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皆さんこんにちは。
説得力のない意外性はむしろ無い方がいいと思っている伊達あずさです。
だって、伏線も何も無いどんでん返しなんて、ただの行き当たりばったりじゃないですか。
さて、長年いがみ合っていたはずの3民族が急に仲良くできちゃうほど、ヴァレリアの民に愛されていたドルガルア王が実は堕落していましたという超展開になっちゃいました。
何だかドルガルア王のキャラクターがいまいち分からなくなってきてしまいましたよ。確かドルガルア王ってわざわざベルナータ王妃と仲が良いマナフロアさんに手を出し、王妃よりも先に身籠らせるとか結構ゲスいことをしていませんでしたっけ?
そりゃまあ、王などという特殊な立場にある人の性的倫理観を一般人の倫理基準で測るのは誤りなのかもしれませんが、それにしたって何も王妃が信頼を寄せていたマナフロアさんでなくてもよくない?王妃が信頼している人を手籠めにしたってところがゲスいのですよ。
そんなゲスいドルガルア王が死んだ王妃や息子にために過去の栄光をかなぐり捨てて悪落ちしましたとか急に言われても全くピンとこないのです。どっちかっていったら、最初から如何にも悪っぽい性格で、自分の欲望の肥大化に伴い順当に悪魔の手を借りるようになっていきましたって方がしっくりくるぐらいです。でもそうなると、民族融和を掲げる大人気の王様っていう世間の評価とマッチしなくなっちゃうのですよね。
かつてはゲスの極み王様だったドルガルア王も、マナフロアさんが城を追われたことで、心を入れ替え、王妃や息子に愛を注ぐようになったってことなのでしょうかね。でも、そういった話にしたいのであれば、ちゃんとそういうエピソードを挟んでくれないと。
さもなくば、ドルガルア王も外面がいいだけで、中身は姉さんと同じタイプのヤバい人だったってことに・・・って、存外それが真実なのかも。
後、結局、バルバスは何頼みで空中庭園に強行するなんて道を選んだのでしょうね。
バルバスにはハイムで黒いランスロットさん達を裏切った後、ブリュンヒルドを持ってローディスに帰還するという選択肢もあったはずです。実際、ランスロットさんらは苦も無くあのハイムより逃げ出せているわけですから、転移石持ちの彼らなら楽勝ですよね?
もちろん、ブリュンヒルドを用いて空中庭園にある封印を解けば、即座に状況が好転するという確度の高い確信でもあれば別なのかもしれませんが、「カオスゲートを開いて魔界へ行き、究極の力を探す当てのない旅にでる」とか全くもって今のタイミングでやる事じゃないよね!?
ほんと、タクティクスオウガの人達は総じて感情優位の猪突猛進というか、計画性や論理性の欠片もないというか・・・私が苦手なタイプの人ばかりです。
何故こんなことになってしまったのか全く分からないけど、とにかく悪落ちして復活したドルガルア王と戦う事になってしまいました。
何か手下らしきものを召喚されたけど、ドルガルア王さえ倒せばいいみたいです。
毎度の如くスターティアラで攻めるも、ドルガルア王は神聖属性に耐性があるのか利きが悪い!手下のダークストーカーに至っては魔法をガードしてくる始末。
流石のドミニオンもドルガルア王には効かないか・・・
ただまあ、普通に飛び道具で攻撃すればすぐに倒せちゃうんですけどね。
あれ、何も言わずにお亡くなりになられてしまいました。
あずさ「まずい!カオスゲートが開こうとしているッ!!このままでは魔界に引きずり込まれてしまうぞッ!!」
聞き覚えのある声「風霊の力を得、汝を天高く舞い上げ運び去らん・・・テレポート!」
仲間は次々に転送されていったのですが・・・
何故か私だけ取り残されちゃったよ。
あずさ「ウォーレンさんッ!?」
占星術師ウォーレン「はぁ・・・はぁ・・・ここは崩れます・・・崩れてしまえばカオスゲートは発動しないはず・・・」
え!?てっきり、カオスゲートの封印方法を伝えるためにテレポートしてきたのかと思ったのに・・・だったら、ウォーレンさんがこちらにテレポートしてくる必要なかったんじゃないの!?
後、ここが崩れるだけでカオスゲートが無力化されちゃうのであれば、こんな危ない場所、封印とかせずにとっと壊しておけよ!!!
あずさ「無茶だッ、ウォーレンさんッ!そんな身体でッ!!」
占星術師ウォーレン「ありがとう、あずさくん・・・お別れです・・・風霊の力を得、汝を天高く舞い上げ運び去らん・・・テレポートッ!!!」
あずさ「ウォーレンさんッ!!!」
どういうこと??仲間達をテレポートさせていた時は、この場ではない別の場所からテレポートさせていたはずなのに、どうして最後の最後にこっちにきちゃったの???
ウォーレンさんが行方不明になるという辻褄を合わせたかったのかもしれないけど、それならそれでもうちょっと演出法を考えてよ・・・
・・・大いなる父・フィラーハの名の下に、汝、ベルサリア・オヴェリスをヴァレリアの王と認め、ここにヴァレリアの称号を与える・・・
女王ベルサリア「・・・過去のすべてを忘れようとは言いません。何故、この戦乱が起きたのか、戦乱によって何を失ったのか、そして、私達が何を成したのか、これらは後世の人々に伝えねばならないことです」
女王ベルサリア「しかし、遺恨を残してはなりません。忌まわしき過去と決別するのです。我々の未来のため、子供達のために、過去を悔い、改めなければなりません。私達にはそれができるはずです。新たな世界のために、このヴァレリアに暮らす同じ民として平和な未来を築きましょう。ヴァレリアに栄光あれ!」
水のオリビア「お父様・・・」
水のオリビア「・・・だめ、やっぱり、お父様の側を離れることはできないわ」
大神官モルーバ「・・・お前の気持ちはよく分かっている。お前は良く頑張ってくれた。儂の分も、セリエ達の分も。その苦労も明日でお終いだ・・・後は儂らが面倒をみよう。お前は、お前の好きにするがいい。これからは自分のために生きるのだ・・・」
水のオリビア「お父様・・・」
大神官モルーバ「儂らのことを気にする必要はない。もう大丈夫だ。彼と一緒に行きなさい、オリビア」
水のオリビア「彼と一緒に、か・・・」
あずさ「父さん・・・約束通り、姉さんを助けることができたよ」
あずさ「・・・後は姉さんに任せるよ。姉さんはもう大丈夫。僕なんか側にいなくても、やっていける・・・きっと今頃、ハイムでは姉さんの戴冠式をやっている頃だよ。名実共にヴァレリアの王になったんだ」
あずさ「カノープスさんは帰ったよ・・・ブリュンヒルドを持ってね」
風使いカノープス「今日まで、色々とありがとう。礼を言うぜ、あずさ」
あずさ「こちらこそ、カノープスさん達の力がなければ勝利はありませんでした」
風使いカノープス「ハハハハ。ありがとうよ。そう言ってもらえると、死んじまったランスロットやウォーレン爺さんが浮かばれるってもんだ」
あずさ「・・・」
騎士ミルディン「まだ、死んだと決まったわけではありませんよ、カノープス。気にしないで下さい、あずさくん。あなたが責任を感じる必要はまったくありませんよ。我々は望んでこの島へ来たのですから」
騎士ギルダス「そうさ。俺達の使命だったんだ。この島でお前と一緒に戦うことがな」
風使いカノープス「そうだな・・・あの二人のことだ。きっとどこかで生きているさ。よし、そろそろ出発するとしようか!」
騎士ミルディン「さようなら、あずさくん。また、会える日を楽しみにしています」
騎士ギルダス「あばよ、小僧ッ!女王様によろしくなッ!!」
あずさ「カノープスさんッ!ラ、ランスロットさんは・・・!」
風使いカノープス「いいんだよ、あずさ。もういいんだ・・・それより、落ち着いたら必ずゼノビアへ来いよ。待っているからな。ランスロットの生まれた国・・・ランスロットが命を賭して守ろうとしたゼノビアをその目で見てくれ。約束だぞ」
あずさ「カノープスさん・・・」
風使いカノープス「なんだよ、その面は。男がそんな顔するもんじゃねぇよ!な、笑えよ。笑うもんだ、こんなときは」
騎士ギルダス「くっくっく。どっかで聞いたセリフだ」
風使いカノープス「るせーッ!マルティムの必殺技にやられた騎士の恥さらしめッ!」
騎士ギルダス「なんだと、この鳥ヤローめッ!刺身にして食ってやるぞッ!」
風使いカノープス「お、オレのことを鳥と呼びやがったな!このヒゲもじゃマッチョヤローめッ!」
あずさ「ハハハハハハ」
あずさ「姉さんだけじゃない。戦いが終わって、皆、それぞれの道を歩き始めたよ、父さん・・・ハイムから去っていった仲間もいるんだ・・・」
あずさ「・・・本当に行ってしまうのですか?戴冠式は1週間後だというのに」
魔術師バイアン「戴冠式を見れんのは残念だが、身体が休息を欲しがっているのでな・・・それに、ハイムにいると、やれアカデミーに戻れだの何だのとうるさくてかなわん。まぁ、教師をやるなら都会より田舎の方が性に合っているしな。フォルカスと一緒にこの娘の故郷へ行って、小さな学校でも開くつもりだ」
アロセール「ごめんなさい、あずさ。ハイムに残って、新体制のために力を尽くすべきなのでしょうけど、急に田舎に戻りたくなってね。戦っている最中は無我夢中だったけど、終わってみると、何かこう・・・そうね、張り詰めていた糸が切れたみたい。とりあえず、バイアン、フォルカスと一緒に田舎へ戻って、これから何をするべきなのか、ゆっくりと考えるわ」
騎士フォルカス「君にはずいぶんと世話になった。本当にありがとう。それから、騎士団に戻らないことをどうか許して欲しい。よく考えてのことなんだ。戦争が終わったとはいえ、まだ、民族間の恨みを抱く者も多い。心の傷は癒えていないのだ。だからこそ、剣の力ではなく、対話を大切にして、心と心の絆を育てていきたいと思っている」
魔術師バイアン「カチュアによろしく言ってくれ。遠くから見守っているとな」
あずさ「皆さんもお元気で」
アロセール「落ち着いたら、手紙を送るわ。楽しみに待っててね」
騎士フォルカス「再開できる日を楽しみにしているよ」
あずさ「父さん・・・僕、行くよ。ローディスのやつらが再び、この島へ戻ってくる前に、見ておきたいんだ・・・ランスロットさんが命を賭して守ろうとした騎士としての誇り、名誉、そして、ランスロットさんの祖国を・・・」
あずさ「僕は必ず戻ってくる。だから心配しないで、父さん・・・」
このハイムの戦役以後、ヒッタイト人に統一されるまで、約千年もの間、ヴァレリアは独立国家としてその名を歴史に留めることになる・・・
といったところからのスタッフロールなのですが、スタッフロール後にもまだちょっとあるのですよね。
船員「ローディス行きの船が出るぞーッ!!」
まあ、黒いランスロットさん達が無事ヴァレリアから逃げおおせましたよってことでしょう。
それにしても、結局最後までランスロットさん達が何を考えていたのか分からずじまいでしたね。ヴァレリアに来た目的から、ブリュンヒルドだけで目的を達成できていたはずなのに、姉さん探しにこだわった理由まで、何から何まで分からないままです。
ともあれこれで終わったわけだけど・・・空中庭園の話って要りました?
実際にあった紛争を元にした現実指向のストーリーだったはずなのに、最後の最後は謎の絶対悪を倒してハッピーエンドって、いつの間にやら如何にもなJRPGストーリーになっちゃってましたよ。
それにあれだけ推していたはずの革命もいつの間にか失敗に終わっちゃってたじゃないですか。終わりの見えない争いによる疲弊から生まれ、次第に権力者達へと向けられていった民衆の怒りは一体どこへいってしまったの?3民族の争いは全部、権力者・支配者達のせいだってことにしちゃったんだから、その象徴たる王族を葬り去らなかったら民衆は自分達が不幸になった責任を転嫁する相手を失って心の平安を保てなくなっちゃうよ?それなのに、前王の血族というだけで選ばれた王による絶対王政の国に戻ってハッピーエンドとか意味不明にも程があります。
おかしいな・・・この戦いが革命だって言い出したのは私じゃないのに・・・何となくハッピーエンド風にまとめられていたけど、実際は民衆が権力者に屈したっていうバッドエンドだったのかもしれません。
大体、3つの民族にどんな違いがあって、何故対立するに至ったのか、そのきっかけすらもわからないまま、何だかんだで力でねじ伏せられて皆仲良くしなさいってなっちゃったわけですから、やってることは前王のドルガルアと何も変わりません。しかも、王位についたのはドルガルア王と同じように容易く闇落ちしそうな姉さんなわけですよ。
この世界の歴史が既に証明している悪条件をこれだけ重ねながら、何故か今回は千年も平和が続いちゃうのですから、ご都合主義感が凄まじいというか、ストーリーに論理性が微塵もないというか・・・
それにしても、ヴァイスにロンウェー、そして、ゴリアテ襲撃の恨みがある黒い方のランスロットと私のヘイトを一身に集めた悪役達は誰一人として私の手にかかりませんでしたよ!!
革命が失敗に終わったことだけでなく、個人的にも物凄くもやもやしつつ「タクティクスオウガ」これにて終了です。
結局、前作も今作も疑問が解消されるどころか増えて行くだけの投げっぱなしで終わってしまいました。幾ら続編ありきのストーリーだったとしても、もうちょっと話の区切り方を考えて欲しいものです。
あ、どうせ再考するならゲームバランス(難易度ではない)の方も・・・
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Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。