし。キーワードは”真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て”」
サラ「それはキリスト教の説教ね。犯人は信心深いのかも。あなたと違ってね!一人目の被害者は十戒に背いたから殺されたのかも?2人目も宗教の面から捜査すれば~?」終了。

というわけで、ジムがやってくるのが第三の被害者「ダミアン神父」の運営する教会。
なんと、ここではジムが到着するまでの間にダミアン神父にあの「ウソ言ったら殺す」事件が起こってます。
フィッシャーさんと同じように最初気絶しているダミアン神父は、謎の首輪をはめられて転がされてます。
目が覚めるとお決まりの変声機の声。
もはやウソ発見器関係ないじゃん。嘘をつくと、この首輪から電気ショックが与えられるそうです。ぇぇ~?
エヴァ見過ぎの蘭丸さんには爆弾に見えたのは秘密です。
ダミアン神父だけお笑い芸人の罰ゲームのようですが笑いごとではありません…。
このダミアン神父は「ビザ目当ての偽装結婚」に手を貸している悪い神父らしいです。
「この所業を神が許すと思うか?」の問いに「はい」と答えて、ビリビリ→ここでジム登場。
瀕死のダミアン神父は「私は戒律を破ってしまった…」と言いながら死にます。
タイミング良く(悪く?)3つのうち2つの殺人現場に居合わせてしまったジムは、捜査から外されてしまいます。
しかしここではウソ発見器が関係どころか、キーワードの「真実が自由にしてくれる。悪魔に打ち勝て」すら、ダミアン神父の口からは出てきてません。
何で前2つの事件と一括りにされて、3つのうち2つの現場にいたから捜査から外すなんて言われないとならないんでしょうか…!?
少なくとも「教会」に誘導したのは「宗教と関係がある」と助言したサラなのです。
そして、この協会は被害者2人が通っていた教会だったのです。後々、ジムの口から2人の接点として語られるのですが…この時は説明しないので捜査から外されます。
粗がヒドイ!
ジムは(多分)その接点のことを説明しようとするのですが、話を遮られるとあっさり言うのを諦め、捜査から外れることに同意してしまいます(汗)
同僚の尻に敷かれ過ぎだよ!!!
捜査を引き継いだ女性刑事は、ダミアン神父が本当に偽装結婚を手助けしていた証拠をつかんで、教会で事務をしている女の子に事情を聴きます。
女の子が言うには「教会の運営にはお金がかかるので、お金のためにやっていた。用務員にも現金払い。」
「用務員って?」と聞かれると「ビクターよ。毎週雑用をしに来る。今朝もいたでしょ」と言います。
…いたかなぁ?
「銀行口座も身分証もないけど、偽装結婚に必要ないし、ビクターに求めなかった」とのこと。そのような身元の怪しい人物を使わなければならないほど、相当、お金のやりくりが大変だったっぽいです。

さて、なんだか罠にハメられているようだし、自分に関係ある事件だと確信するも、手立てのないジム。
(いやでもそれ以前にトム殺しの現場で「ジム」って犯人言ってたじゃねえか)
サラに再度助けて~と電話するも、ロンドンに行って協力するのはやだ!と断られます。
というわけで

4日目

容疑者に名前が上がっているにもかかわらずサラのいるニューヨークへ旅立ちます。そんなこと可能なの!?
まあいいや!
元カノのところへ行こうとする旦那に、奥さんが「は?プロファイルのスペシャリストはこの世に一人しかいないの?」と言いますが、ごもっともですよ。
ちょっと遠いけどカリフォルニアまで行ってパトリック・ジェーンにでも見てもらえばいいんです。イギリス映画だけあって皮肉が多い気がする。

でもこの映画ではサラが凄腕らしいです。ニューヨークでのサラの勤務先(大学)に到着したジムはサラに正式に犯人のプロファイリングをお願いします。
サラは、「十戒マニア」推しです。とにかく宗教に絡めようとします。
ジムは、十戒破っただけで殺されてたまるか派です。
ところで、十戒ってどんなのがあるかご存知でしょうか?蘭丸は何故かキリスト教系の学校なので知っているのですが普通は知りませんよね。
というわけでご紹介しますと、
十戒…いわゆるモーセの十戒は、あの海を割ったことで有名なモーセさんが神から授かった10個のお約束で、

  1. わたしのほかに神があってはならない
  2. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない
  3. 主の日を心にとどめ、これを聖とせよ
  4. あなたの父母を敬え
  5. 殺してはならない
  6. 姦淫してはならない
  7. 盗んではならない
  8. 隣人に関して偽証してはならない
  9. 隣人の妻を欲してはならない
  10. 隣人の財産を欲してはならない

です。
2を破ったからって殺されてたまるか!という意味で、ジムが「じーざす・ふぁっきん・くらいすとー!」と叫びますが、それ神の名じゃねーから。
神様の名前って「妬み」と言う意味だから呼ばないでほしい、というのが神様の意図だった(…と私は習いました…諸説ありすぎですが…お気に障ったらすみません)わけで、神の子のイエスさんはその限りではないかと。(じーざす・くらいすと=イエス・キリスト)
モーセの十戒の時代に、イエスさんは生まれていませんしね…。
ついでに「アーメン」は日本語にすると「マジで。」って意味で、イエスさんの口癖だったんですよね…うん。脱線しました。長いのにすみません。

十戒で今でも完全アウトなのは、5、6(ちょい微妙)、7…くらいかなぁ。欲しいと「思う心」は誰にも止められませんし…。
しかもキモとなる8の「偽証してはならない」は、まかり通っています。
サラはとにかく十戒にこだわり、3人死んだなら後7人死ぬかも。などと言っていて、とても天才プロファイラーとは思えない。まぁ犯人だからそりゃそうなんだけどね!
十戒否定派のジムは頭を絞って絞って、「被害者の名前がみんな十二使途(キリストの弟子のほうです)とかぶってるじゃん!?」と気付きますが…そもそも宗教が関係ない殺人なので(サラにそう誘導されているだけ)、見当違いなほうへ見当違いな方へ行ってしまいます…。そもそもジョン(ヨハネのこと)、トム(トマスのこと?)って…ありふれすぎて…。

↑で2日ほど経ってしまったので

6日目

そうこうしているうちになんとニューヨークでもウソ発見器殺人が!
その被害者は、たまたまジムを乗せただけのタクシードライバーでした…。(偶然?名前は十二使途と一致。サイモンさん。)
ここでジムは、「犯人は最初からウソを言った言わない関係なくターゲットにした人を殺す気のやつ」と見破り(理由は不明。急に勘が冴えわたるジム。確かにその通りだけど。)
犯人は自分を追いかけてきた…と思わされます。
身の危険を感じ、サラの兄のところへ行く2人。しかし犯人は兄のところへも先回りしていたようで、「トレント刑事。続きはニューヨークで!」というお手紙を残してました。
兄は、妹を面倒に巻き込みおって、とぷりぷりしてます。(兄は、ジムが嫌いだそうな)
ここも危ない、とサラのマンションへ行くと、そこにはロンドン警察のジムの部下、リーくんがいました。
………なんで?本人いわく「連れ戻しに来た」らしいんですけど…ジム容疑者だよね。休暇を取ってわざわざ連れ戻しに来てくれたんだとしたらものすごく上司思いのいい子です。が、どういう経緯で連れ戻しに来たかは分かりませんでした。命令で来たなら、とっとと容疑者確保だし…、休暇を取って秘密裏になんでしょうかねぇ?
犯人直筆の手紙を持っていたからか、兄が怪しいと踏んだジムは、リーくんに兄の監視を申しつけます。
リーくんは、よせばいいのに監視では飽き足らず留守を見計らって違法に家宅捜索をしちゃいます。
ここで「ウソ」に関する本、ウソ発見器を発見!!

マジかよ兄!!!

と思っているところに、兄帰宅…リーくんと銃を構えてのにらみ合いになるのですが、リーくんは自分も肩を撃たれながらも兄を射殺。
お手柄だーと思ったのに、ジムには怒られ(そりゃそうだ)、サラには泣かれ…
リーくんはここで退場、もう出てきません。

泣くサラとジムはサラのマンションへやってきます。
サラは兄が犯人であったことにショックをうけ、さみしいから今夜は泊ってほしい、とジムに頼みます。
ジムはニューヨーク滞在中かなりサラに誘惑されるんですが頑なに「妻がいる」と言ってはねのけています。
今回も結局、ダメダメ!となってしまいました。

ここでサラ、頭に来たのか、もう尺もないのか、本性をやっと表します。
「私との子供は中絶させておいて、他の女と幸せになるなんて許さない!」←動機。
この時ふたりでワインを飲んでいたのですが、毒入りでした。
ウソ発見器を持ってきて、「解毒剤はこの中。本当のことを言えば鍵が開く仕組み」と、命をかけた壮大なネタを披露。
何故か、ロンドンの自宅でジムが奥さんに対して言った言葉がサラの持っているボイスレコーダーに入っていて(盗聴されてたのね…)
「君とおなかの子だけが大切だ!」という言葉が発せられるのですが、鍵が開かない。
「おほほほほ!開かないわね!こんな女大切じゃないんじゃん!」と勝ち誇るサラ。
でも、この鍵、ジムが本当のことをしゃべっても開きませんでした。(俺の名前はジム・トレント。今ニューヨークにいる。という、絶対に本当のこと。)
だから、これはなんちゃってウソ発見器です。なんでジム達はこれがほんとにウソ発見器だって信じるんだろうか…。
おそらくサラの言葉でしか開かないんでしょう。サラの、「あなたは孤独のどん底で死ぬのよ」という言葉で開きました。
慌てて解毒剤を飲むジム。まだウソ発見器がマジものと信じているジムは、「孤独のどん底で死ぬってどういう意味だよ!」とサラに詰め寄りますが、サラは目を閉じてしまいます。
まさか……ロンドンの家族!?と思ったジムは、上司のベネットに、家族の安全を確保してほしいと思い、電話をします。が、ベネットからは「残念だ。奥さんは襲われた。」と言われてしまい、絶望して身投げしてしまいます…。

奇しくもサラの言葉通りになったわけですが…ベネットはこの時、ウソ発見器を装着されていました。
そばには謎の人物。
「ウソをついたぞ。借りは返した。」と言うベネット。「賢明だ」と言う謎の人物。ステッキを持っていて、いかにもイギリス紳士と言ういでたちですが、顔は分かりません。声はなんだか歳をとっているような…。
そして、その謎の人物が去りゆく背中をベネットが見つめているカットで映画は終わります。

誰!?

うーん、実は、ひとり謎のままの人物がいるんですよね。
最後にサラが正体を現した時、ジムが色々「え。なんで!?どういうこと!?サラが犯人って!宗教の話とかは!?」とか色々聞くんですが
その時「ビクターの導きで」と、サラは言ってます。(宗教絡みを推していたのは単に一緒に考えたかったのと、自分に疑いが向かないように、だそうです…。)

ラストの謎の人物は、おそらくこのビクターと言う人なんでしょうけど…教会の雑用にも名前が出ていた、ビクターさんです…よね?
手掛かりが少ないけど見た目的にはおじいちゃんっぽく、最初の被害者の妻エマ・フィッシャーを診察した「セオドア・ヒューズ」教授(ロイヤル・ロンドン・カレッジの神経心理学教授)か、ダミアン神父が近いような気がしますけど、この二人とサラの接点が全く分からない…。
また「嘘をつかないとならない状況」で、ジムがショックのあまり身投げするような嘘をわざわざベネットはチョイスしました。
嘘つくだけなら何でもいいのに。そして、「借りは返した」と。
ビクターさんはジムを殺したかった。
サラはよりを戻しかったみたいなので、ビクターさんにはサラとは別に思惑があったわけですよね…。
サラと関係が深くて、ベネットが借りを作ってて、ジムが恨みを買っていた人物…。
トムくらいしか思い浮かばないんですけど、毛が生えてたからトムじゃないし…時間的にロンドンに戻るのは無理だから多分、リーくんでもないし…。
聖書をめくったりする何者かの視点が随所に混ざっていたので、宗教関係じゃなかったサラの他に本当に宗教絡みの協力者か黒幕かがいたと思われますよね。それがビクター。
キリスト教的に中絶はものすごい大罪ですし…それも、法的に中絶していい期間を過ぎてから中絶するなんて。キリスト教信者には許せないことだったとか???

…………。
何が何だか分からない…。

でも犯人の意外性、サクサクとストーリーが進むところはよかったですね。
私などは最後まで奥さんが犯人なんじゃないのかとか制作サイドの思った通りになってましたからね!
(奥さんは全然元気でした)
ちょっとムズ過ぎました。ビクター誰だよ~~~~!!

結局ビクターって何者?

困っていたら伊達さんがやや投げやりに「ビクターは必殺仕事人か何かじゃないの?」と言っていました。
ビクター誰だか分かりませんでした~で終わったら考察の意味がないので、伊達さんからのヒントを元に無理やり想像力で補完してみます…!

伊達説をとって、ビクターとは、そもそも主人公たちと個人的な繋がりはない「必殺仕事人」という線で行きましょう!
ビクターは聖書をペラペラめくっていた人だと思われるので、「戒律を破った人を裁く」殺し屋のはず。
キリスト教の戒律を破った者を殺してくれと頼まれれば、調査し、本当であれば殺すという仕事人…ということでしょう。

第1の殺人…ただの浮気者のジョン・フィッシャーさん。
あまりに軽い罪ですが、十戒の「姦淫してはならない」に背いていました。
(姦淫=性に関する不道徳。つまり浮気かな)
しかしサラがそんな人を殺してくれと頼むわけはないし、もしこの罪に怒りを覚える人がいるとしたらそれは妻のエマ・フィッシャーか、浮気相手の「メリッサ・テイラーの夫(もしくは婚約者や彼氏?)でしょう。
エマはジョンが死ぬところを見てしまい、仮病ではなく本当に精神錯乱状態になったという医師のお墨付きが出ているのでエマではないことは確か。
ということは依頼者は、メリッサの夫または彼氏ということになります。
さてここで上司「ベネット」には、ビクターに「借り」があることを思い出しましょう…。
イギリスでは、夫婦は夫の姓を名乗るのが通例ですが、別姓が認められているので、メリッサはテイラーという姓ではありますが、ベネットの妻か彼女と言う可能性はゼロではないです。
ジョン・フィッシャー殺害の依頼人はもしかしたら、ベネットなのかもしれません。よって「借り」があったと。

第2の被害者トム・ウェストの殺害の依頼をした人は、サラでしょう。
ジムに協力した人物なので動機は十分ですし、ビクター的にも彼は「偽証してはならない」も破っていますし、法的にはもう中絶できない時期の胎児を堕胎させたとなれば「殺してはならない」も破っていることになります。

そして第3の被害者のダミアン神父ですが、彼の殺害を依頼した人物はサラかもしれないですが、全く関係ない他の誰かという可能性もあります。
事務の女の子によると、ビクターは「毎週雑用に来ていた」ということなので、少なくとも数週間前から潜入捜査(?)をしていたことになります。
そして、神父が犯罪に手を染めている証拠をつかんだ。だから殺すに値するわけです。
一方サラだった場合は、何らかの方法で偽装結婚のことを知ってビクターに依頼して入念に数週間前から準備していた、ということになりますね。
一応ダミアン神父は、ジョンとトムの接点なわけですから。
ジムをおびき寄せるエサになりますし、サラにも殺す動機はあります。

というわけで、ロンドンで起こっていた殺人は、サラが絡んでいた場合もあるけど、ビクターの仕事だったのかも。
ウソ発見器は毎回使っているわけじゃないので(つーか最初だけ…。それも、なんちゃってウソ発見器の可能性大)
最初のいかにも象徴的な殺人は、殺人が起こったらそれは嘘発見器が絡んでいますよ!と思わせたい、制作者の思惑だっただけなのかもしれません。

なぜこんな風に思うかと言うと、ビクターはジムの奥さんを殺していないからです。ジムの奥さんは何も罪を犯していない。キリスト教を守る必殺仕事人が手にかけてはいけない人です。
だからサラは、ラストに本当に妻を殺すことはせず、ベネットに嘘をつかせてジムを絶望に追い込んだ…。
捜査のかく乱のため、作中ではプロファイリングがめちゃくちゃだったサラですが(本人が犯人だし…)、本当は天才プロファイラーなのですから、ジムを自殺に追い込むためにはどうしたらいいかはきっと分かったはず。
きっとベネットに電話をする。そしてベネットがこう言えば…と。
「ビクターならきっとやってくれる」という言葉通り、ビクターはベネットにジムを絶望に追い込む嘘を言わせ、自殺させてくれました。

…とこんな感じでどうでしょうか?
ジムがサラとよりを戻す選択をしていたら、どうなっていたんでしょうか…
ジムはビクターにとっては始末したい人物に違いないので気になります~。

無理やりですが終わります!(´;ω;`)

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