人じゃないものにも「さん」付けする日本語

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こんにちは。栁澤蘭丸です。

日本では、人じゃないものに「さん」や「ちゃん」を付けることが多いですね。でもこういうことって、日本語以外の言葉ではお目にかかったことがないです…(私は)。

「お馬さん」「お猿さん」「飴ちゃん」「お粥さん」「お芋さん」「お犬様」「お狐様」とか。枚挙に暇がないってやつですが、どうしてお粥やお芋、狐や馬や猿がまるで人のように呼ばれるのでしょうかねぇ?
昔から日本にいないモノ、例えばチョコレートとか、コーヒーには「さん」も「お」もつけませんね。古来から日本人に親しまれていて、何か特別なものだと、日本人は「お」や「さん」「様」を付けたくなってしまうようなのです。んじゃそれってどういうもの?

まず「お馬さん」「お猿さん」。他の動物、例えばネズミや猫も昔からいるけど、こんな風には言わないので、馬や猿には特別な思い入れがあったのか?というと…?あったみたいです!

猿は、昔からインドや中国では神様扱いです。インドでは「ハヌマーン」という猿の神様がいるし、中国では「斉天大聖」が猿の姿の神様(道教)です。日本にも悪いイメージは特になく「猩々」という時に妖怪、時に神様として猿が登場します。さらに、日光東照宮の有名な「三猿」…「見ざる聞かざる言わざる」のお猿さんは、厩舎の守り神なんだそうです。ほほう、日本では猿は厩舎の守り神!!!日光東照宮のあの猿が彫られている建物は、神馬をつないどく神厩舎なんだそうです。

となると「お馬さん」の馬も、神聖なものとなってきます。馬は昔はとても希少な生物で、農耕のために使うようになったのは意外と近代。それまでは「神の乗り物」とされていて、駿馬(速い馬)は「龍の化身」と考えられたりしていたそうです。現代のサラブレッドたちはもれなく龍かもしれない…!

猿も、馬も、日本人にとっては身近にいるようで神様に近いような存在だったので「お」「さん」がついても不思議ではなかったんですねぇ。

となると「お狐さん」「お狐様」も、当然、お稲荷様に関係あるのですから、納得です。狐は、農業をやってる季節は害獣であるネズミを捕まえに里に下りてきて、そして農業はお休みの冬になると山に帰っていく、まるで農業を守っているような生活をしていたので豊穣の神様であるお稲荷様の使いとされたようです。こちらの方が、神様の関係者として有名かもしれませんね。

じゃあ「お粥さん」「お芋さん」といった食べ物系はなぜなのか…というと、これは宮中の言葉遣いが広まったもののようです。宮中では尊い食べ物に敬称を付けていた、と言われていて、これが市井でも流行った結果のようですね。今では親しみを込めて、「お」や「さん」を付けるようです。「ふじっ子のお豆さん」とか…、「ふじっ子の煮豆!」というより親しみやすいですし。飴ちゃんも似たような理由だと思われますね。京阪乗る人おけいはん。これはちょっと違うけど。

「お犬様」についても犬を丁重に扱おうとした結果の呼び方なんでしょうけど…。今では皮肉って「うちのお犬様が」と言ったりする気がします。わざわざアホな犬に対してお犬様と言うようなイメージ?

日本の「モノ・動物に親しみを持って敬称を付ける」という文化は「一寸の虫にも五分の魂」とか、「つくもがみ」「八百万の神」のように全てのものには何だか魂があるような気がしてしまう日本人ならではの感覚なのかもしれません。物が可哀想、物を大事に。勿体ない。こういう精神は実は地球規模だとあまりメジャーではないようですから。

擬人化したくなるのは日本人の性だった…ということなのかも…?(・_・;)擬人化と言ってしまうと突然陳腐なのですが、でも人間のように扱うというのは良いことに思えますね。お地蔵様だって石のカタマリではないのだ!だから傘をかぶせたくなるんだ!ほっこりする良い文化ですね!

栁澤蘭丸でした、ではでは!

人じゃないものにも「さん」付けする日本語_挿絵1
レースで騎手の方々が乗ってる乗り方を「モンキースタイル」と言います…枝につかまってる猿に例えているので特に厩舎の神は関係ないです(´・ω・`)

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