投稿日:2022年12月24日
皆さんこんにちは。
今回もまたプレイしないプレイ日記(ただの感想)を書こうとしている伊達あずさです。
98回という長期に渡るプレイ日記を経て、遂にクロノトリガーをクリアしました。
散々不満を漏らしながらクリアした今であっても、クロノトリガーが名作であることについて、別に異論はないのですけど・・・ことシナリオに関していえば、かなりの致命的な問題を孕んでいると個人的には思います。
別にストーリーそのものが酷い・・・とまでは申しません。その辺は好き嫌いもありますしね。問題はもっと技術的なところにあります。
クロノトリガーのシナリオの問題点・・・それは設定に関する説明が不足し過ぎている点と、登場人物の動機が不鮮明すぎる点にあります。
設定に関する説明が不足し過ぎている件
クロノトリガーのストーリーはジャンル的に言うとタイムスリップものですよね?
タイムスリップものの醍醐味は何かといえば、それは異なる時間軸を行き来することで生じる歴史の変化にあるはずです。
過去に戻って、本来死ぬべきだったはずの人を救ったり、逆に殺したり・・・その事が後世にどのような影響を与えるのか、そんな歴史の変化を楽しむもののはずです。
しかしながら、クロノトリガーではあれだけ散々異なる時間軸の世界を行き来しているにもかかわらず、後半になるまでほとんど歴史を変えたという実感がありません。(後半であっても些細な変化しか見られませんが)
それは何故か・・・それは主人公達が手を加える前の歴史がしっかりと描写されていないからなのです。
例えば刑務所や裁判所の件ですが・・・恐らく、シナリオを書かれた方の頭の中では、主人公達がA.D.600でリーネ救出に関与したため、歴史が変わってA.D.1000で刑務所や裁判所が作られることになったという流れになっていたのではないでしょうか。
だって、A.D.600の大臣がヤクラの一件に対し、「裁判所や刑務所が必要だ」などという結論に達するのはどう考えても不自然です。
まず第一に裁判所や刑務所があったからといって、犯罪の抑止力にはなりません。これらは国民が不当な罰を受けないようにするためのもののはずです。更にヤクラは魔族で、魔族は人間の統治下にありません。つまり、人間が作った法に縛られないのです。法の外にいるものを従わせようと思った場合、必要となるのは力・・・つまり、軍隊(あるいはその増強)が必要だという結論になるべきなのです。
別に大臣があそこで裁判所や刑務所の話をしなかったからといって、その後のストーリーに支障がでるわけでもないのに、敢えてあんな不自然なことをわざわざ言わせたわけですから、何かしらの意図があったと考えるのが妥当でしょう。
でも、結果的にはA.D.1000で予め刑務所や裁判所が存在していないことを明らかにしなかったせいで、まるで最初からそれらがあったかのようになってしまいました。こういったことが随所で起こっているのです。
B.C.65000000で起こった人間vs恐竜人の戦いは、本来どのようにして決着したの?
A.D.600では誰がリーネを助け、どうやって魔王軍を追い返したの?
この辺の説明が一切ないまま、主人公達が歴史に関与を始めたため、プレイヤーには歴史を変えたという実感が一切湧かないのです。
しかしながら、実際のところどうなっていたのでしょうね。だって、完全に主人公達の関与ありきでストーリーの整合性がとれちゃってるのです。
どれもこれも結構絶望的な状況だったはずです。本来そこを主人公達が関与してどうにかするってところに面白さがあるはずなのですが・・・結果的には主人公達が関与せずとも、恐竜人達は何故か敗北し、リーネも誰かしらに救出され、いつの間にか魔王軍が追い返されたという結末になることを何ら変化のない平和なA.C.1000が証明してしまっているのです。
つまり、主人公達が何をしてもしなくとも、歴史には何の影響も及ぼさなかったということになります。
にもかかわらず、何故かマールの存在だけは歴史の変化に対して、異常なまでに敏感なんですよね。あまりにも不自然すぎませんか?マールの存在だけが特別不安定であることに対する説明でもあれば話はまた違ってきたのでしょうけどね・・・
まあ、隕石ラヴォスや召喚ラヴォスによって、恐竜人や魔王の件は主人公達の活躍が全くの無意味だったという狂気の結論で無理やり納得することにしましょう。でも3賢者の件はどう理解すればよいのでしょうね。
他の時代に比べ、B.C.12000に関しては珍しく主人公達が関わる前の本来の歴史が明らかにされます。本来の歴史だと3賢者はラヴォスが暴走した際に生み出されたタイムゲートに飲まれて時の最果て、A.D.1000、A.D.2300にそれぞれ飛ばされたみたいなのですが、主人公達が関与したB.C.12000ではボッシュ以外の2賢者がどうなったのか、一切の描写がないのですよね。にもかかわらず、当たり前のようにハッシュは時の最果てにいるし、ガッシュも当然の様にA.D.2300でシルバードを作っているのです。正直訳が分かりません。
描写不足のせいか訳が分からないことは他にもあります。
マールが持っていたペンダント・・・あれは結局なんだったの?
分かっているのはサラが持っていたペンダントと非常によく似ているということだけです。ですが、そのペンダントはラヴォス暴走のごたごたで持ち主と共に消息不明になってしまいました。なのにペンダントだけは後世に伝えられるなんて、あまりにも都合良すぎですよね。
せめて、サラのペンダントをジャキが譲り受け、それをA.C.600のガルディア王家が戦勝記念の品として持ち帰り、最終的にA.D.1000のマール手に渡ったなど、作中で経路をはっきりさせていれば、取ってつけたようなご都合主義感が薄れたのですけどね。もちろん、サラが魔王にペンダントを譲ったという描写は改変前の歴史でも改変後の歴史でもありません。
じゃあ、どうやってサラのペンダントがマールの手に渡ったのか・・・あのペンダントはストーリーの鍵になるアイテムなんですから、この辺の描写は絶対に明示すべきだったはずです。こういう重要な部分の描写をメインのストーリーに含めないだなんて・・・センスを疑ってしまいます。
カエル周りのイベント(グランドリオンの件も含む)やロボ周りのイベントも同じように説明不足過ぎるせいで取ってつけた感が酷いのですが、プレイ日記中でも散々言っていたのでここでは割愛します。
登場人物の動機が不鮮明すぎる件
不慮の事故でマールがA.D.600に飛ばされ、マールを助けるためにA.D.600へ行き、無事救出してA.D.1000に戻って来た。その後、無実の罪を着せられてA.D.2300に逃げたところまでは良かった!そこまではしっかりとした動機が全員にありました。
ただ、問題はそこからです。何故、無実の罪で死刑囚にされ、国を追われたという問題を無視して、999年後という途方もない未来を救おうだなんて結論に達しちゃうの?しかも、999年後に世界を滅ぼすラヴォスを倒そうって言いだしたのマールなんですよね。
マールはさ、主人公とルッカの身に降りかかった災難に対して、一番、責任を感じていなければならない立場だったはずなのですよ。だって、ガルディア王とマールの親子喧嘩に巻き込まれたわけですよね?
なのに、全く無関係の問題に興味がいっちゃうって・・・どう見ても主人公が死刑を宣告された件についてマールが責任を感じているとは到底思えません。この辺からマールの好感度がダダ下がりです。
そしてその後は、本来の問題もまるでなかったかのように、自らの命を懸け、主人公達はラヴォス討伐に傾倒することになるのです。例え物凄く暇であったとしても、999年後という遠い未来のために、自らの命の危険を顧みずラヴォスを倒そうだなんて考えますか?もちろん、そんな人が絶対に居ないとは言い切れませんけど、少なくてもほとんどの人が共感できるレベルにはないはずです。まして、主人公達は身に迫る問題を抱えている状態なのですよ?そんなことをしている場合じゃないでしょう!
ここまでくると、主人公達が善人だからというよりは、自分達の置かれている状況を正しく理解することのできない、頭の悪い呑気な集団と理解する方がよっぽどしっくりきます。そんな主人公を操るの嫌!!
どうしてもっと、主人公達の身に迫るような問題を解決し続けて行く形でラヴォス退治へと導けなかったのでしょうか。
マールを助けるためにA.D.600の歴史を変えてしまったことで、A.D.1000がおかしなことになり、それを直すためにどんどん過去へ戻るみたいな流れで最終的にラヴォス討伐へと繋げる方法だってあったはずです。そっちの方がよっぽどタイムスリップ感がでるじゃないですか!
何れにしても、あの状況で主人公達が何故そこまでラヴォス討伐にこだわり続けるのか私には全く理解できませんでした。
他にも動機が全く理解できない人が居ます。それはジール女王です。
結局、ジール女王は何がしたかったの?多大な犠牲を払って海底神殿(黒の夢)を作っていたみたいですけど、あれは何の役に立ったのでしょうか。
改変後の歴史では、ラヴォス暴走前に海底神殿が完成したためか、黒の夢がA.D.2300まで残り続けることになってましたけど、各時代のご老人達が晴れの度合いを確認するために使っていた(晴れの日は黒の夢が遠くからでも良く見えるらしい)ぐらいで、歴史的には一切何の影響も及ぼしていませんでした。つまり、黒の夢はジール女王が不老の力を得るためだけに作った物ということになります。
しかしながら、王国を崩壊させてでも、自らの不老を願うほど欲深い人だったはずなのに、不老の存在となったジール女王は毒気が抜けたかのように、A.D.1999にやってくるラヴォス復活をひたすら大人しく待つだけという修行僧のような生活を送ることになります。なんかね・・・心の高低差があまりにも酷すぎて耳がキーンとなります。
でも、A.D.1999以降であるA.D.2300でも黒の夢が世界に何かしているそぶりはなかったのですよね。結局、ジール女王は何がしたかったの?ラヴォスのせいで正気を失っていたから何でもありなんだと言われればそれまでですけど、共感不能な狂気はある意味究極のご都合主義なんですよね。物語を作る努力を放棄しているようなものです。
・・・と、ここまで色々とシナリオに関する問題点を論ってしまいましたが、クロノトリガーの場合、そんなシナリオの問題点に目が行かなくなってしまうくらい、ゲームシステムが革新的で素晴らしいこともまた事実です。
残念ながら完全無欠とまではいきませんでしたけど、名作と称されるだけのことはあると改めて感じたところで「クロノトリガー」これにて終了!
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Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。
まあこいつ何やっても文句しか言わないタイプだな
過去の記事読んでてもひたすら文句文句文句文句文句
メタルマックスもブレスもクロトリもイデアもゼルダも
メタ視線から突然グダグダ文句いうかと思えば
システムに文句 シナリオに文句
まあもう読むこともないからどうでもいいけど。
読んでる側からしたら最初の方はそうだよなーと同意できてもだんだんウザくなるわ。
ただの上から目線じゃないの。
何をやっても文句しか言わないと思われてしまったことについてはとても残念に思っています。
そこまで沢山の記事を読んで頂けたということは、私が全く文句を言っていないゲームがあったことにもお気づきになられているはずだと思います。
自分ではおかしいと思うところをおかしいと言っているだけで、少なくとも、上から目線でいっている自覚はないのですよ。
なので、感情論の誹謗中傷にならないよう、指摘する際も問題があると思う部分とその理由を可能な限り具体的に挙げているつもりです。
おかしいと思う部分をおかしいと指摘する事自体が「上から目線だ」となってしまっては、名無しさんさんが私にこのような指摘をすること自体も「上から目線」ということになってしまいます。
まして、自ら「もう読むことも無い」と宣言しているものに、わざわざこのようなコメントを送られているのですから、それはなおさらです。
ですが・・・折角、最初の方で「そうだよなー」とポジティブな感情を抱いていただいていたのに、記事を読み進めて行くにつれ、ネガティブな感情に転化させてしまったという点については、私にも反省すべきところが多分にありますね。
私自身も書いている際に、「ちょっといいすぎかな・・・」と何度も思い直して書き直すことが最近は多くなっているような気がします。
変化にはかなりの時間がかかってしまうかもしれませんが、可能な限り、共感を維持できるようなマイルドな言い回しを心がけたいと思います。
・・・って、あれ、私が文句を言っているゲームの代表として名無しさんさんが真っ先に挙げられたメタルマックスって、私としてはかなりの大絶賛だったつもりなのですが・・・(年間ランキングでも1位にしてるし、大絶賛ですねと他の方からコメントを頂いた事もあったはず)
それにメタルマックスは比較的なりきり型のプレイ日記だったはずなので、メタ視点での文句はほとんどなかった(キャラ視点では、レッドウルフに対して文句ばかりいってましたけどね・・・)と思っていました。
・・・人に何かを伝えると言うのは難しいものですね。
毎度1から10まで説明されないとわからないんでしょうか?
理解力がなさすぎる。
私に理解力がないと思っておいでなのに、そのような具体性を伴わないご指摘では私が理解できないだろうということまではご理解頂けなかったのでしょうか。
クロノ・トリガー、完結おめでとうございます!
100回まではいきませんでしたね・・・。
瀕死の重傷を負いながらの衝撃的な冒険スタート、
いつでもラスボスと戦えるシステムゆえの
第26回にしてラスボス打倒と、あずささんらしい
プレイ日記をずっと楽しんで拝読しました。
シナリオへの批判も、自分では気づけない点が
多くあり、あらためてあずささんの考察力の深さを
思い知らされました。
多分今からでも見られると思われる事について、
記憶を頼りにお伝えします。
A.D.2300年の黒の夢は、中に入ることができません。
入口の扉の所でジール女王が勝ち誇っており、
「わらわは、ラヴォス様とともに新たな星に旅立つ」
みたいな事を言ってきます。
なので、黒の夢は宇宙船みたいなもので、ジール女王の
目的は、ラヴォスという存在にずっと寄生し続けて、
永遠に生きる事なのだと思われます。
あらためまして、本当にお疲れ様でした。
よいお年をお迎えください。
何とか今年中に、そして、2桁回で終わることができました!
でもって、ジール女王の件についてなのですけど・・・
実はジール女王って、自身の地位や名誉をかなぐり捨ててでも、永遠にラヴォスと共に生きたいという極端に一途な人だったのですよね。
印象としてはもっと分かりやすい利己的な人物だと思っていたのですけどね・・・まあ、いかなる行為も極限まで突き詰めれば全て利己的と言えなくもないので、別に相反する感情というわけではないのかもしれません。
「黒の夢がラヴォスと共に次の星へと移動するための宇宙船である」という御堂さんの解釈については何の異論もありません。
ジール女王が「ラヴォスラヴ!ラヴォス以外は何も要らない!」という一途の人だとすれば、「自国の民を犠牲にしてでも、ラヴォスと一緒にいるための宇宙船を作りたい!」となる気持ちも理解できますし、黒の夢を作った後、世界に一切関与せず、ただそこにいただけという行動にも一定の理解を示す事ができます。
ただその場合、黒の夢があらゆる次元、時間を超えて流れているとかいう設定は要らなかったと思う・・・
いや、まてよ・・・お返事を書いている最中に、この黒の夢の妙な設定を活かすことのできる方法を思い付いてしまいましたよ・・・
ひょっとすると、ジール女王って厳密には不老の存在となっていたわけではなかったのかもしれませんね。
ラヴォスラブなジール女王は、永遠の命を持つラヴォスと共に永遠の時に共に過ごしたいと考えましたが、ジール女王自体には残念ながら寿命がある・・・そこで、別の時間、そして、場所で生きるラヴォス全部と同時に生きることで、ラヴォスと同じ永遠の存在になったものとしようと考えたのかもしれません。
黒の夢の中は、外界の時間や場所といった概念からは切り離されていて(ただし、黒の夢の中にいるジール女王の体感時間は通常と同じ)、ラヴォスが存在しているあらゆる時空(時間と空間)に同時に存在できるのかもしれません。つまり、ジール女王は黒の夢の中で、あらゆる場所にいる全ての年齢のラヴォスと同時に同棲しているような状態を味わっていたのかもしれません。(文字通り、ラヴォスの全てを手にしていたのです)
自分でも一体何を言っているのだろうという感は否めませんけど、あのジール女王ですから、それくらいの狂気じみた発想があってもよいのではないでしょうか。
信じるか信じないかはあなた次第です・・・なんて。