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皆さんこんにちは。
自分の無能さを嘆きたくなってしまう程、調査を進展させることができずにいる伊達あずさです。
もちろん、本当にキクさんが他殺だったらの話ですよ?
私が刑事をやっていた時であれば、既に何かしらの犯人を2、3人は捕まえているぐらいの頃合いなんですけどね。
ここまで強固になんの進展もないわけですから、あゆみさんがしつこくはっぱをかけたくなる気持ちも理解せざるを得ないというものです。
ただまあ、キクさんが他殺だったら探偵報酬が増えるというわけでもないのでしょうから、もう少し気楽に調査することにしますよ。あまり他殺と決めつけてかかるのも視野を狭める原因になりそうですからね。
今日は綾城家に行って、春日さんとお話してみたいと思います。
ただまあ、春日さんが後継者の印や家出中のユリさんについて詳しいとも思えないのですけどね。でも、キクさんが亡くなってから、春日さんは綾城家に長期間留まるというこれまでにない行動をとっていますし、何となく気にはなるのですよね。
というわけで、事務所から綾城家に直行します。
善蔵「どなたかお探しですか?あずさ様でしたら、たった今お帰りになりましたよ」
何故春日さんは綾城家に留まり続けているのでしょうね。善蔵さんの話によれば、こうなる以前からよくいらしていたという訳でもないみたいです。キクさんの遺産をあてにしているとのことでしたけど、ここに留まっていてもお金が早く手に入るというわけでもなし・・・一体何が目的なのでしょうか。
居間にいた春日さんとそれとなくお話してみることにします。
え~っと、病院でお会いしたときぶりですね。
単刀直入にお聞きしますけど・・・春日さんはキクさんの遺言についてどうお考えなのですか?
あずさ「もう完治兄さんから聞いたんでしょ!喉が痛いんだから余計なことを喋らせないでよ!」
ふむ・・・何年も前から行方も分からなくなっている人に突然全権を委ねられちゃったわけですから、綾城商事も大変ですよね?
あずさ「キク叔母様の発言権は綾城商事でも絶対的だったようね」
そうみたいですね。
あずさ「叔母様が居なくなって一番困ったことになったのは・・・二郎じゃないかしら?」
それはどういう意味ですか?
あずさ「社長の完治兄さんと専務の二郎はね、会社の中で激しく対立してたのよ・・・コホン!今までは叔母様がいたから完治兄さんも綾城商事を思い通りにできなかったけど・・・今はもう兄さんの望むままね。完治兄さんが居る限り、専務の二郎は会社の中で小さくなってなきゃならなくなったのよ」
なるほど・・・まあ、ありそうな話ですね。
となると、二郎さんにもこのタイミングでキクさんを殺害するような動機はないということになります。
あずさ「完治兄さんにとって叔母様の個人財産なんてどうでもいいんじゃないかしら?それよりも・・・綾城商事を自由にできる事の方がよほど魅力的なことに違いないわ。ユリさんが現れないことを心の中で願ってるんじゃない?」
ユリさんですか・・・春日さんはユリさんのことを何かご存じですか?
あずさ「こっちが聞きたいくらいよ!・・・大体、あなた探偵でしょ?どうせ何にもできないんだから、こんなとこでぐずぐずしてないで、ユリさんでも探してらっしゃいよ!」
ははは・・・これは手厳しいですね。
でも、ユリさんなんて見つからない方が、春日さんの取り分も増えてよろしいのでは?・・・などとは口が裂けても言えません。
そういえば、春日さんは綾城家に伝わる後継者の印というものをご存じですか?
あずさ「知らないわよ、そんなもの。私には関係ないわ」
春日さんが綾城家に残っているのは、後継者の印を探しているから・・・なんて可能性もあるかと思ったんですけどね。
う~ん・・・じゃあ、後は・・・あ、そうそう。最近、アキラさんという方が良くこちらに来ていたらしいのですけど、春日さんはご存じでしたか?
あずさ「ああ、兄さんのドラ息子ね。遺言公開の日もこっちで会ったけど。そういえば、その時アキラは誰かとコソコソ会っていた様ね」
ほう・・・コソコソですか。一体どなたと?
あずさ「それはご自分でお調べになれば?探偵さん」
確かに。では、喉が痛いところ、私のつまらない話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
・・・で、善蔵さ~~ん!!
春日さんの話によれば、遺言公開の日、ここにやってきたアキラさんは誰かとコソコソ会っていたらしいんですけど、何か心当たりありませんか?
善蔵「あの日、茜が見かけたアキラ様は何やら大きな荷物を持って屋敷の裏にある土蔵の辺りでうろついていらっしゃったそうなのです。何をなさっておられたのやら・・・」
あぁ・・・アキラさんのことについて善蔵さんの方から茜さんに聞いて下さったのですね。何か私、茜さんに嫌われてしまってるみたいだったので、とても助かります。で、その土蔵・・・というのは?
善蔵「土蔵は屋敷の裏にございます。高価な骨董品が沢山保管してありますので、入り口には鍵がかかっております」
中に高価なものが保管されているとなると・・・興味本位で中を見せて頂くと言うのも憚られますね。
困った・・・ちょっと話題を変えますか。
そういえば、善蔵さんから番号を教えてもらった神田さん・・・外出中みたいで、まだお話をお聞きできていないのですよね。
善蔵さんは神田さんとは良くお会いするのですか?
善蔵「立派な方です。キク様が亡くなられた時、私の話を親身になって聞いて下さいました。では、一度探偵に調査を頼んでみてはどうか、ということで有名な空木探偵事務所の優秀な探偵でいらっしゃる、伊達様の事を神田様が教えて下さったのですよ」
え?そうなの?おかしいな・・・記憶にないけど、どこかでお会いしてるのでしょうか。
善蔵「神田様の事務所の電話番号は*16の短縮ダイアルです」
え、あ、はぁ・・・もう一回かけてみろってことですか?
やっぱりいらっしゃらないみたいです。
善蔵「村人達が気味の悪いことを噂しておりましたでしょう?」
え?急に何の話ですか?・・・あぁ、満月の晩に亡くなられたキクさんが蘇るとかいう話のことですか?
善蔵「村人達がいい加減なことを言って、勝手に騒いでいるだけでございます。そういえば・・・今夜辺りが丁度満月ですね」
ず、随分と思わせぶりな事を言いますね。
ま、まあいいです。今日はもう大分遅くなってしまったので、そろそろ事務所に戻りますね。
では調査の続きはまた後日ということで・・・
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。