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「皆で力を合わせよう!」
日本人の私達は、小さい頃から集団活動を営む上での心構えについて教えこまれてきました。
それ故に、みんなバラバラに事を進めるより、団結して進めたほうが効率的・・・と思っていたりしませんか?
でも、実際に集団で作業してみると案外そうでもないかも・・・
今日はそんな集団心理についてお話してみようと思います。
皆さんは、小学生や中学生の頃、学校のお掃除しましたか?
学校を生徒自らが掃除するのって結構当たり前な気がしちゃいますが、世界的には珍しい部類に入るそうですね。
そんな学校のお掃除ですが、必ずサボる人って居ませんでしたか?
「掃除がきちんと完了しないと先生に怒られる・・・でも、自分一人ぐらいサボっていても誰かが掃除終わらせるから大丈夫!」
きっとサボっている人の心の中にはこのような心理があるんじゃ。
んーん、もしかすると、一見して真面目そうに掃除をしている人ですら、無意識に同じようなことを考えて手を抜いていたのかも?
このような集団内での個々の心理を「リンゲルマン効果」といいます。
「リンゲルマン効果」の名前の由来となっているドイツの心理学者マクシミリアン・リンゲルマンさんは、綱引きという作業を通して、このような「集団内における個人の手抜き」を実証しました。
リンゲルマンさんの行なった実験によれば、1 vs 1で綱引きを行なった場合にその人が出す力を100%とすると、2 vs 2で行なった場合には1人当り93%、3 vs 3で行なった場合は一人当たり85%まで下がってしまうそうです。
このように、人は集団が大きくなればなるほど「無意識に手抜きをしてしまう」ようです。
人は好まない作業に対してやる気を出すためには、何らかの理由が必要になってきます。
ネガティブな理由としては、作業が上手く行かないことによる「責任」。
ポジティブな理由としては、作業が上手く言った場合の「評価」などです。
しかし、集団が大きくなればなるほど、全体の作業に対する「個々の貢献度」は曖昧になっていってしまいます。
つまり、成功した場合は「評価」が曖昧になるため、突出した努力は相対的な損を生み出す可能性が出てきます。
また、失敗した場合の「責任」も曖昧になるため、手を抜いたとしても見破られる可能性が低くなります。
人はこのような可能性を本能的に感じ取り、「意識的、あるいは無意識的に手を抜いてしまう」のだと考えられます。
とはいえ・・・幾ら、集団での作業が効率的ではないといっても、集団で行わなければ規模が大きい作業はできません。
「リンゲルマン効果」を打破するためにはどのようにすれば良いでしょうか?
それは・・・「一人一人の目標を明確に設定すること」です。
集団が大きくなると、どうしても「個々の目標」が曖昧になりがちです。
ですが、「リンゲルマン効果」を考慮し、本気で集団としての効率を重視するのであれば、「個々の目標」設定にはより多くの時間を掛けるべきなのです。
「個々の目標」を明確にした上で、失敗時の「責任」と成功時の「評価」を正しく行えば、きっと皆が本来の力を出しきってくれるはずです!
「リンゲルマン効果」の実証結果からすると、そういったフォローなしに「集団の人数だけを増やす」と、逆に増やさないほうが効率的・・・なんてことにもなりかねませんからね。
なんか今日は何時もより堅苦しい話になってしまいましたね・・・
ともあれ、皆さんも「リンゲルマン効果」の恐ろしさを忘れないで下さいね!
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
うちの職場って「スタッフ増えたのに成果でてない」ってことあるし「有能な人のほうが、辞めてく」ってことあります。
有能な人にしてみれば「サボってる人と同じ評価なんて嫌だ」ってことなのでしょうね。
なので、この話はタメになりました
管理者側からすると、可能な限り有能な人に任せてしまう・・・が、一番楽、かつ、仕事の効率が最大になってしまったりするものなのですよね。
もちろん、有能な人の評価をその分高くできるのであればいいんですけど、特に和の心を持つ日本の場合はそうならないことが多いです。もちろん、そんな組織風土自体を変えようとする人も中にはいるでしょうけど、そういった試みはかなり割に合いません。そもそも、その仕事において有能であることと、政治的な能力があることは完全に別ですしね。
この悪い状況を打開すべく、管理者が個人の評価を正しく測る方向に舵をきるならまだ良いのですが、正直、今までそのような評価をしてこなかった管理者が急にそれをやれといわれても無理です。組織の規模が大きい、あるいは専門性の高い仕事だった場合、管理者は各個人の仕事の適正量や質の良し悪しを完全に把握出来ていないことが多いのです。
例えるなら、有能だから仕事が早く終わったのか、それとも、単にその程度の仕事だったのかの見極めがつけられないのです。
管理者だってスーパーマンじゃないのですから、部下の仕事の全てを実務レベルで把握するなんてそもそも無理なのですよね。
でも、無理だからやらない!となっちゃうと・・・行き着く先は労働者が手を抜かないように厳しく見張る超管理体制です。当然社内の雰囲気は悪くなり、他に行く当てのある有能そうな人から会社を去ります。すると状況はさらに悪化します。
日本はちょうどこういった変化の過渡期にあるのでしょうね。ただ、和の心を持つ日本人には相当長い戦いになりそうです。
でも、和の心は日本の良いところでもあり、地球上でみても極めて稀な思想です。できれば、海外とは別の日本独自の進化ができればいいのですけどね。
現代は交通や通信が発達し、過度のグローバル社会となってしまっため、どうしても高効率の海外のやり方を善としがちなところがありますけど、海外のやり方が日本人に合っているとはどうしても思えないのです。
例えば今回取り上げたリンゲルマン効果ですけど、もし日本でリンゲルマンさんが行ったのと同じ綱引きの検証を行った場合、海外よりも1人当たりの力の減少率が低くなると思うのですよね。個人的にはそういった日本の特性をもっと活かすべきだと思っています。
なるほど
国民性とか考え方にもよりますね。
話は少し変わるのかもしれないですが
ゲームの三國志や信長の野望で
部下の忠誠度ってありますよね
俺はとりあえず、どの部下も金で忠誠度を上げるのですが
現実世界だと、「なんで俺(五虎将軍)とアイツ(雑魚武将)が同じ金なんだ?」と離反されちゃうのかなと思ってしまいました
三国志や信長の野望の場合、忠誠度の低い人にばかり褒美を与えることになるので、忠義心が厚い人ほどもらえるお金が少なくなってしまいます。全く持って理不尽な世界ですよね。