超前向きに勘違いする男、童話作家アンデルセン

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こんにちは!栁澤です。

ハンス・クリスチャン・アンデルセンといえば、世界三大童話作家の一人。(ちなみに後の2人は「イソップ」さんと「グリム兄弟」さんです)アンデルセン、フルネームは母国デンマーク読みではハンス・クレステャン・アナスン。アナスン……。いきなりなんかコレジャナイ感溢れますが、デンマークではアナスンもといアンデルセンってのは日本で言う鈴木さんや田中さん、アメリカで言うスミスさん並みに多い苗字のため、デンマークでは「アンデルセン(アナスン)」では通じないらしいです。

彼はデンマークの代表的な詩人・童話作家で、「人魚姫」や「みにくいあひるの子」「マッチ売りの少女」などなど、現代でも子供たちに読まれている名作童話の作者として世界規模の有名人。

ですが彼は…現実をとことん見ない男であったというエピソードが残っています。話だけ聞けば、超前向きともとれるのですが…アンデルセンはどんな人生を送った人だったのでしょうか…。

アンデルセンは、デンマークの貧しい靴屋の子供として生まれました。しかし貧しくても楽しい我が家ってわけで、一人っ子のアンデルセンは両親の愛情を一身に受けて育ちます。その結果なのかどうなのか分かりませんが、根拠のない自信に満ちた男に成長してしまうんです!!

靴屋で生計を支えていたお父さんが亡くなると、アンデルセンは学校を辞めざるを得なくなります。当然、お母さんは、アンデルセンに実家の靴屋を継いでほしいと言いますが、よく分からないけど自信があるアンデルセンは

「僕は都会に出て有名人になりたい」と言って聞きませんでした…。

これを日本風にすると…「俺は上京してビッグになりたい!」という感じでしょうか。アンデルセンは、上京(←デンマークの首都のコペンハーゲンに)して、オペラ歌手を目指します。意外なことに目立ちたがりだったんですね。しかし、ツテで紹介してもらった人気女優の前で歌うも、不合格に…。ちなみにそのツテである人にも「あなた、手に職を付けたほうが…」と最初説得されています。が、全然めげないアンデルセン。

オペラ歌手は向いてなかったのか、じゃあ俳優だ!それがだめなら詩人だ!ととにかく猪突猛進に進んだアンデルセンは、その情熱(?)が認められてパトロンが付き、大学に通うことができたのですが、そこでは何とあろうことか文学的才能を否定されてしまいます…世界三大童話作家なのに!?それでも諦めなかったアンデルセンはパトロンさんのおかげで個人授業を受けています。もはやパトロンが偉かった話のような気もします…。アンデルセンは「私が芸術家にならないことは世界の損失」と考えていたようです。すごい前向きだぜ…。しかし当たってるところが憎らしいな!

アンデルセンの前向きさは、恋愛面でも変わりませんでした。あ。なんかストーカー事件の予感。

有名な逸話では「初恋の人への手紙を、死ぬまで手離さなかった」というのがあり、何だか奥ゆかしい青年だったのかな?というイメージなんですが、いや…奥ゆかしさとは対極にあったというか…。

アンデルセンは25歳の時、友人の姉に恋をします。しかし、その時すでに友人姉には婚約者がおり、そのままつつがなく結婚。それについてアンデルセンは後に「彼女は私と相思相愛だったが、大人の事情で違う男と結婚した」と説明しています。…えぇぇっぇ!!彼女が聞いたら怒るでしょうー!あと友人も!!
どんな出来事が起ころうとも超前向きに解釈したアンデルセンは、その後も好きな人ができるたびに「自伝」をラブレターとして渡していたそうです。えっ、自伝が何でラブレターの役割を果たすと思ったのか分からないけど、要らない…。結果、生涯独身を貫くハメ(?)になっています。しかし自信満々で自伝を渡しまくってたんだったら、残念ながら当然の結果かも…。

こんなアンデルセンにどうして「初恋の人にラブレターを渡せなかった純情な男」みたいなイメージがついたのかはよく分かりませんけど…渡そうと思って持ってたら死んじゃっただけなのですかね…汗

よくよく見返すと、アンデルセンの描いた物語って、全然救いがないストーリーです。「人魚姫」なんてまさしくそうですよね。生まれが違ったら(海と陸)どんなに頑張ったってダメなもんはダメっていう結末ですし、「みにくいアヒルの子」も、そもそも血統が違っただけですよね。「マッチ売りの少女」も、ただの貧乏人に手を差し伸べる人はいない、という話です。本人の努力は何も関係ない。生まれついての天才だからこそ描けた話とも言えるような気がします…。天才である本人は確かになんかよく分からないけどパトロンを得ている(=手を差し伸べてもらってる)し、何か、超えられない壁のようなものをテーマにしていた気がしてならない…ような?

普通こんな勘違い野郎は成功しないっていうイメージなんだけど、成功しちゃったアンデルセン。まあ本当はオペラ歌手になりたかったのかもしれないし、童話作家っていうのはアンデルセンの思い描いてた成功とはもしかしたら違うのかもしれないけど…でもとにかく前向きって言うのは、エネルギーになるんだなぁと思わされるアンデルセンの一生でした。後ろ向きがちな日本人は、ほんの少し見習いたいよね!自分を好きっていうのは大事なことです。

ちなみにどうでもいい話ですが、アンデルセンは寝てる間に間違って「死んでる」て思われたら怖いと思っていたそうで、枕元に「私は死んでいません」って書いた紙を置いて寝てたそうです。うん、それでも間違われるときは間違われるよアンデルセーン!!

栁澤でした!!ではまたっ。

超前向きに勘違いする男、童話作家アンデルセン_挿絵1
私にはアヒルであろうが白鳥であろうが可愛くってしょうがないんですけどねぇ…

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