バステトやハトホル、イシスだけじゃない、エジプト神話の変わった女神

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こんにちは!栁澤蘭丸です。

エジプト神話といえば、神様が大抵、頭動物の体人間っていう感じ。女神様も、バステト女神は猫頭だし、ハトホル女神も牛頭。でも体人間。
女神だけじゃなく、男性の神様だって、頭がハヤブサで体は人間とか、頭が犬で体は人間とか、頭は朱鷺なのに体は人間とか、大体そんな感じです。
普通にただの人間なのは…ぱっと思い浮かぶので、オシリス・イシス兄妹くらいでしょーか…。ちなみにオシリスの双子の弟のセト神はジャッカル頭。どうして同父母から生まれた3人なのにセト神だけジャッカルの頭なのだろう。謎だ。

というわけでエジプト神話では、結構な割合で体と頭の種族が違うことがあります。が、極めつけのすごい変わった風貌の神様がいるのです。
その神様は、上半身ライオン、下半身が河馬の、ワニ頭の神様。壁画に描かれる姿も、すっくと立っていないので、胴体も人間ではないと思われます。この怖そうな神様は、女神様。。

エジプト神話の死後の世界の話を聞いたことがありませぬか?
日本ではイザナミが主宰神をしている黄泉の国=冥界は、エジプトではオシリスの国で、オシリスはそこで閻魔大王様のようにやってきた死者たちの魂の行き先を決める神様になりました。
エジプト神話での「裁き」は独特なので、結構有名です。

エジプトでは死ぬとオシリスの裁判にて、「心臓」を秤にかけられます。「真理の象徴」であるマアトの羽根(真実の羽根)よりも心臓が軽い死者は、天国行き。そして、マアトの羽より重かった心臓の持ち主は…怪物に心臓を食べられてしまいます。心臓を食べられた死者はは二度と転生できないことになるので、霊魂の不滅が信じられていた古代エジプトでは、それは永遠の破滅を意味していて、恐ろしいことだったのです。

はいー、この、エジプトでの死者裁判で出てくる「怪物」こそが、この女神様。名前はアムムト。アメミットのほうがとおりがいいかも。アメミト、アーマーンと書かれることもありますが同一人(神?)物です。エジプト神話モチーフな名前を多く使ってる「ZONE OF THE ENDERS」というゲームでは、敵であるアヌビス側の軍事要塞の名前にされています…。アヌビス神はこの裁判では計量係なのでそういうつながりなんでしょーか…。主人公側の「トト神」は、冥界の王になる前のオシリス神と共に仕事してたので、オシリス神との関わり方で敵味方の名前を決めたんでしょうか…うーん。でもトト神…、オシリスが死者の国の王になった後、死者の国でアヌビスと一緒に計測作業(?)してる絵もあるんだけど。エジプト神話のゲームではなくて宇宙が舞台のロボット操作アクションゲームなので、名前だけの話ですけどね…(;´Д`)

アムムトとは「貪り食うもの」という意味だそうです。まんますぎてそれって固有名詞何だろうかという感じですが…(・_・;)
どうしてこのような姿なのかというと…エジプトで怖いものを集めてみましたって感じ?オシリス神が主役の神話が登場する前は、太陽神ラーが神話の主役だったんですが、その頃のアムムトはシンプルな蛇の姿でした。ラーに敵対する者を飲み込んじゃうという役割をしていたそうです。
しかしその後オシリス神の神話が登場し、オシリス神が冥界で死者をさばく役割をするようになって以降、アムムトは悪い魂の持ち主の心臓を食べるという役割があてがわれたので、エジプトで怖いものを集めたみたいな容姿になった、と言われています。エジプトでは、恐ろしいものと言えば「ワニ」だったのだそうです。

私はこれまではアメミット…アムムトと言えば、天国に行けないことになった死者の心臓を食べるワニのことだと思っていたんですが、女神様だったのですね…。
ちなみにアムムトが従っているオシリス神の顔色は緑色をしているんですが、これは別に死んでるから顔色が悪いんじゃなく、生前「植物の神様」だったからだそうで…。

変わった姿の神様が多くて、動物の頭を持ってる神様ばっかりだなーというエジプト神話ですが、人間の顔に人間の姿を持ってる神様でも、顔色が普通の人とはちょっと一線を画していますね…。見た目がエキセントリックなことが多いエジプト神話の話でした…。

それにしてもアムムト…女神様なのにそんな怖い仕事かぁ…。インドのカーリー様といい、女性の神様は恐ろしい場合が結構あるのかな…(・_・;)

蘭丸でした!
ではではでは!

バステトやハトホル、イシスだけじゃない、エジプト神話の変わった女神_挿絵1

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