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皆さんこんにちは。
既に記憶を失う前の調査進捗分は、ほぼ取り返せたのではないかと思っている伊達あずさです。
ただまあ、失われた記憶の方はいまいちはっきりしませんね。それでも、依頼主の名前は思い出せたのですから行幸です。
さてと、じゃあ今日も頑張って調査しましょうか。
あゆみ「調査は進んでる?空木先生はいらっしゃらないけど頑張ってね」
一応、失ってしまった記憶分ぐらいは進みましたよ。ただ、依頼主から依頼の内容を聞いた・・・ぐらいの進捗しか元々なかったみたいですけどね。でもまだ私が崖から落ちた原因については記憶が戻らないので、ひょっとすると今回の調査にかかわる重要なヒントが隠されている可能性は否定できません。
でもまあ、一生懸命考えれば思い出せるというものでもありませんし、そこにはあまり期待せず、正攻法で調査していくつもりです。
というわけで、出かけますね。
依頼主である善蔵さんからもう少しお話を聞きたいので、綾城家に行ってみます。
善蔵さん、おはようございます。
出かけられていた春日さんはお戻りになられましたか?遺言書の件でお話をお聞きできればと思うのですが・・・もちろん、その他のご親戚の方でも構いません。
善蔵「ただいま皆さまはこちらにはいらっしゃいません」
そうですか・・・
善蔵「伊達様。キク様が亡くなられた寝室をご覧になりませんか?」
それは是非。
キクさんが亡くなられた寝室に案内していただきました。
善蔵さんの話によると、キクさんはこの寝室の布団の上で亡くなられていたそうです。
ふむふむ・・・ここがご遺体の発見現場ですか。
既に何もかもが片付けられてしまっていますし、如何にもな物証などは見つからないでしょうけど、間取りとか部屋の状況に関する情報は後々役立つかもしれません。
そういえば、遺言公開に呼ばれたご親戚の方はこのお屋敷にお住まいではないとのお話でしたけど、普段このお屋敷におられるのは、キクさんと善蔵さんのお2人だけなのですか?
善蔵「屋敷には私の他に茜というお手伝いがおります。キク様の遺体を発見したのは茜です」
ほうほう・・・茜さんというお手伝いの方がご遺体の第一発見者なのですね。では、茜さんからお話をお聞きすることは可能でしょうか。
善蔵「今はあいにくと出かけておりますが」
あらら・・・そうでしたか。
困ったな・・・善蔵さん以外に話を聞けそうな人が誰も居ませんね。
あ、そうだ!キクさんの死因を心不全と診断したお医者様のお名前とかわかりますか?
善蔵「キク様のかかりつけの先生で、この村でただ一人のお医者様です。伊達様。一度、熊田先生に会っていただけませんか」
もちろんそのつもりです。
では、お手数ですが熊田先生がお勤めされている病院の場所を教えて頂けますか?
善蔵さんから熊田先生がお勤めになっているという熊田医院の場所を聞き、すぐさま医院へと向かった私・・・
初めまして、探偵の伊達あずさと申します。突然お伺いしてしまって申し訳ありません。
今日は綾城キクさんの件で、熊田先生からお話をお伺い出来ればと思って参りました。
熊田「儂が熊田じゃ、よろしく」
では、大変不躾ですが改めてキクさんの死因に関してお聞きしてもよろしいでしょうか。
熊田「心不全ぢゃ・・・とはいうものの、こんな急に亡くなられるほど悪かったわけでもないんぢゃが。まあ、時が時ぢゃから、執事が不自然と思う気持ちもわからんではないがのう・・・」
時・・・というのは、遺言の件ですか?
熊田「遺言を公開した晩に亡くなられたとはのう・・・」
う~ん・・・犯人が何かしらのきっかけで公開前の遺言内容を知り、その内容に納得できなかったため、遺言書を破棄してキクさんを殺害。その後、遺産分割協議に持ち込もうとした・・・なら犯人の動機も非常にわかりやすいのですけどね。
もちろん、あくまでキクさんが本当に他殺だった場合の話ですけどね。
でも、遺言書を公開した後の殺害となると・・・犯人は公開後に遺言書が再作成されることを恐れたとか?
かなりぶっとんだ推理・・・というかもう妄想レベルになっちゃうけど、実は遺言書が公開される前からキクさんは殺害されていて、公開された遺言書はキクさんの殺害後に犯人がでっちあげたものだったとか。
善蔵さんの話だと、遺言書の公開に立ち会ったのは完治さん、春日さん、二郎さんの3人だけみたいですし、本来の遺言書、ないし、キクさんの思いがこの3人にとって都合の悪い内容だった場合は共謀する可能性もあるよね。
最初からずっと気になってたんですけど、遺言書の公開前に急死したというのであればまだしも、公開後に死んだ人を他殺だと決め込むのって不自然じゃありませんか?ひょっとして、善蔵さんは遺言書の内容を知っているんじゃ?
公開された遺言が、キクさんを良く知る善蔵さんからみて、とても本人の手で作られたとは思えない様な内容だったため、事件性を疑っているのでは・・・
熊田先生はキクさんの死亡診断をご担当されたそうですが、その時、何か気付いた事とかありませんでしたか?どんな些細な事でも構わないのですが。
熊田「善蔵から何を聞いたかしらんが、やつの取り越し苦労ぢゃよ。キクさんはただの病死ぢゃ」
そうですか・・・
熊田「春日あずさという女が喉を傷めて、今、ここに来とるぞ。綾城家の関係者だそうぢゃ」
えっ、春日さんがこちらにいらっしゃってるのですか。えっと、どちらに・・・
あずさ「私が春日あずさだけど・・・」
初めまして、探偵の伊達ともうします。実は少しお話をお聞きしたいのですが・・・
くっ・・・名前が私と一緒だから、物凄くやりにくいな・・・
では、えっと・・・確か春日さんは亡くなられた綾城キクさんの姪にあたる方でしたよね。普段、こちらのお屋敷にはお住まいでないとお聞きしたのですが、何時頃からこちらへ?
あずさ「遺言公開の晩、私達兄弟3人は皆屋敷に泊まったわ・・・コホン!こんなことはめったにないことだけど」
なるほど・・・ではキクさんが亡くなられた夜は皆さんあのお屋敷におられたのですね。
あずさ「なによ!私達がなにかやったとでもいうつもり?冗談はよしてよね!コホン!」
いやいや、そんな滅相もないですよ!
では・・・春日さんにとってキクさんはどのような方だったのですか?
あずさ「おばさま?綾城家の主で綾城商事の会長。でも今はお墓の中・・・どう、こんなところでいいかしら?」
そうですか。
春日さんはキクさんに対してあまり思い入れがなさそうですね。
あずさ「確かにタイミングが良すぎたかもね。遺言公開の晩に突然亡くなったんだから・・・コホン」
タイミングが良い?
“良い”というからには、残された遺言が春日さんにとって都合の良い内容だったってことですよね。
大変お手数だとは思いますが、遺言書の内容についてお教え頂けると嬉しいのですが・・・
あずさ「遺言の内容を話せですって?そんな面倒なことはごめんだわ!兄さん達にでも聞けばいいでしょ」
熊田「おっ、そうそう、キクさんは近くの神楽寺に埋葬されたんぢゃ」
春日さんがあまりに凄い剣幕だったせいか、熊田先生が話を割ってくださいました。
う~ん・・・とても遺言の内容に満足している人の精神状態とは思えませんね。何かやましい所があるから攻撃的なのか、それとも、生来攻撃的な人というだけなのか・・・
何れにしても、これ以上刺激するのは止めておきましょう。
熊田先生にキクさんが埋葬されたというお寺について教えて頂いたので、そちらへ向かってみますか。
ただそれは次回にしようかな。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。