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皆さんこんにちは。
今回でもう6回目になるというのに、びっくりするほど調査が進展していない伊達あずさです。
こんな調子ではまた依頼主(善蔵さん)に怒られてしまうかも・・・でも、キクさんが他殺でなかった場合は、私がどんなに頑張って調べようとも、依頼主が満足するような証拠など出てこないわけですし・・・
さてと、事務所に戻ってきたわけですが・・・あれ?空木先生がお戻りになられたから、私を呼び戻したんじゃないの?
あゆみ「調査の進み具合を知りたくて電話したの。どう、進んでる?」
それ、わざわざ私を呼び戻さなくても電話で済んだんじゃ・・・
まあいいか。じゃあ、これまでの経緯を敢えて長々とまとめるので、あゆみさんも一緒に考えて下さい。
まず、今回の依頼人は綾城商事の会長キクさんの突然の死に疑問を抱いた執事の善蔵さんです。
善蔵さんがキクさんの死に疑問を抱いた理由は、今のところ遺言の公開直後に死亡したから・・・というふわっとしたものだけです。遺言の公開前に死亡したというのであれば、まだ少しは理解できなくもないのですけど、公開された後に亡くなられたからと言って、何がそんなに疑わしいのでしょうね。
もちろん、その日に公開された遺言の内容次第では、他殺を疑う余地も出てくるのかもしれませんけど、残念ながら、まだ遺言の内容はわかっていません。
後は・・・アキラさんというキクさんの又甥にあたる人が、遺言の公開当日、屋敷に来ていたそうです。
それと、キクさんの死因について、キクさんの担当医だった熊田先生は、心不全で間違いないと言うのですが、そりゃ誰だって死んだら心臓は止まっちゃいますからね。死因が心不全で間違いないと開き直っちゃうお医者さんってどうなのでしょうね。私は何が原因で心不全に陥ったのかが知りたいのですけど・・・
幸か不幸かキクさんのご遺体は土葬されているらしいので、ちゃんとした方に解剖していただければ何か分かるかもしれないのですけど、警察はキクさんの死に事件性がないと判断しているようで、今更一介の探偵が「遺体を掘り起こして解剖しろ!」などと言えるはずもなく。
もし、善蔵さんが綾城家の人であったならば、キクさんの遺体を行政解剖してもらうこともできたのでしょうけど、そうできていないからこそ私が雇われたのでしょう。
一生懸命、引き伸ばしてみたけど、これだけ・・・なんですよ・・・
5回も調査してるのに、流石にこの進捗はまずいですよね・・・
あゆみ「綾城商事のことを調べる必要がありそうね。それは私が調べてみるわ!だから、あずさ君は綾城家に行って、もっと詳しく調査してきてね」
もっと詳しくと言われても一体何を詳しく知れべれば良いのやら・・・まあ、とりあえずは遺言書の内容でしょうね。
じゃあ、行ってきますね・・・
というわけで、明神駅再びです。
あ、そうだ。ひょっとして駅員さんはアキラさんのこともご存じだったりするのでしょうか。ただまあ、何となくだけど、名前的に綾城家まで電車できそうなイメージではないけども・・・
駅員「うーん、聞かない名前ですねえ」
ですよね?お時間をとっていただきありがとうございました。
村人「アキラ?誰じゃそりゃ?時々、ガラの悪そうな男が来とった様じゃが、そいつかの?」
ふぇ!?偶然駅にきていた村人の一人が駅員さんの代わりに答えてくれました。
ガラの悪そうな男・・・う~ん、尋ねておいてなんですけど、私も実際に会った事があるわけではないもので・・・
そんな不毛な聞き込みを経て、再び綾城家へ。
善蔵「伊達様、居間の方に完治様がお見えですが。お話されてはいかがですか?」
あ、完治さんがいらっしゃったのですね。それは是非とも。
善蔵さんに案内され、綾城家の居間へ。
初めまして、空木探偵事務所の伊達と申します。
先日亡くなられたキクさんのことでお話をお聞きできればと思い、お休みのところ大変ご迷惑とは思いましたが、お伺いさせていただきました。
完治「ゆっくりくつろいでおったのに、一体何の用かね」
そりゃ~まあ、ご迷惑でしょうね。ただ、そう思ってもいちいち口にしないのが大人だと思います。私が真に図々しい人なのであれば、その程度の嫌味を言ったところで効果は見込めませんし、そうでなかった場合には、嫌味をいった完治さんが損をするだけで、結果は何も変わりません。要するに自分の印象が悪くなるだけ損なのですよ。
で・・・えっと、この度はお悔やみ申し上げます。
完治「急なことで驚いたよ。まだ会長として頑張ってほしかったのだが」
そうですね。現会長が急逝したわけですから、完治さんも色々と大変ですよね。
後は・・・差し出がましいお願いで大変恐縮なのですが、差し支えない範囲で構いませんので、キクさんが亡くなられた前日に公開されたという遺言書の内容についてお聞かせ願えませんでしょうか。
完治「遺言公開の時に取ったメモがある。まあ、みたまえ」
では拝見させて頂きます・・・え~っと、何々・・・
「綾城商事の会長としてキクが持っていた全ての権利は綾城家の正当なる後継者の印を持つ綾城ユリに譲られるものとする」
綾城ユリ?これはまた新しい人が登場しましたね。
「キクの個人財産は半分をユリに、残りの半分を完治、二郎、あずさの3名で公平に分配すべし」
なるほど・・・これでますます、キクさん他殺の疑念が薄れちゃいましたね。
だって、キクさんが最期に残したという遺言も、キクさんが亡くなられた当日、屋敷にいらっしゃっていたお三方にとって、特別有利な内容ではありませんもん。むしろ、キクさんが亡くなられてしまったら、この遺言が確定しちゃうわけですし、キクさんを殺害しても何の得もありません。
となると・・・仮にキクさんが他殺だったとしても、動機は遺産がらみの計画的なものではないのかもしれません。そうなるともう突発的な感情や積年の恨み・・・などの路線になってしまいますね。
流石に積年の恨みを偶然このタイミングで・・・と言う話になると、必然に欠けるために話が面白くならないので、遺言の内容に納得できなかった誰かが、キクさんと言い争いになってそのまま・・・辺りが無難な路線でしょうか。
ただ、それならそれで「キクさんと誰かが揉めていた様だ」みたいな情報が善蔵さんからもたらされても良さそうなものなんですけどね。それもないとなると・・・いよいよ善蔵さんがキクさんの他殺を疑う理由が分からなくなってしまいました。
これは・・・困りましたね。全く調査が進展しません!
折角、完治さんにお時間を取って頂いたわけですから、他にも色々お聞きしたいのですけど・・・続きは次回かな。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。