真実は知るべきか否か:好奇心は猫を殺す

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こんにちは。栁澤です。

真実が一番大切だと、あるドラマの弁護士役の人が言っていました。
それは確かにそうです。間違った人間が裁かれて、真犯人が野放しになったら大変ですし。

でも日常生活においてはどうなんでしょうか?
「知らぬが仏」という言葉があります。だまされるのは確かに腹の立つことですが実は、人間にとっては、自分に見えている世界こそが、世界なので、あえて知らずにおくのも、実生活を穏やかに過ごすコツなのです。
人間は、自分の脳が作り出した自分のフィルターを通した世界しか見ることが出来ないからなのです。
千里眼を持っていないので、真実かどうかなどは特に大事ではありません。
目に見えている、真実だと思えることが真実であり、それが集まってできているのがその人の世界なんです。

例えば、バーゲンでほしいものを5割引きで手に入れられたとします。
しかし、友達は、全く同じものを隣の店で7割引きで手に入れていたとします。
友達が7割引きで手に入れたと知れば、「なんだ!隣まで見に行けばよかった、損をした」と思ってしまうでしょうが、そのことをしらなければ、「半額で買えるとは…ウフフ♪」と思っていられました。
すでに買ってしまっている以上、どうにもできないのだから友達の話を知ったことよって、気持ちだけ変わってしまいました。
こういうことが、「知らぬが仏」なのですよね。

しかし「知らぬ仏」をどこまで実行するかも重要です。
知っておかないと後々まずいことになるような真実なら、たとえ今の幸せな気持ちが壊れようとも知らねばならないですよね。
例えば自分がガンにかかっていたら、知ったらショックだけど、可及的速やかに何らかの処置をしないといけないことです。
そんな事実はショックだし知りたくないから、健康診断を受けない、とは言っていられないのです。
確かに、健康診断を受けずに過ごせば、自分がガンであるなんて知らずに幸せに過ごせますが、そのツケが最初のショックの非ではないような大きさですし、命も危うくなります。
知りたくないことでも知っておかないとまずいことも、世の中にはあるようです。

ウソ発見器のジム夫妻じゃないですが…
昔旦那さんが元カノを中絶させたことがあるという事実、奥さんは知る必要あったでしょうか。
実際、奥さんのケリーは、結婚している事実も自分が妊娠している事実も変わらないのに「旦那は昔元カノを中絶させた」と知ったことにより、気持ちだけが変化し旦那への怒りがわく状態になってしまいました。
さらに、「誰よ。あの人なの?」と、あまり好ましくなかったっぽい元カノのことも思い出してしまっています。(まぁそれが犯人の狙いだったのでしょうけど…)
そんなことはジムは墓まで持っていくつもりだったのに。

ジムの奥さんみたいに、知る予定ではなかったのに天災が空から降ってくるように知らされてしまう人もいれば、好奇心や、「真実を知りたい」という気持ちで、知っても知らなくても結局同じなのに、気持ちだけが悪くなるようなことを知ろうとする方には、イギリスのことわざ、「好奇心は猫を殺す」という言葉を贈りたいと思います…
日本でも猫は20年も生きたら尾が2つに分かれるとか言われていますが、イギリスでも「なかなか死なない、9つの命を持った生物」と考えられているらしく、そんな猫ですらも好奇心がありすぎると死ぬぞ、という意味なのです!
真実を知るとか、知ろうとすることはいいことばかりではないことを物語っていますね。

彼氏彼女、旦那さん奥さんがおかしな行動をしていても、問い詰めすぎには注意ということですね!

真実は知るべきか否か:好奇心は猫を殺す_挿絵1

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